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穿たれたアヌス 第六回
―スナイパー1980年8月号より―


投稿=宇田島博子(20歳)
絵=石神よしはる

お姉さまは、私のアヌスをじっと見つめ、コネコネといじくるのです!
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スナイパーアーカイブ、数回にわたって当時の読者告白手記をご紹介します。
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●悪魔の光景

たとえばこの手記をかいている机のそばの女性週刊誌には、佐良直美とキャッシーのレズのことがかかれています。擬似ペニスを使っての、女同志のセックス……そんなペアは芸能界に限らず他の世界にもあるように思います。

でも、私たちは違うのです。私たちのあいだは、もはやレズといえなくなりました。それはもう、レズを超越したアブプレイだと思います。とても恥ずかしくて困るのですが、正直にありのままをかきます。

じつはこの春、新入館生が私たちのMハイツにはいってきたあとでした。二年生の私もやっと先輩になり、お姉さまは卒業まであと一年という、四年生となりました。卒業するとお姉さまは外国に本社のある大手商社に就職します。お姉さまの親戚の人がその会社の重役をしていて、そのコネで就職が内定していました。

「博子、もう一年ね、私たちも。だからこの一年はうんとハッスルしようよ」

お姉さまは男のような口調でいい、

「そんな哀しいこといわないで……別れるなんて、博子、イヤです……」

私は涙ぐんで訴えました。

「そのためにこの一年はもっともっと刺激のあるプレイをしようよ……」

お姉さまはそういって、あの電動こけしを私の恥ずかしい部分に当てたのでした。

「あっ……」

ヌメヌメした先端が触れてきた瞬間、私はまっ赤になりました。いつもと位置が違うのでした。いつもとは五センチほど後方なのです。

「どうしたの、博子……」
「お姉さま、位置が……」

私はお尻を電動こけしから引っこめるようにし、あえぎながらいいました。

「博子……愛してるのよ……」

青く蛇みたいに濡れたお姉さまの双眸が、じっと私を見つめました。ほとんど芯のうごかぬその眸のひかりを見て、私はある予感にぞっと身震いしました。

「お姉さま……」
「博子……」

お姉さまは決して、間違ったのでありません。それは意識的なものだったのです。

「あれっ……」

いやらしい先端が、私のアヌスに喰いこんできたとき私は叫びました。

「博子……こっちのバージンも、いただきたいのよ……」

お姉さまはそういい、私の口をふさぐようにキスし、手の力をつよめました。

「あっ……」

私の体内におぞましい器具は侵入してきたのです。それはいままでの感じとはまったく異質の、熱い砂をこじ入れたような感触、しいていうなら異次元の感覚といっていいものでした。

「博子……愛してる……」

私がはげしく拒否するので、お姉さまはいっそうつよく私をはがい締めにし、そのグリグリした先端をついに埋没してしまったのでした。

私はもう呼吸ができません。体じゅうの水分が蒸発し、血がなくなった感じでした。怖ろしい侵蝕はアヌスから直腸をとおり、背筋をつらぬき、脳天まで駈け抜けました。

その瞬間、私という人間は解体し、別の淫らな生物に変貌してしまったのです。ずっと昔、文学少女の私はフランツ・カフカという小説家の『変身』という小説を、翻訳で読んだことがあります。

その主人公はある日、突然、巨大なイモムシに変身してしまうのです。実直なサラリーマンだった主人公は、イモムシになって、もう会社員としてのスーツを着ることもできぬのでした。そのとき私はあまりの怖ろしさに、ぞっと戦慄したものです。

恥ずかしいアヌスに電動こけしの先端を、ふかぶかと埋めこまれた私は、そのとき人間でなくなったと思いました。アヌスと直腸だけの、巨大な円筒状の環形動物……そんな姿に私は変身していたのです。

「あ、あっ……」

私はえもいえぬ鈍重な、それだけに異形な快感に鳴咽しました。私は白い大ミミズのように、アヌスを中心に全身を淫らにうねらしていたのでした。

「博子……博子……」

いつのまにかお姉さまは私をうつ伏せにして、そのうえに反対むきにまたがっていたのでした。壁に嵌められた大鏡で、私はそのすざまじい姿を見つめていました。

お姉さまは両手でしっかと、私のアヌスにつながるものを握っていたのです。そしてあたかも男女のセックスの姿態のように、胸をのけぞらせ、自分の体も前後に揺すって私を責めていたのです。

それは悪魔の光景であり、地獄のシーンでした。私は悪夢の中の出来事のように、鏡の中を見つめていましたが、そのうちに視界がぼーっとうすれ、混濁していきました。やがて私の視界は黄濁色で埋まり、私は意識さえ失っていったのです。

(続く)

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08.11.05更新 | WEBスナイパー  >  スナイパーアーカイヴス