読者投稿不定期連載 北陸在住マニア画家の美少女羞恥緊縛図絵
Specially selected abnormal maniac exhibitionl
北陸在住のマニア絵師が描く背徳的な鉛筆画と掌篇バックストーリー。責められる肉感美女たちの恥じらいと諦観は、どこまでもあいまいで広大深淵なファンタジーを紡ぎだす――
片桐はインテリタイプの夫とは違って野性味の塊のような男だった。論よりも実を重んじ、言葉よりも行為を優先させる片桐は玲子をたやすく屈服させた。それは暴力と呼ぶこともできたけれども、玲子は自然の摂理と受け取った。夫との生活では忘れていた、自分は女であるという事実をストレートに教えられたような気がした。
夫婦生活はとっくに破綻しており、玲子は2年以上も夜の営みから遠ざかっていた。片桐は玲子が講師を務める日舞教室の出入り業者で、半年ほど前から玲子の不倫相手として教室の後の小一時間を共に過ごす仲となっていた。
片桐に縛りの趣味があることを知ったのは二度目に抱かれた時だった。着物の上からギリギリと麻縄を巻かれ、床の上に尻を突き出すような形で転がされて後ろから貫かれた。男に制せられるということが快感になるということを、玲子は初めて知ったような気がした。口のよく回る夫にくだらない義務を押し付けられても何の快感も起こらない。それどころか建前だらけの身のない言葉に俗物を相手にした時の不快感を覚えるのが常だった。しかし黙々と玲子を縛り、乱暴に犯し貫く片桐に泣きながら許しを乞う時、玲子は全身が総毛立つような興奮と快感を覚えてしまうのである。
片桐の責めは日を追うごとにエスカレートしていった。それに併せて玲子の快感も大きくなっていく。玲子は自分で自分をコントロールできなくなっているという心許なさに苛まれるようになった。片桐に見つめられただけで浮き足立ってしまう。そうすると彼にすべてを任せきる以外には自分の保ちようすら分からなくなった。
私にこんな一面があったなんてと玲子は自分に驚いた。我を忘れるということが出来ない女だと、玲子は自分を少女の頃から分析していた。両親の厳格さがそうさせたのか、自意識が過剰なのかは分からない。でも、周りにいる同性たちのように、現実に対して動物のような反応をとることが玲子にはどうしてもできなかった。
体が反応するよりも先に構えてしまう。結婚して十数年が経っても年をとる以外まったく変わらない自分に諦めを感じていたのは事実だった。
その自分が壊れていた。壊されたという経緯に玲子は慰めを感じ、壊した片桐に溺れた。片桐に下の毛を剃られて以来、玲子は夫の前で裸になることもできなくなった。それでよかったし、命令されれば何でもできた。皆からは日舞の先生と呼ばれる一方で、片桐から奴隷のように扱われている自分が愛しかった。こんな生活がいつまで続くのかは分からない。でも玲子には未来のために今を考えるということそのものがバカらしいものに思え、そんな自分にまた驚くのだった。
作=魚清
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