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縄で愛と情を交わし、深く鬩ぎ合う縛りの世界・入門編
縛師・雪村春樹氏が初めてつまびらかにする熟練の緊縛論。責め縄ではなく「縄で女に奉仕する」と言われるオリジナルな手管を初歩の初歩から解き明かし、これから縛りを学ぶ初心者・カップルに向けて伝授するDVDが発売に! 気になるその中身、そして全編に通底する独自の考え方を雪村春樹氏自身に紹介していただきます。縛り・縄の魅力について一から知りたいという方へ――ターゲットはホンマの初心者です。恋人同士が初めて縄を持ち、愛や情を交わす時に思い出してもらいたい技術を盛り込みました。それは具体的な方法論であるのと同時に「雪村流」の考え方に即した楽しみ方そのものです。はいこれが亀甲縛り、これが高手小手というような縛り方講座ではありません。縛りの順序だけを即物的に知りたい方は、そういうDVDはすでにたくさん出ていると思いますから、そっちをご覧になるのがええんちゃうかと思います。
内容は大きく三つに分かれていて、それぞれ重なり合う部分を持ちつつ、「雪村流」の基本を伝えています。詳細は本編を観てもらえたらと思いますが、ざっと解説していきましょう。
■身近な素材で縛る楽しみ方 愛撫・情を交わす縛り編~縛る素材選び
カップルで遊ぶならこういうことに注意したほうがええでという、初歩の初歩。だから縛りだけでなく、立ち位置の話もしています。たとえば座っている相手がいて、その目の前に立って見下ろしたら、相手は圧迫感を覚えます。これだけでもプレイになるわけです。距離だけでなく、横に立つのと後ろに立つのとでも感じ方が変わります。雪村流において立ち位置は重要です。相手を感じるということの分かりやすい形がここにあります。
縄の素材ついては、基本的に1mくらいあったらプレイできるよということを言っています。2本くらいあればええかなと。映像の中では身近にあるものの例として手芸用の紐を使っていますが、他のものでも構いません。1mくらいの手拭いも使えます。ただし電話線とか梱包用の紐は結ぶとほどけなくなるなど注意点もあるので気をつけて下さい。
いざ縛る際には「縄の遊び」という考え方を大事にします。「遊び」には二つの意味があって、ひとつはプレイ、もう一つは車のハンドルの「遊び」と同じ意味です。
たとえば手首を縛って頭上に吊り上げた時、縄をピンと張ったら、遊びがあれへん。動けないわけです。しかし、肘が少し曲がる程度に敢えて緩めて「遊び」を作ると、相手にリアクションをする余地が生まれます。
いわゆる責め縄は、一方的です。しかしここでの縄は相手に舞台を作り、リアクションする相手を「見る」ことに重点が置かれます。見られている側はその時間の中で精神的にも肉体的にも楽しみを見出します。するとリアクションがエロうなるわけです。
ただ縛るだけでなく、その際に相手を見る、感じるということに重点を置くと、たった一本の縄でも濃厚なプレイを楽しめます。まずは練習の中でその可能性を感じ取って欲しいと思います。
この章では同じ文脈の中で「(縄ではなく直接触れて行なう)体を使った拘束」や、実際に「縄の遊び」を活かした縛りの例を挙げ、「雪村流」のごく基本的なところを解説しています。
■縛って展開していく間の取り方・縄尻で感情を伝える方法
情で交わす縛り方・愛で方~縛った縄尻を引く感覚で情を交わす方法
ここでは初めに、相手の首に巻かれたネクタイを掴んで引くというやり取りを見せています。ネクタイを引くにはまず相手の顔と向かい合うことになるわけですが、そこから床に近いほうへネクタイを引くと、やられた側は屈辱を覚える。上に引っぱられたり、物に繋がれるとまた違う。たとえばポールに結びつけるのでも、ポールとの距離や床からの高さで感じ方は変わります。そういうことを実際にして見せて、縄尻の行き先で相手の感情が変わるということを説明しています。
これは縛りにおいては縄尻の引き方によってこちちの感情を伝えたり、相手の気持ちを感じたり、あるいは相手をコントロールするテクニックになるんです。私自身、後手に縛った縄尻を引くことで相手を操作しつつ、反対の手で愛撫するということを他のDVD作品の中でもよくやっていますから、機会があったら見てみて下さい。
相手をコントロールするという技術の一環として、ここでは言葉による精神的な縛り、そして相手の羞恥心を刺激するための「間」についても解説しています。これは映像の中で喋っているわけではありませんが、たとえば「綺麗なおっぱいしてるなァ。まさか、乳首立ってへんやろな」というふうに相手に前振りをしておく。それで「見たろう」と言うておいて、すぐには見ない。「舐めたろか」と言うておいて、なかなか舐めない。焦らすことで自分の「間」に持ってくる。羞恥を覚えて構えた相手は縛られていることを意識して、そこで感じます。
縄好きな人は、縛られている時間が長いほうが喜びを深く味わえるものです。これはその味を教えて、尾を引かせるための技術の一端です。責めたら反発しますから、愛撫する。するとだんだん縛りも含めて「して欲しい」というふうになってくる。これを調教という言葉に置き換えてもいいでしょう。
縄で会話をするイメージで関係を深めて、徐々に引きずり込みます。だから女の子がモゾモゾとしてエロい。ハードなSMビデオの世界とはまるで違いますが、女の子としては、羞恥されたり焦らされたりしてるのが一番楽しいんちゃうかと思います。「雪村流」は、やりようによっては卑怯なくらいイヤラしい縛りです。
■縄りでの基本的な縛りの進め方を伝授 雪村流縛り麻縄縛りの基本~縛る前 縛っている間 縛った後
三つ目の章では具体的な縛りの例を挙げていますが、その縛りの中に、ここまで話してきたことが様々な形で詰まっています。
大抵の人は、縛る言うたらキツう縛りたいと考える。そのほうが興奮すると思っている。なかなかユルうは縛れません。ユルう縛るのは難しいんです。縛りがみっともなくなるんじゃないか、舐められるんじゃないかと怖くなるからです。でも、そうして格好つけたり怯んだりしたことは、相手に全て伝わります。それこそ舐められます。敢えてユルう縛る場合があることも、技術として知っておくのがええと思います。
相手は小気味よくキュっと縛って欲しいと思っています。それを分かっていながら、寸止めするように少しユルいところで止めると、悩ましくなる。悩ましくさせた上で、じわぁっと締めていく。そのやり取りの中にも、たとえば言葉の「間」で羞恥心を刺激したり、縄尻を引いてコントロールするという動作があるわけです。
縛った後は、「縄の遊び」のところで言うたように放置をします。この時に気をつけたいのは、たとえ放置の間でも、気ぃを切らさんようにすることです。やらしい気持ちで見てるから、相手もグッと世界に入る。体が触れていなくても内面では繋がり合った状態をキープします。見た目は地味かもしれません。しかし、気持ちの部分では一貫してもの凄い格闘をしてるんです。
この時、相手から伝わってくる様々なレベルの反応を、私は「マゾのボキャブラリー」と呼んでいます。相手の持っている豊かなボキャブラリーを感じることは、まるで恋愛小説を読むようにスリリングです。このような楽しみ方は、愛でて、感じるという「雪村流」の縄独特の世界だと私は思っています。
どんなものでしょう。いわゆる縛りのハウツーDVDとはまったく違うと思いませんか。抽象的なところが多く、今ままで(このような縛り方講座を)出して欲しいという要望をもらっていても様々な事情で実現できずにいました。
この講座では、基本のところをしっかり押さえつつ、縛りそのものについては初心者向けに徹して見せています。
雪村流として皆さんにお見せしたいところでは、日本家屋の鴨居を使って縄の支点を作り、そこからいかに展開していくかということが具体的な技術としてあります。本作でも一部触れていますが、しかしある程度から先は中級以上のマニアさん向けに別途作る必要があると考えています。たとえば立ちのポーズで体重のほとんどが掛かる支点の縄を入れる時、一番重心が取り易い一点を見極めるのは、初心者にはなかなか難しいんです。
私の縄は起承転結で説明できるものではありません。分かってもらうのにはいつも難儀しますが、本作についてはマニアの方から「何度観てもいろいろ考えさせられるところがある」と評価を頂いています。いい道筋がつけばいずれ中級編以降の縛り方講座も発表していきたいですね。
口述=雪村春樹
『雪村春樹の縛り方講座~情愛縛りで楽しむ(ヴァンアソシエイツ)』
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14.07.04更新 |
あぶらいふ
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