Goldman presents The Rock'n Roll Ero-Manga
鬼才AV監督・ゴールドマンがお勧めのエロ漫画を熱く語る!
淫語インストラクターにして官能小説家、そしてベテランAV監督であるゴールドマン氏が「ズリネタ」として唯一活用しているモノ、それは「エロ漫画」だった! プロのエロ事師は何故、「エロ漫画」でなければヌケないのか、「エロ漫画」にしかない魅力とは、一体何なのか。ゴールドマン氏が実際にズリネタとして使用している大好物な作品たちについて、編集部がインタビューを敢行。好評につき続投中です!!編 ロックンロールエロ漫画、今回ご紹介いただくのは......。
ゴールドマン(以下「ゴ」) はい、葵ヒトリ先生ですね。
編 お待ちいただいたのは、一水社から2011年に出てる単行本ですね。
ゴ 『人妻を輪姦す8つの方法』。
編 それともう一冊、こちらも一水社から2010年発売の『ヒトノツマ』。この葵ヒトリさんとの出会いのきっかけは?
ゴ 何だろうな。やっぱり雑誌で描いてるのを読んで、体がタプタプした感じでいいなと思って、1冊買ったのかなあ。
編 雑誌で連載されてるのを確認してるんですね。
ゴ そうなんですよ。僕、凄く生真面目な性格なので(笑)、衝動買いはほとんどない。コミックに関しては、中身をちょっとでも見れないと買わないんです。
編 慎重派ですね(笑)。
ゴ 作家で買うこともたまにあるけど、立ち読みできるエロ漫画を置いてる書店がいくつかあって。
編 神保町にもありますか?
ゴ 神保町だと新宿書店はある程度読めます。それと自宅の近所にある橘書店では、単行本は読めないけど雑誌系は確認してます。それから新宿にある、何ていう店だろうな、ヨドバシカメラ側の西口に、ちょっとだけ中身が読めるお店があって。こまめにチェックして、いい作家がいたら単行本を買うんです。
編 表紙に惹かれて、いわゆるジャケ買いはないんですね。
ゴ そう。というのも、やっぱり表紙だけ力を入れてる本もあるじゃない。大洋図書はどうか知らないけど、まあどこもだいたいね......。
編 (笑)。
ゴ そのクオリティがそのまま中身に反映されていればいいけど、プレイ内容というか、趣味が合う合わないがあるので。中身が確認できないと手はださないですね。
編 今回紹介する葵ヒトリさんは中身も名前も知っていたわけですね。単行本を買う前はどんな作家さんという印象を持っていたんですか。
ゴ この『ヒトノツマ』が出た頃は全然知らなかった。珍しく素通りしていて、後から発見して感動したんですよ。
編 その感動ポイントは、やはり人妻に特化していた点でしょうか。
ゴ そうです。この人は結構人妻というテーマで描いていて。つい最近、2013年1月に、実は新刊が出てるんですよ。『熟妻ハニー』。それも買って一回はオナニーしたけど、トータルだと、やはりクオリティは『人妻を輪姦す8つの方法』のほうがいい。
■肉感的な柔肌が躍動する!
編 単行本収録作の中でもこれがいいぞというお話が「人妻家庭教師」だとか。
ゴ 人妻なのに家庭教師って、いかにもエロ本的なテイスト。雑誌に掲載されてるときにこれを読んで、この単行本を買った気がするんだけど、この人の描く女性が凄く優しそうな、いい人というか......。
編 包容力のありそうな。
ゴ そうなんですよ。可愛いし、優しそうだし。それだけ孤独なのかなって自分で思うんだけど(笑)。だからこれは、こないだの飛野俊之さんとかではないテイスト。癒し&エロスです。
編 むしろ前回のれゐぢさんの漫画に出てくるような、ちょっと甘えさせてくれそうなキャラに近い感じですね。
ゴ そう。まあ真咲南朋とラジオをやってるとね、ああいう攻撃的じゃない人がいいなあとか思ったりして(笑)。母性という部分で、おっぱいもおっきくて、柔らかそうじゃないですか。
編 顔は凄く細みで可愛らしいんですが、胸とかお尻に限らず体がなんか......お餅のような。
ゴ 柔肌ね。若い人は使わない言葉だけど。まあ我々もあまり使わないね。エロ本に出てきそうな言葉。
編 ページをめくっていくと、コマによっては肉で埋められてるコマがありますよね。こう、肉々しいというか。
ゴ 肉感的な。
編 まさにエロ漫画じゃないと出てこない、肉感的な女体。
ゴ AV女優でいうなら風間ゆみみたいな。この漫画は特に肉がぷよぷよしてる。僕、巨乳の人はあまり好きじゃないけど、あと全裸とか裸ってあまり興味ないけど......葵ヒトリさんの場合はね、違うんですよね。そこら辺がねぇ......。
編 謎なんですね(笑)。
ゴ なんなんですかねぇ。結婚するならこういう人って感じなんですかねえ(笑)。
編 この立ち姿の肉づきのいいスタイルのよさと、絡んでる時の躍動感のある肉の、このギャップがすごいなあと。
ゴ そうなんですよね。その肉の感じが描写力なんでしょうね。だらしない体のようにも思えるけど、いざ挿入したりセックスが始まるとすごく動的というか。汁気もあるしね。あと他のエロ漫画とどこが違うかって考えたんだけど、女性の心理描写ですね。
編 ああ、なるほど。
ゴ こういうエロ漫画にはあまりないような気がするんです。女性の一人語りみたいなもの、もちろんあるんだろうけど。官能小説でもあるじゃない、私、何とかなんです......みたいなインチキ......インチキなのか(笑)。でもこの作品は、女性の心の揺れみたいなものがきちんと描かれてる。いい人なので、断われずに男根を受け入れていくんだよね。
編 人妻ということで、普通だったらやっちゃいけないことをやっている彼女たちの心理が、彼女たちの視点、モノローグで常に描かれていますね。
ゴ そこが他のエロ漫画には欠落してるというか。でも作家としてはそうですよね。自分も「ロックンロールSMクラブ」でSMクラブへ行くと、一方的に独りよがりぶりを発揮してると思う。だけどこの葵さんの場合、まあこれも男の妄想だけど、でもそれが自然な形で、凄く官能的な形で描かれているんです。最初のこの「人妻家庭教師」では自分の娘にセクハラしてる変な親父が、人妻家庭教師をしている主人公を嬲り者にしていくんだけど、僕自慢じゃないけど、最初のこの「見てるだけだから、触んないから」とか言いつつ素股しちゃって「こんなのいや」って、彼女が言ってるだけで抜けます。この表情とかね。
■丁寧な作画で強調される女性の心理描写
編 人妻が無理やりというか、イヤイヤながらにもこういうシチュエーションに押し込められるというのは、前回ちょっと話題になった昭和SM、昭和的なファンタジーですよね。
ゴ 今の人類にはないからこそ、ここに求めるのかもしれないね。
編 そういう意味で、前回のライトなエロ漫画需要というより、我々世代の需要なんでしょうか。
ゴ そう。やはりわびさびのあるエロスですね。やはり日本人なら漬物とご飯。
編 それに近いものがあると。
ゴ そういう世界ですね。
編 昭和的エロスの典型的な物語展開では、嫌々そういう状況にいる人は与えられる快楽や痛みによって堕ちていく、というのがある種スタンダードな美学なんですが、この「人妻家庭教師」は違うんですよね。
ゴ この主人公はやさしい人なので、このキモい親父がですね、奥さんを何年か前に亡くしたという話を聞いて、さみしいんですねって、ギュッて抱きしめてあげたりする。この優しさにつけこんでこの親父が無理やり本番してしまう。ここがまたグッと来ますね。
編 やはりそこですか(笑)。
ゴ そうですね(笑)。優しさは出したんだけど、挿入はダメって言いながら、入れられちゃう。ここはやっぱりグッと来ちゃいますよね、昭和生まれの我々としては。
編 抜かれることはないにも拘わらず「お願い、抜いて」。
ゴ 演技でもいいからこういうのはやって欲しい。今の若い人にもね。面倒くさいとは思うんだけど(笑)。あんまりシテシテ、もっともっと、というのもちょっとねぇ。それでお約束的に「奥さん出すよ、このまま」って男が中出ししようとすると「いやダメ、中はダメ、はなしてぇ」と言いながら出されちゃう。
編 そしてもちろんちゃんと「イクイク」ですね。
ゴ そうなんです。ダメって言ってるのに、イっちゃうよ~ってなるところが、お約束だけどグッときますよね。
編 そしてもうひとつ、同じ単行本の中から......。
ゴ 「解禁日」ですね。
編 これはまた非常に設定が複雑な作品ですね。
ゴ 若くて可愛らしい奥さんなんだけど、旦那が三カ月間海外出張かなんかで留守にしている。その旦那もちょっと変わった性癖があって、大学の後輩たちを呼んで、自分が留守の間に奥さんをいじくりまわしてもらうという。まあ本番だけはしちゃいけなくて、あとは何やってもいいよと自分の奥さんをいじらせたり、チンポしゃぶらせたり、クンニしたり、いろんなことをさせちゃう。それを電話で報告させる。
編 しかも、三カ月後自分が奥さんとセックスする時のために、あえて絶頂させないで焦らすという目的があるんですよね。
ゴ 高めるだけ高めて、イッちゃダメ。もしイカされたらチンポ入れられちゃうよって、焦らしプレイの極地ですよ。
編 それを三カ月かけて毎週末やる、という設定のもとに始まるエロ漫画です。
ゴ この話だけ聞いてると面倒くさい感じに思えるかもしれないけど、実際に読んでいるとそんなに複雑な感じはしないんですよ。
編 そしてここでも先ほどと同様に、女性の心理描写が非常によく効いてるんですよね。
ゴ そうです。見事に自然な感じで、女性が主人のことをいろいろ思ったり、でも自分の体はどんどん後輩の男たちに調教されてコントロールできなくなっていく、その辺のジレンマ。
編 非常に上手く描かれていますよね。
ゴ 他の漫画とちょっと違うなと思うのが、女がオマンコ、膣でイカされそうになるところですね。葵ヒトリさんがよく描かれていて、断面図なんですが、普通ペニスを挿入した断面図みたいものはよくあるけど、これは指を入れてる段階で膣の中を描いてる。そうすると目がですね、イク寸前でゾクゾクッと白目勝ちになる。またネチッこくマンコだけを弄ってるとか、指を入れながらずっとクリトリスを舐めてるとか、そういう描写が丁寧に描かれてるんです。ここも指が入っていて、ベロが出て、目がピリリッとなってるじゃないですか。これは他の漫画家さんでは見たことがない。
編 そうなんですね。
ゴ 女がイカされそうになる、イキそうになるというのを、凄く細かく、官能的に描かれてますね。
編 その辺の描写も、あくまで女性視点なんですね。
ゴ そう。女の側でイッちゃいそうというのは、みんなそんなに描けないんじゃないかな。
編 なるほど、描いても、あんまり上手くないわけですね。
ゴ イクというのは「イクーッ」って言わせるしかないわけだけど、葵ヒトリさんの場合はチンコを使わずに指と、あと舐めてるだけで女がイキそうになってる。その過程がちゃんと描かれてるんです。これはすばらしいですよね。
■2012年最もオナニーしたエロ漫画!
編 もう一つ、この本のタイトルからそうですが、やはり人妻を輪姦するということで、いずれの話も基本的には大量の男と一人の人妻なんですよね。先ほどの「人妻家庭教師」は相手が一人でしたが、基本は輪姦ものです。
ゴ 寄ってたかって。このコマなんかチンコしかない(笑)。チンコが4本だけ出てるコマ(笑)。
編 この多人数シチュエーションは、ゴールドマンさん的にはいかがなものなんですか。
ゴ 僕、AVを撮影していても、大人数でやるのが凄い苦手なんです。基本的にハメ撮りが好きで撮ってたけどバランスが上手くないので、現場に何人もいるとイヤだったりする。でも漫画の場合は寄ってたかって嬲り者にされてるのは凄く面白い。現実にはないじゃないですか。それにやっぱり挿入も見たいしフェラも見たいし、ハメられながら精子もかけて欲しい。デラックスな遊びとしていいですよね、見る分には。あとチンコがいっぱい一人の女に群がるというのは、ある意味で女の貪欲さを表わしている。そこら辺、男と女の違いであるじゃないですか。
編 そうですね。
ゴ 男でもいろんな女に犯されたいという人はいると思うけど、肉体的には無理。そんな漫画みたいに何回も射精できればいいけど。でも女性の場合、ズボズボ、ドピュー、ズボズボ、ドピューみたいに何人も繰り返し繰り返し貫かれて絶頂が続く、みたいなことも可能なので。だから理想を言うと、こういうことになっちゃうんじゃないかな、貪欲マンコの女たち。
編 この先ほどの「人妻家庭教師」とこちらの「解禁日」、どちらも完璧に堕ちた状態が話のオチとして描かれていて、あくまでも彼女たちが堕ちていく過程が主題になってますよね。僕の印象では、最近のエロ漫画ではアへ顔ダブルピースみたいなものもそうですが、完璧に堕ちきっちゃって、貪欲に快楽を貪るみたいな描写をされることが多いように思うんです。
ゴ 昭和的なんでしょうね、そういう意味でこの葵さんは。即物的なオナ二ストたちからするとまどろっこしいのかもしれない。まあそれは好みだけどね。でも性器描写も多いし汁気も多いので使えると思います。僕のようなね、個人的に凄い抜いてる人が一人でもいることは凄いと思うんですよ。いっぱいあるじゃないですか、エロ漫画もそうだし、ズリネタって、いま世の中に溢れてるけど、何回も使ってもらえるものはもの凄い価値が高いと思うんです。
編 なるほど。
ゴ 去年はね、僕、この葵さんがたぶん......グラフにはしてないけど(笑)、使用回数は一番多い。もしお会いしたらパームクーヘンぐらいは進呈したいなと思ってる(笑)。
編 という訳で今回ご紹介いただいたのは、葵ヒトリさん。『人妻を輪姦す8つの方法』。ゴールドマンさんが2012年最もオナニーしたエロ漫画でした!
ゴ 金メダルです(笑)。
(続く)
『アクションピザッツスペシャル 2012年12月号』(双葉社)
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13.03.19更新 |
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