Goldman presents The Rock'n Roll Ero-Manga
鬼才AV監督・ゴールドマンがお勧めのエロ漫画を熱く語る!
淫語インストラクターにして官能小説家、そしてベテランAV監督であるゴールドマン氏が「ズリネタ」として唯一活用しているモノ、それは「エロ漫画」だった! プロのエロ事師は何故、「エロ漫画」でなければヌケないのか、「エロ漫画」にしかない魅力とは、一体何なのか。ゴールドマン氏が実際にズリネタとして使用している大好物な作品たちについて、編集部がインタビューを敢行。好評につき続投中です!!編 ゴールドマンのロックンロールエロ漫画、第9回ですね。今回取り上げるのは......。
ゴールドマン(以下「ゴ」) 『淫華-犯されママと拡張女教師-』(クロエ出版)、風船クラブさんという、知ってる人は知っている超ベテラン、大巨匠のエロ漫画家さんの2009年発売作品。割と最近ですね。
編 単行本デビューは93年ですね。
ゴ ちょうど20年か。僕、実はね、しばらく風船クラブ離れをしてまして......。
編 (笑)。それはどういう離れ方なんですか。
ゴ たとえば彼女と距離を置いたりして、そのうちに違う女ができたりすることあるじゃないですか、自然消滅的な。そういうことなのかなと思うんだけど。ある時期好きだったんですよ、2003年か2004年頃。風船クラブさんの2005年発売の『オルガマニア』という単行本に収録されてる「人妻A教師」、これを雑誌連載時に読んでたんです。凄く完成度が高い、女教師がアナル調教をされる作品で、完璧だなって思って。風船クラブ作品としても、エロ漫画の水準としても、素晴らしいという一作だったんですよ。で、それを読んだ時に、これ以上はないなって思っちゃったんですよね。
編 傑作を見てしまったゆえに......。。
ゴ その後に描かれた作品も雑誌掲載時に読んだけど、もう終わってしまったなと感じてね......。
編 ピークを迎えてしまったんだと。
ゴ そう。あと、みやびつづるとか、他の漫画家に浮気してたんだけど(笑)。そんなことがあったから、今年まで全然読んでなかったんです。今年になって『ロックンロールエロマンガ』を始めて、神保町のすずらん堂というエロ漫画がいっぱい売ってる書店に行ったら、たまたま『オルガマニア』を見つけて。雑誌掲載時には読んでたけど、単行本は買ってなかったんですよね、発売前に心が離れてたので。それで『オルガマニア』を今年2月に買ったんです。
編 なるほど。開いてみたら雑誌で読んでいた「人妻A教師」が載ってると。
ゴ うん。で、改めて読んだら素晴らしくて。その日もオナニーして。やっぱり風船さんって......独特の才能というのは素晴らしいなと。それから2005年から2013年まで8年間の作品を全部買いなおしました。今年だけで10冊くらい買ってますね。
編 確かに『オルガマニア』以降も、発売作品はたくさんありますね。
ゴ そうなんです。同じようなものといえば同じようなものなんだけど(笑)。
編 そんな今年に入って買いなおした作品から、今回は最高だという作品をお持ちいただいたわけですね。
ゴ 昨日の夜、実は凄い悩んでね......3冊に絞ってずっと読んでいて。それでムラムラしてオナニーしちゃったんですよ(笑)。だからちょっと眠いんだけど......。
編 (笑)。
ゴ これが最近の風船さんの、独特感かなあと。
編 そんな経緯でお持ちいただいた『淫華-犯されママと拡張女教師-』、風船クラブさんを今回は取り上げます。
■女教師と男子生徒の「捩れていく」物語とは
ゴ この作品は基本的に親子ものです。母と息子。それから息子の友達。ちょっと昔のシリーズだと妹とお兄ちゃん。風船さんは家庭内で調教することが多くて、血は繋がってないけど、その歪んだ関係でハード調教、というのが多いんですが、持ってきたのは女教師もので、僕的には超ストライクゾーンですね。
編 作品リストを見ると、最近はタイトルに「母」という言葉が並んでる印象ですね。
ゴ うん。やっぱり母ものが売れるんだろうし、ひょっとしたらその流れは風船さんが作ったのかもしれない。でもその捩れ感というか、普通はお母さんが優しくて好き、巨乳でボヨヨンみたいな感じだけど、風船さんはとにかく調教して、プレイがハードなんですよ。勃起もすごいし、射精もし続ける。友達呼んでみんなで輪姦するし、凄いハードなので、それを家の中でやるのはなかなかないんじゃないかと思います。
編 ちなみにこれがピークだと感じられた『オルガマニア』収録の「人妻A教師」は、今回収録されている「犯されママ」みたいな作品とは異なっているんですか。
ゴ 画力はある意味アップしてますね。最近の作品では豊満さみたいなものが出てきていて。内容的には『オルガマニア』辺りが一番いいなと思ってたけど、ただ本人も時代とともに成長して......って別に僕が偉そうに言うことじゃないけどね(笑)。
編 では『オルガマニア』がピークだと思ったら、もっと上にピークがあったと。
ゴ そうなんです。たとえばふたなりを描いていたりもするし、いろいろな作風があるのでそこは好みだと思う。僕が好きだった「人妻A教師」は割とオーソドックスな、生徒が女教師を調教する作品。それがアナルに偏ってるだけであって、捩れ感はそんなにない話なんです。それに比べると今回の『淫華』のほうが、風船さんらしくちょっと捩れた人格みたいなのが出てるよね。
編 なるほど。キーワードとして「捩れ感」が何回か出てきましたが、その辺を詳しく見ていきましょう。今回の女教師さんは、生徒のためにヌキボランティアみたいなことをしてるんですよね。
ゴ はい。勉学の妨げにならないようにということで、性欲処理、まあ手コキですね、ローションみたいなものをつけて、手でヌイてあげて、勉強に集中できるようにと。とても優しい、人格者の美人教師さん。
編 ふくよかで、母性を感じさせる絵柄になってますね。
ゴ うん。優しそうで、巨乳というか、爆乳に近いムッチリ感。
編 先生なので、先生の体に触ったらダメよと。これはあくまで精神を安定させるためなのよ、なんて生徒には釘を刺しています。
ゴ ヤラしい意味ではなく、性欲処理をしているんだよと。天使のような人なんですね。
編 そして今回の主人公となる九条君ですが、初登場がとてもナヨッとした印象ですよね。
ゴ この辺が風船クラブさんの面白いところ。可愛い顔して巨根で絶倫だったりするんです。
編 そうなんですよね。こんな体で、こんな顔して凄い巨根という主人公で。
ゴ 基本的にデカマラ系なので、そこが風船クラブさんの最大の魅力といっていいんじゃないかな。
編 今お話してるのは「マンダラ」という作品ですが、物語はこうして始まり、一見するとこのオープニングはいい話なんですが、ここから捩れていくんですね。
ゴ 先生は生徒の性欲処理のため、授業の合間にヌイてあげる。最初は善意で行なっていた単なる作業だったのが、ある時期ですね、ガクガクガクと、生徒が射精して帰った後に、ガクガクッ、ガクン、ビクン、ブルン、ガクン、「ほぉおおおおおお!」ということで、おかしなことになっていくんですね(笑)。
編 「もう駄目ぇ!」
ゴ このページがやっぱり一番。若いチンポをシコシコして、毎日精子を絞りだしてるうちにね、体が反応してしまって、「もう駄目ぇ!」。
編 「ぐちゃあぁ」
ゴ 「ぬじゅううっ」っていうふうにですね、オマンコが疼きだしてしまって、どうしようもなくて、「どうしてこんなだらしないオマンコになってしまったのぉ!」っていうふうになってしまう(笑)。これはもうエロ漫画でしかあり得ないよね(笑)。
編 もちろんあり得ないわけですが(笑)、こうしてページを繰った瞬間のインパクトは凄いですね!
ゴ 凄いですよ、これだけで1万円くらい払ってもいいかなって(笑)。素晴らしいよね。
編 エロ漫画的な、ある意味では王道展開ですね。
ゴ そうなんです。何かが起こってるわけじゃないし、先生の内面で起こってるだけのことが、これだけの高まりというか盛り上がるのは、普通の作家では考えられない。
編 こちらのぺージのこのポーズ......。
ゴ 開脚で、ダラダラとマン汁が垂れ落ちて。
編 生徒の興奮をしずめていたら自分も興奮しちゃったから、自分で自分を慰めますっていうだけなら、こんなポーズである必要はないですよね(笑)。
ゴ 極めてエロ漫画的な、挑発的なポーズ。
編 そして自分で自分を慰めるのが延々と続いていきます。
ゴ 昂ぶりをしずめようとする。面白いのは、先生の内面の気持ちで、「体は疼き始め...」「愛液を垂れ流し...」「生徒たちのペニスを」「欲しがるようになってしまった」っていうモノローグ。それはダメっていう否定する気持ちがあるのに、でも実際にクリトリスを弄りながら口に出して言っているのは「お願い皆 先生のマンコ犯してぇ!」というふうに、人格が分裂していく。
編 快楽に堕ちていく感が、先生の内面描写としてしっかりと表現されていくわけですね。
ゴ そしていきなり「マンコフィストーー」「ぐず ぶぉ」っていうふうになって、白目剥いてる場面ね。コンビニで売ってるエロ雑誌にはあり得ない。
編 これは僕もびっくりしました。いきなりこの描写にいくんですね。
ゴ それまでクリトリスを弄ってたのに(笑)。
編 前のページで、乳首をやたら引っ張ってるなとは思ったんですが、気がついたらもう、いろいろすっとばしてフィスト(笑)。
ゴ 「マンコフィストーー」って自分で叫んでますからね。エロ漫画大賞候補ですよ(笑)。
編 ここにひとつの捩れがあると。
ゴ うん。このシーンがあって、このあとは彼女のそういうオルガに振り回されていくオスたちの話だと思います。
編 なるほど。
ゴ 第一話目で完成されてる世界ですね。一応連作で5話ほど繋がってるけど、最初の一話だけでいいのかな(笑)。
編 ここからは、こういうことを踏まえてエスカレートしていく二人が描かれてますね。
ゴ うん。この女教師の捩れ方と、体の中から泉の如く溢れる性欲。どうしようもない、止めようのないメスの本能みたいなものが、具体的に形になっていくという作品です。
■何ものにも似てない、THE 風船ワールド
編 エロ漫画でしかありえないというお話がさっきありましたが、アダルトビデオでは、こういう女性は「痴女」としてしか描かれないものですよね。
ゴ 女性の側が能動的に性を求めるというと、やっぱり痴女かな......。でも、それはよっぽど表現力のある女優とか、それを理解して表現できる人がいればいいけど、だいたい風船クラブさんが描く世界は男の妄想でしかないので(笑)。女性には分からない感性のような気がする。同じイヤラしいとかエロとかいっても、そこにギャップはあるんじゃないかな。
編 エロ漫画作品としてのポイントは、二重の吹き出しになってる先生の内面の葛藤ですよね。これってある意味では、レイプもののエロ漫画で、いやよいやよと思ってるけど、という快楽堕ちと呼ぶのでしょうか、そういう描写の王道パターンかと。
ゴ うん。自己完結してしまっているのが非常に現代的だし、尚且つ力技で見る者を圧倒して勃起させる力は素晴らしい。
編 こうした内面描写の部分が、我々にイヤラしいと思わせる部分かなと思えるんです。
ゴ これが単に内面も外面もチンポ欲しい~マンコヌレヌレ~誰か犯して~っていうだけだったらなんていうことはないよね。そんな女とはヤリたくないじゃない(笑)。まあやりたくないこともないんだけど。
編 (笑)。
ゴ 捩れとか、ゆらぎですね。そういうものが風船クラブさんは、ある意味力技で肉、肉、肉っていうほど肉弾戦で展開されるパターンだけど、そういう精神性はちゃんと貞操を守りたいとか、愛する夫を裏切れないとかさ。そういう気持ちをきちんと描けているから、みんな感動するんじゃないかな。
編 その葛藤してる最中が一番エロいと。
ゴ 昭和の考え方なのかもしれないけど(笑)。
編 この連作だと、彼女がこの後、開き直っていきますが、これもエロ漫画的王道展開だったりします。
ゴ 僕なんかもう50歳ですから。世代によって趣味が違うし、ヌキどころは読み手に応じて様々だからね。5話くらいの連作にして、この過程とか、最後女が、もっとチンポ気持ちいぃ~みたいなところでヌケる人もいるだろうし、そういうことも考えて連作にしてるのかな。
編 ヌキはあなたのお好みのところで、というサービス精神。
ゴ 堕ちきっちゃうとつまらないじゃないですか。たとえば官能小説も、20歳くらいの時は一生懸命読んでたけど、小説は何百ページもあって長いじゃない。そうすると、あとからこれでもかとエピソードを繋いで、プレイもハードになったり、またいろいろなキャラが増えたり。でもやっぱり一番最初にヒロインが堕ちていくときの快感は得られなくなっていくんだよね。
編 なるほど。
ゴ だから新鮮味のある段階でヌキたいというのがあるんです。漫画は話が短いから。
編 その辺は、アダルトビデオではなかなか表現するのが難しい部分ですね。
ゴ うん。それこそ女優の資質になるし、単に演出のレベルでは絶対できないし。結局演技になっちゃうんじゃない? そんなこと言うと、こんなのしょせん漫画じゃねぇか!っていうことになっちゃうけど......。でもそこにのめり込んでいけるだけの力がね、やっぱりこういうさ......。
編 見開き(p16_17)にはありますよね、間違いなく。
ゴ ありますよ。この見開き、拡大してポスターにして貼っておきたいよね。ぐっちゃぁ......ヌチュウ...って。
編 我々のファンタジーを受け止めるだけのインパクトというか、力を感じます。
ゴ 風船クラブさんの絵って、そんなにリアルじゃない。漫画っぽい劇画というか、昔の劇画からすると幼稚な感じもするし、最近の萌え系からすると大人っぼい。女性器、オマンコの描き方もそんなに......。
編 リアルじゃないですね。
ゴ グロでもない。やっぱり風船ワールドが全てにおいてあるんですよ。何ものにも似てないというのを、もう20年やってるという。
■まるで裏ビデオを隠し持っているような背徳感
編 ここ8年間の風船クラブさんの作品を買い漁ったということですが、基本的な展開に変化はありますか。
ゴ 母と息子の場合には、親子なんだからやっちゃダメ、本番はしません!という。だけど息子がアナルマニアだったりして、じゃあアナルを触るだけって。そのうちしごいてくれ、フェラしてくれ、でもオマンコに挿入するのはダメッ!って。こうやって、常に「禁断」みたいなものがテーマの中心にあるんです。だからそこにつけこんで、いろんなことをやらされてしまうのが魅力なのかな。
編 今回は教師と生徒で、そこに禁断の要素があるんですね。
ゴ 快楽目的ではなく、性欲処理をしてあげるという関係から異変が起こっていく。ワニマガジンではあり得ないよね。
編 コンビニ誌ではありえないですね。
ゴ うん。かわいい子で、エッチで、ちょっときっかけがあると挿入して、中出しして、イッちゃった、みたいな作品。9割がそうだと思うんです。そういう状況の中で、ある意味面倒くさい設定で面倒くさい人たちが、特殊な状況でデカマラをぶち込んで射精し続けるという......やってることは王道に近いけど、凄く異端に近い印象がありますね。
編 コンビニ誌のような展開を王道とするような意識もあるんでしょうけどね......。
ゴ 僕は古い人間だから、こういうポルノ、アダルトな世界は、少年の頃の気持ちにかえると......見てはいけないものを見てしまったと。こんなのを読んでるところをお母さんに見つかったらどうしよう、みたいな意識がもてないとつまらない。
編 なるほど。
ゴ たしかに今は、可愛い子が出てポスターいっぱい貼ってあったり。
編 書店さんによっては華やかですよね。
ゴ ポピュラーになってしまった。昔の、裏ビデオを隠し持って、誰にも見つからないようにこっそり見るという、そういう快感が必要だと思うんだけどね。
編 そんな中で、ワニマガジン系の、清く正しいエロ漫画が浸透している現状において、ちよっとこうした卑猥な背徳感を色濃く残しているベテラン作家が、風船クラブさん。
ゴ うん。大先生ですね。
編 もちろんこれからも風船さんの作品を追いかけていかれるんですよね。
ゴ 最近ちょっと丸くなってますが、でも風船さんがね、筆を置くまでは追いかけたいと思います。
編 はい。今回はベテラン作家、風船クラブさんの『淫華-犯されママと拡張女教師-』をご紹介しました。
(続く)
『淫華-犯されママと拡張女教師-』(クロエ出版)
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