Goldman presents The Rock'n Roll Ero-Manga
鬼才AV監督・ゴールドマンがお勧めのエロ漫画を熱く語る!
淫語インストラクターにして官能小説家、そしてベテランAV監督であるゴールドマン氏が「ズリネタ」として唯一活用しているモノ、それは「エロ漫画」だった! プロのエロ事師は何故、「エロ漫画」でなければヌケないのか、「エロ漫画」にしかない魅力とは、一体何なのか。ゴールドマン氏が実際にズリネタとして使用している大好物な作品たちについて、編集部がインタビューを敢行。全4回に分けてとっくりと語って頂きました!!ゴールドマン(以下「ゴ」) 今回紹介する作家はチョコぱへさんです。
編 お名前からして最近の作家さんのようですが......これもエンジェルコミックスなんですね。タイトルは『種付けストーキング』(エンジェル出版)。
ゴ タイトルと表紙が凄い。
編 モザイク処理されているとはいえ、表紙に女性器。これよくOKでましたね......。
ゴ 最近は性器にモザイクをかけて表紙、みたいなものはよくある印象ですね。
編 そうなんですか!
ゴ それだけ置かれている店舗が少ないということじゃないですかね。一般の書店にはないし特に売れてる作家でもないので。ある程度エロ漫画があるところに......よっぽど探さないとないと思います。
編 ちなみにゴールドマンさんがエロ漫画を購入されるお気に入りスポットがあれば教えて下さい。
ゴ 神保町に新宿じゃないのに「新宿書店」という書店があって、そこにはエロ漫画の見本があるんです。全部じゃないけど中身が見れるんですよね。
編 エロ漫画で中身が確認できる書店は珍しいですよね。
ゴ もちろん「新宿書店」にない作品もありますから、「エンジェルクラブ」や「COMIC天魔」、そういうエロ漫画雑誌も立ち読みできるので、それで新しい作家をチェックして、この人面白そうだなって思ったら単行本を買いますね。
編 その「新宿書店」は、たとえばこのチョコぱへさん、あんまり有名じゃない作家さんということですが、そんなマイナーな作家のコミックスも扱ってるんですか。
ゴ 新刊だったら置いてる可能性がありますよ。
編 もちろん立ち読みで、中身を見ることも出来ると。
ゴ はい。
編 では今回のチョコぱへさんも「エンジェルクラブ」の雑誌の中で見つけてから買われたんですか。
ゴ そうです。半年前くらいに見て、この人独特だなーと思って覚えていました。
編 どういった印象が独特だと思われたんでしょう。
ゴ 線が少ないというか。最近ゴチャゴチャした漫画ばっかりじゃないですか。書き込み、書き込みなので。その中でもこの人はシンプルなほうなんです。
■超現代的性器断面図描写!
ゴ 立ち読みしたのが載ってるかな......。旅館の女将もので、女の人が優しそうでポヨンとしてる印象がまずある。あと、フェラチオしてる時に男が透けていて、スケルトン状態。男のお尻側から、女の人がフェラチオしてるのが見えてる。この描き方は珍しいですね。
編 すごいですね......。
ゴ あと性器のアップ。もっちりとしたモチモチ感のある性器と内部描写というか膣内、オマンコの中に肉棒が刺さってる描写がミチミチッとあって、射精シーンでは子宮に精子が注がれている様子が断面図でちゃんと描いてある。
編 こういう描写は今っぽいですね。
ゴ なのに漫画自体はほのぼのした感じなので、逆にインパクトがあるなあと。
編 前回扱った飛野さんは凌辱の限りを尽くしていて悪い奴しか出てこない作品でしたが、こちらはそんなことないんですね。
ゴ これはいい人が犯されていくんです。そのあたりは凄く新鮮でしたね。
編 エロ漫画雑誌をこれまでにもの凄くたくさん見てこられたゴールドマンさんが、ちょっとした立ち読みで気になるのは珍しいことですか。
ゴ そうですね。
編 読んでいて、どのあたりでそうした嗅覚が働くんですか。
ゴ この作品でいうと一話目の後背位で挿入してる箇所。スケルトンで輪郭の外と中が同時に......肉棒を挿入してる中も外も同時に描かれていて、なおかつ子宮にギュウッと出てる、これは今まで見たことがなかったですね。
編 ......凄いですね。普通の断面図ではなく、入り口である女性器はしっかり描かれてるんですね。
ゴ そうなんですよ。外から見たものと内部構造が同時に描かれているという点で、革命的な漫画ですよね。
編 この後背位の女性のお尻の角度、ここからじゃないと全部描けないという角度を狙って描いてるんですね......。
ゴ これはね、そういう意味では今まで生きてきてよかったという、一つの到達点ですね(笑)。昔、医学書でオナニーする奴がいたじゃないですか。医学書の性器とエロ本でオナニーしてる人の感性をミックスした、超現代的な描写ですよ。まだこの人は単行本も少ないし、これから伸びる人だと思うので、もの凄く期待してるんです。
■モザイク国家日本の「性器を見たい!」エネルギー
編 これまで、何人かの作家についてお話を伺ってきて、どんな作家でもエロ漫画では男性器なり女性器なりの描写が重要だと伺いました。現状のエロ漫画は単行本になってしまうと、ほぼ無修正といってもいいような描写になっていますよね。
ゴ 申し訳程度に線が入ってますね。
編 しかも女性器は、線といってもカラーページではピンク色。男性器にはその線すらないものもあります。
ゴ 時代として、エロ漫画が興隆する時代に入ってるんだと思うんですよ、今は。これでまた規制が入って、そういう描写ができないということなら、やっぱり修正がめり込んでくると思う。
編 規制の話は置いておくとしても、この性器描写ですが、エロ漫画で女性器なり男性器なりがしっかり見えるということは、エロ漫画ユーザーにとって非常に重要なんでしょうか。
ゴ これだけ描かれてるということは、おそらくほとんどのファンにそういう傾向があるんでしょうね。そうじゃないファンももちろんいるとは思いますが。でも自分の基準としては、しっかりとペニスが描かれていて、ザーメンがちゃんと描かれてなかったら除外していきますね。
編 ゴールドマンさんは男性器と女性器、どちらを必要としてるんですか。
ゴ 僕は男性器がまずしっかり描かれていないとダメ。あと力強いペニスでなければ許せない人なんです。自分の勃ちが悪くなってきたというのもあるのかもしれないけど(笑)。それは自分の基準なんです。
編 とても重要なんですね。
ゴ はい。だから、一回目のみきかずさんが描くのは、やたらと逞しい巨根じゃないですか。
編 男性キャラたちはみんな童顔なんですよね。童顔だけど猛々しいペニスが描かれてる。
ゴ その辺に憧れるのもあるし、オスとしての強さみたいな......願望なんですかね。今のエロ漫画のファンは、おそらくしっかりと性器が描かれてなければ手に取らないんじゃないかな。そこはやっぱり......時代ですよね。
編 今回のチョコぱへさんの『種付けストーキング』、これは昨年の6月に発売された単行本ですから、現在形の作家さんですよね。他に特徴はありますか。
ゴ 現在の作家さんの中では非常にシンプルなタッチの方ですね。ただやたらとマンコばっかり......モザイクが入るなら全面モザイクみたいな。このページなんて全部性器。
編 コマ割りで四コマにはなってますが......。
ゴ 全部がアップ(笑)。
編 アダルトビデオの基準なら画面のほとんどがモザイクですよね(笑)。
ゴ そうなんですよ。だからこういうことができる今の時代はすごいし、こういう描写をする作家が旬なんじゃないですか。
編 アダルトメディアとしてのエロ漫画の歴史から見ても、今の時代は特殊な情況なんですね。
ゴ ある意味ピークなのかも。これ以上どうなるかわからないけど。
編 どうなるといっても、ここに薄く入ってる線がなくなるだけでは(笑)。
ゴ あとは内部構造がもうちょっと緻密になっていくんじゃないかな。それこそ内臓がすべて描かれたりして。それがイヤラしいかというとそうでもないだろうけどね。
編 こうした先進的なエロ漫画、スケルトンだったり断面図だったり、そういう描写でユーザーの性的嗜好を逆に開拓というか、教育してきたような側面はあるんでしょうか。
ゴ 見たいという動機が一番強いですよ。特に日本はモザイク国家なので、性器が見たいというエネルギーがもの凄く強い国だと思う。そうじゃなければアダルトビデオにしてもこんなに膨大な数の作品はリリースされなかっただろうし。そういう意味では、アメリカではもっと廃れてる世界でしょ、ポルノって。
編 ゴールドマンさんはエロ漫画で新たな嗜好に目覚めたりした経験はありますか。
ゴ 何かを冷静に考えられない状態になりますからね、エロ漫画を読んでる時は。ただ、淫語にしろ何にしろ、全てエロ漫画から学んだことなので。今の自分がアダルトな仕事をしたり、インターネットラジオで淫語インストラクターをやっているのも、エロ漫画を読んできたお陰ですよ。そういう意味では、僕の生活を支えてくれているものは、全てエロ漫画から学習してきたことです。
編 というわけでこれまで4冊をご紹介いただきました。
ゴ 偏ってますけどね(笑)
編 その偏りがいいと思います! 今後も紹介していただけるんでしょうか。
ゴ オススメの漫画を見つけたら、是非。作家さんたちが潤うようにね。
(続く)
『種付けストーキング 』(エンジェル出版)
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13.01.29更新 |
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