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羞恥の教室 第2部
第五章 交錯する少女たちの運命 【2】


著者=
小林電人

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第5章 交錯する少女たちの運命 【2】

I 景子 3

生徒の前で全裸にされた上に、女生徒に愛撫されて絶頂に達してしまうという生き恥を晒した景子だが、どんなにショックを受けたとしても休職させてくれるほど、この学園は甘くはなかった。許可なく授業を休むようなことがあれば、さらに厳しい「おしおき」が待っていると脅された。もう二度とあんな恥ずかしい目にはあいたくない。景子は重たい身体を引き摺りながら、職員室に向かう。

N県の山奥深くに俗世間から隔離されるようにして存在するこの集智学園は、全寮制であり、教師もまた寮での生活が定められている。教師寮は学園の敷地内に建てられ、豪華なマンション並の設備と内装が自慢だった。景子も初めてこの寮を見た時は、さすがは名門校だと感激したものである。しかし、学園の実態を知った今は、この豪華な寮も、ただの牢獄にしか思えなくなっていた。

職員室の扉の前で景子は躊躇していた。前田と顔を合わせたくなかったのだ。あんな中年男に裸を見られ、一番のコンプレックスである小さな胸を嘲笑われ、そして性器まで見られてしまっただなんて。思い出すだけで、羞恥と怒りで顔が真っ赤になる。

しかしいつまでも廊下で突っ立っている訳にもいかない。景子は意を決して扉を開けた。

「おお、おはようございます、夏川先生」

よりによって、一番会いたくない男が、扉のすぐそばにいた。まるで景子を待ちかまえていたかのようだ。前田は満面の笑みで、景子に話かける。

「いやぁ、さすがに今日はいらっしゃらないかと思いましたよ。何しろ初めてのおしおきで、ずいぶんショックを受けてらっしゃいましたからねぇ。フフフ」

前田と立ち話をしていたらしい今田や、城島も一斉に景子を見る。

「川村万里子にイカされてしまったんですってね、夏川先生。それは私も拝見したかったなぁ。前田先生が羨ましい」
「ずいぶん可愛らしいオッパイをしているそうじゃないですか、夏川先生。でも小さい方が感度もいいと言いますからね」

同僚教師たちの言葉に、景子は立ちすくんだ。前田は昨日の景子の痴態を、べらべらと今田たちに話したようなのだ。そして、彼らのセクハラどころではない言葉の暴力。景子は怒るよりも、腰が抜けてしまうほどのショックを受けた。

この教師たちは、いや、この学園は狂ってる......。

4日前に赴任して来た時には、スパルタ教育が行き過ぎているとはいえ、規律の守られた名門校だと感じ、教師たちも信念を持った立派な教育者たちが揃っていて、こうした中で教鞭を取ることができるのは光栄だと景子は思った。しかし、その幻想はもろくも崩れ去った。自分を見つめる中年教師たちの欲望剥き出しの下品な表情、そして昨日のおしおきを受ける自分に向けられた男子生徒たちの血走った視線。この学園の男性は、みんなケダモノなのだ。

職員室の入り口で、呆然と立ちつくす景子に胡桃沢正美が声をかけてきた。

「あ、夏川先生、ちょっとこちらへ」

景子の背中を押すようにして、強引に職員室の奥へと連れて行く。

正美は一年前にこの学園へ赴任してきた英語教師だ。赴任初日から景子に色々と親身になって教えてくれていた。軽いパーマのかかったセミショートの黒髪が印象的な洗練された美人だった。

「災難だったわね。可哀想に、夏川先生」

正美は小さな声で言った。

「災難って......、そんなレベルのことじゃありません、胡桃沢先生。この学園はいったい何なんですか?!」
「最初に聞かされていなかったのね。それじゃあ、やっぱり夏川先生は......」
「え、何? 何ですか?」
「いえ、何でもないわ。あ、そうそう。学園長がお呼びなの。急いで学園長室に行ってください。たぶん、そこでこの学園のことを聞かされると思うわ」

正美は目を伏せたまま、そう言った。その口調には、景子への同情の念が感じられた。

「あ、はい、わかりました。行ってきます」

景子は、急いで職員室を出て行った。一秒でも早く前田たちと一緒の部屋から出たかったのだ。

職員室から出て行く景子の後ろ姿を眺めながら前田たちはニヤニヤしている。白いスーツのパンツルックに包まれた景子の引き締まったヒップは、中年教師たちにとってたまらない眼福だった。

そして城島が正美に声をかける。

「胡桃沢先生、わかっただろう? 夏川先生は特別奨学枠なんだよ」
「ああ、やっぱり......本当に......」
「今年から教師にも実験的に特別奨学枠を導入するということらしい。夏川先生は、その第一号なんだ」
「可哀想に......、夏川先生」
「そうでもなかったら、あの程度のレベルの教師が我が学園の教鞭を取れるはずがないでしょう。夏川先生には、我々や胡桃沢先生とは違う方面で、教育に役立ってもらうわけですよ。フフフ」



「夏川です」

景子がノックすると、ほぼ同時に木製のドアが開いた。内側から学園長秘書の市川が開けたのだ。

「どうぞお入り下さい、夏川先生」

市川が学園長室へと招き入れる。感情というものを全く感じさせない初老の男である。初めて市川に会った時、精巧なロボットなのではないかと景子は思ったほどだ。

学園長室は古めかしく重厚なムードの部屋だった。中央に置かれた接客セットの奥に、その上に人が横たわれるほど巨大なマホガニー製のデスクがあり、そこに学園長が座っていた。恐らく60歳は超えているのであろうが、妙に若々しさもあり、30代だと言われれば納得してしまいそうな年齢不詳な印象。細身でありながら、鍛え上げた格闘家が漂わす不穏な威圧感を放っている。笑顔を浮かべてはいるものの、それがうわべだけのものだということは景子にもわかった。

「おはようございます、夏川先生。どうぞ、お座り下さい」

言われて景子はソファに腰を下ろす。ソファは景子のヒップを受け止めて、深く沈み込む。

「昨日は、大変だったようですね、夏川先生」
「大変どころじゃありません。いったい、この学園は何なんですか? いくらスパルタといってもこれでは人権侵害です。現在のこの日本で絶対に許されることではありません」

景子は声を荒げて抗議した。昨日から溜まっていた怒りが堰を切ってほとばしる。

しかし、学園長は薄っぺらい笑顔を全く崩さない。

「許されないといっても、これがこの学園の方針ですからね。我が学園はこうして何十年もの間、日本の未来を担うエリートを輩出して来たのです。卒業生は政治家にも官僚にも財界にも多数いますし、この方針に賛同してくださる方もたくさんいます。新参のあなたが今さらとやかく言ったところで、何も揺らぎませんよ」

景子は「警察も教育委員会も相手にしないだろう」という昨日の前田の言葉を思い出す。前田はこの学園が日本のトップの肝いりで作られた理想のモデルケースなのだとも言っていた。簡単に信じられることではないが、この学園の背後には、何か大きな力が動いているようだ。

「では、こんなところでは、私は働けません!」
「フフフ、そう簡単に辞めてもらうわけにはいかないんですよ、夏川先生」

秘書の市川が景子の前に一枚の用紙を見せた。それは景子の就職契約書だった。市川の指が指し示すところを見ると、こんな一文があった。

「一、甲(夏川景子)は、自らの都合で退職することは出来ない。ただし乙(集智学園学園長)が認める場合においてのみ、これを許す」

何事にも慎重なつもりの景子は、契約書の条項も一通り目を通したはずだが、こんな条項があったことには気づかなかった。景子がうっかりしていたのか、学園側が後で契約書に手を加えたのか......。

「こ、こんな契約......」

景子は学園長を睨みつけた。すると学園長は市川に合図した。

「おやおや、納得していただけないようですね、夏川先生。困りましたね。それではこれはどうでしょうか?」

学園長室の壁にかけられた大型液晶テレビに映像が映し出された。学園の教室を撮影したものだ。そこには、両腕を天井から吊られて脚を大きく広げた全裸の女性が、同じく全裸の少女によって愛撫され、甘い悲鳴を上げる様が映し出されていた。

「だめっ、川村さんっ。んんっ!」

そしてクチュクチュと湿った音が学園長室に響き渡る。

「い、いやあっ!」

思わず景子は悲鳴をあげた。それはまぎれもなく、昨日の教室での景子のおしおきの様子だった。

「い、いつの間に......」
「教室にはすべて監視カメラが設置されていますからね。特におしおきの際は、行き過ぎがないように、すべて録画することになっているんですよ」

スピーカーからは、さらに景子の甘い声と湿った卑猥な音が流れてくる。

「はぁぁ......、だめぇ、川村さん」

学園長はニヤニヤ笑いながら、モニターに映し出される快感に悶える全裸の景子の表情を眺めている。

「や、止めてくださいっ」

景子は耳をふさぎ、顔を伏せた。

「夏川先生の次の赴任先の生徒にこういうビデオを見せてあげると喜ばれるでしょうねぇ。フフフ」
「な、なんて卑怯な......」
「いえいえ、先生が我が学園の方針に従って下されば、何の問題もないんですよ」

追い詰められた景子はグッと唇を噛んだ。

「夏川先生も、積極的に生徒のおしおきをしていただかないとね。しかし、これはあくまでも生徒のためなのですよ。男子生徒には苦痛を伴う体罰、女子生徒には羞恥心を刺激する体罰。これが最も効果的であると、我が学園の実績が証明しているのです。もちろん、おしおきといっても、ただ乱暴にやればいいわけではありません。おしおきをする側にも、きちんとした技術の裏づけが必要なのです。本来ならば先生方には実際に授業を受け持っていただく前に、講習を受けてもらうのですが、今回はちょっと順番が逆になってしまって申し訳ありませんでしたね」

景子にも、前田のような破廉恥なおしおきを女生徒にやらせようというのだ。そんなことが出来るはずもない。しかし、やらないわけにはいかない状況に景子は追い込まれていた。

「それでは夏川先生の講習をさっそく始めましょうか。先生が担当する授業も詰まっていますからね。あまり悠長なことは言ってられませんから。市川さん、例の生徒は?」

市川は自分のデスクの上のパソコンで何やら調べ始めた。そして無表情のままで、答える。

「はい、学園長。準備はできているようです」
「そうですか、それでは夏川先生。一緒におしおき部屋の方に行きましょうか」

そういうと学園長はさっさと部屋を出て行く。市川に促されて、景子ものろのろと立ち上がる。自分がこれから何をやらされるのか、頭が混乱して考えられないのだ。

学園長と市川、そして景子はエレベーターによって地下3階へと降りていった。学園内のエレベーターでは通常地下2階までしかいけないのだが、教師のIDカードをエレベーター内のスリットに差し込むと、ロックが開錠されるシステムになっている。

景子が初めて降りた地下3階は、暗くカビ臭かった。地下のせいか、空気が妙にひんやりとしている。数年前に立て替えられた学園のモダンな建物と違って、地下フロアはあまり手を入れられておらず、昔のままの雰囲気が残っているようだ。

薄暗い廊下を進むと突き当たりに頑丈そうな鋼鉄のドアがあった。「矯正室」と彫りこまれた鉄のプレートがかけてある。

ギギギと耳障りな音を立てて、ドアが開く。

「ああっ」

まるで中世の牢獄のような古めかしい石造りの部屋だった。床には真っ赤な絨毯が敷き詰められ、そして何よりも目を引くのが部屋のあちこちに置かれた恐ろしげな道具の数々だった。それが拷問道具であることは、知識のない景子にも直感的にわかった。ここは、長年に渡って数多くの生徒たちの悲鳴を聞いてきた呪われた部屋なのだ。

そして、その石壁に打ち込まれた鎖に両手両足をつなぎとめられて大の字に貼り付けられている女生徒がいた。女生徒は、学園長たちが部屋に入ってきたことを知ると絶望的な表情になった。これからいよいよ自分の処刑が執行されるのだ。恐ろしく恥ずかしいおしおきを受けなければならないことを、少女はわかっていた。

「ああ......。先生、許してください......」

学園長は少女を見て、冷酷な笑みを浮かべた。

「1年S組 高橋しのぶ。教師に反抗するという重罪により、これより浣腸の刑を執行する!」

「いやぁっ、浣腸はいやっ。浣腸だけは許して下さいっ!」

浣腸の刑を言い渡された少女は、火がついたように泣き始めた。

学園長はくるりと振り返って、景子に言った。

「さぁ、あなたがこの女生徒に浣腸するんですよ」

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著者=小林電人 長年夢見ていた自分の「理想のSMビデオ」を自主制作したことがきっかけで、AV&SM業界のはじっこに首をつっこむことになった都内在住の40代自営業。ひたすら羞恥責め、アナル責めを好み、70年代永井豪エッチ漫画の世界を愛する。これまでの監督作品として「1年S組 高橋真弓のおしおき」「同2」「穴牝奴〜町内会人妻肛虐倶楽部 」がある。以前、永井漫画をモチーフにした小説をネットに発表したことはあるが、オリジナルは本作が初めて。
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07.09.24更新 | 小説  >  羞恥の教室