Goldman presents The Rock'n Roll Ero-Manga
鬼才AV監督・ゴールドマンがお勧めのエロ漫画を熱く語る!
淫語インストラクターにして官能小説家、そしてベテランAV監督であるゴールドマン氏が「ズリネタ」として唯一活用しているモノ、それは「エロ漫画」だった! プロのエロ事師は何故、「エロ漫画」でなければヌケないのか、「エロ漫画」にしかない魅力とは、一体何なのか。ゴールドマン氏が実際にズリネタとして使用している大好物な作品たちについて、編集部がインタビューを敢行。好評につき続投中です!!編 ゴールドマンのロックンロールエロ漫画、第10回です。今回お持ちいただいた作品は。
ゴールドマン(以下「ゴ」) EB110SS先生の『はじめよっか』(茜新社)ですね。最新作ではなくて2009年の作品です。
編 この後に、5冊単行本が出版されていますね。
ゴ はい。今年に入って『少女レシピ』(コアマガジン)という、可愛らしい系の作品が出てます。それも凄くいいんだけど、EB110SS先生はコアマガジンと茜新社の2社から単行本を出していて、コアマガジンからの作品が明るく楽しいエッチな感じ。それに対して茜新社のほうは「コミックLO」に掲載されていたと思うんですが、ちょっと翳りのある、切なさも感じる作風で、少女売春みたいな物語も扱っていたりするんです。漫画としてはコアマガジン発の作品のほうが面白いんだけど、実用的なのは茜新社という(笑)。こういうことを比べると個人差があると思うけど、僕はこの『はじめよっか』が一番だと感じたので、これを持ってきました。
編 すると当然『はじめよっか』は、茜新社からの単行本で「コミックLO」に掲載されていた作品が、まとまっていると。
ゴ うん。
編 見るからに小学生的な女の子の表紙なんですが、その前にゴールドマンさんがロリ作品に手を伸ばしたきっかけからお話を聞かせて下さい。
ゴ 僕、ロリ系の趣味はほぼないんですよ。ロリ漫画もこれまですべてスルーしてきて、読んだこともないし、ノーチェックだったんです。
編 今年の冒頭に「今年は可愛い女の子でヌく」宣言をされてましたよね。それと関係あるんですか?
編 はい。
ゴ それはホントに素晴らしい才能で、クジラックスという人はね。もう一字一句逃さず、全部読んだんですよ。本当にエロ漫画を真剣に全部読んで、凄いなと。漫画としてもよくできてるし、女の子も凄くかわいい。ああ、今はロリ漫画のほうが才能のある人がいるんだなということを凄く感じて。
編 なるほど。
ゴ どちらかというとロリが主流じゃないですか。所詮アンダーグラウンドなシーンですから。ただクジラックス先生の作品は、有名な『ロリ友達』、ネットで話題になった作品に代表されるような......まあロリエロ趣味の人たちを否定してたら描かないと思うけど、ある意味自己嫌悪的な要素が強かったので、ちょっとだけイヤな感じだったんです。そういうテイストじゃなくて、天使のような可愛い女の子がエッチしてくれる作品もあったけど、クジラックス先生の描く女の子って本当に可愛くて、いい子過ぎて、ちょっと申し訳なくてオナニーできない感じだったんですよ。漫画としては大傑作だったけど、ちょっとこれオナニーできないんですけどっていう。個人的にそういう印象で、他にロリ系でいい作家さんいないかなと探してるうちに、このEB110SSさんに出会いました。名前も変だし、王道の可愛いロリエロ漫画に比べると、女の子があんまり可愛くないんですよね、普通というか。クラスで一番可愛い感じじゃなくて、5番目くらい。そういう普通っぽい子が魅力です。あと、全裸がほとんどなくて、着衣。一応胸を出したり股間を出したりするけど、何かしら洋服なり、ブラジャーなりを残しつつやってる。そしてツルペタじゃなくて、ちょっとおっぱいがあるんですよ。
編 膨らんでますね。
ゴ だからチビッコにしては巨乳なので、自分のストライクゾーンに近いなと。
編 それでも絵柄は幼いですよね。その辺りは慣れるものですか。
ゴ やっぱりありました。前回の風船クラブさんからすると対極というか、豊満すぎる、肉感的なボディとは真逆じゃないですか。風船クラブを読んでいて危険なのはね、ああいうのを読んでると風船クラブでしか抜けない人になってしまう(笑)。
編 (笑)。
ゴ 非常に偏ったオナニストになってしまうから、バランスをとるためにもそうでないものもちゃんと使っていかないと。
編 風船クラブ先生でしか感じない身体になってしまってはいけないと(笑)。
ゴ そう。鈍感ボディになってしまうと生きていくのが辛くなるので。そういう意味でも、やっぱり可愛い系で、ハードじゃないプレイでヌケる自分を作っていかなきゃいけない。
編 リハビリ的オナニーですね(笑)。
ゴ (笑)。肉を食べたら野菜も食べようみたいなことです。バランスのとれたオナニーをやっていかないとね。
編 心と体のバランスですね。
ゴ でもホントにね、凌辱系でハードなものばかり読んでると、おかしくなってきますよ。まあ読んでること自体おかしいと思うけど(笑)。この連載は「ロックンロールエロ漫画」っていうタイトルだけど、音楽もそうじゃないですか。ハードロックやヘビーメタルとか、デスメタルみたいなコアな音楽、世の中はそんな音楽ばかりじゃない。美しいピアノの調べであったり、ボサノバであったり、いろいろある。そこは社会生活を営む上で、いろんなものをきちんと聞き分け、見分け、ヌキ分けることも大事ですよね。
■手が届かないものへのファンタジー
ゴ 初期に比べるとEB110SSさんは、割と大人になってきてるんです。
編 初期の作品もご覧になられたんですね。
ゴ あまり最初の頃は買ってないけど、表紙を見る限りホントにちびっこ(笑)。もしかしたらJSよりもうちょっと下かなという印象でした。でも最近はJCも入るようになってます、それでも幼いといえば幼いけど。まず最初に紹介したいのは「夏のおじさん」。
編 物語は、毎年夏におじさんがやってきて、お小遣いをくれて、エッチをするという内容ですね。
ゴ 実際にありそうな話だよね。ロリだともっと複雑な設定だったりすることも多いけど、これは身近な話。女の子もおじさんのことはキライじゃないけど、エッチはしたくないな......エッチしなければいい人なのにな......という、そういう少女なりの葛藤があるところにキュンとくるよね。
編 この女の子、笑顔が全然出てこないですね。
ゴ そうなんです。茜新社のEB110SSさんはアンニュイなムードで、あんまりやりたくないんだろうなっていう良さがある。その代わりといってはなんだけど、おじさんは顔自体が笑ってるような作りで、そのギャップがなかなかいいと思います。この辺は現実感じゃないかな。
編 リアリティですね。
ゴ そしてやけにチンコが大きく見える。
編 見えますねえ(笑)。
ゴ 女の子の顔が小さいからね。
編 これはやはり、ロリ作品の特徴ですか。
ゴ そうです。でもEB110SSさん、チンコはデカく描いてると思うんですよね。『少女レシピ』という最新刊だと、遠近法を使ってるのかもしれないけど、顔より亀頭が大きいような描写があって。
編 (笑)。それはちょっと現実感ないですね。
ゴ そうなんだけどね、そういう楽しさもロリにはあるよね。僕が一番おすすめしたいのは、フェラで口内発射されるシーンがあるんだけど、これがね、またちょっといやな感じの顔をしてくれてる。大人の漫画ではこういったニュアンスは表現されないなって。
編 アヘ顔というか、喜んじゃってる系の顔がありますね。
ゴ そこは現実感があるので、そういうのが好きな人はいいと思うけど。あとは、自分が寝そべってて、その上に跨らせてマンチョを舐める姿勢。こんなことってみんながやりたいと思ってるじゃない。
編 そうした一つ一つのプレイが、もの凄く男性主導で行なわれていて、当たり前なんですけど、女の子がとっても受け身なんですね。
ゴ やっぱり漫画って都合のいいものだから。だいたいのロリ漫画も、女の子はエッチが好きで、同じようにやりたがってる感じになってる。
編 ワニマガジンさんでもそうですよね。
ゴ 倫理的にもそのほうがいいと思うのでそうしてると思うんだけど、でもこのEB110SSさんの場合は、女の子の性感ももちろん開発されてないし、できればやりたくない。それも好きな人じゃないわけだから。
編 おじさんですからね。
ゴ そう。そのイヤイヤ感っていうのが、やっぱり魅力なのかなと思うんです。
編 一貫して、そういう顔や表情なんですね。
ゴ 嬉しくなさそうな感じ。
編 気持ちよくもなさそうな。
ゴ 特にこの茜新社発の作品では、意識的にそういう表現をしてると思うんです。でもこれがコアマガジンからの最新刊だと、精子がピュルルーッて出ましたエヘへ、みたいな作風なんですよ。
編 茜新社だと「もう、こぼさないで」ですからね、ぴゅるるるって出ても。
ゴ そうなんです。こっちのほうが現実感があるから、そういう趣味の人にはオススメかなと思います。
編 さっきの風船クラブさんだと現実にはあり得ない、エロ漫画だからっていう魅力......。
ゴ エロ漫画的なエロ漫画。
編 はい。前回そういう話をされましたけど、そういう意味で、これは本当に真逆ですね。
ゴ そうだよね。
編 なんとなくこういうことあるんじゃないの的な......いや、ないんですけど、でもあるかもしれませんという。女の子がお金を欲しがっているという部分も含めて、ないんだけど、あるかもと思わせてくれる何かがありますよね。
ゴ だからJCとかJSとエッチなことをすること自体がまずありえないので、そういう意味での現実感のある表現ということで、中和させてるんだと思うんです。他のね、やりたがりの人妻とか、エロエロ熟女とか、乱交パーティ行ったりしてるおばさんは世の中にいっぱいいるじゃないですか。
編 はい(笑)。
ゴ そういうのはファンタジーにしちゃっていいと思うんです。でもロリはやっぱり手が届かないからこそ、現実的な表現を求めちゃうところがあるんじゃないかな。
編 なるほど。
ゴ クジラックスさんも、ランドセルしょわせてやってたりするじゃない。
編 そうですね。
ゴ 現実にはね、本番する機会はないし、する時はランドセルしょってないだろうし。そこは「現実的」というファンタジーでしょうね。
■ロリ漫画に残るノスタルジー
編 実際問題として、この作品は使えたんですか?
ゴ 全てがヌキどころというわけじゃなくて、口内発射のここだけかな(笑)。
編 このカットですね。ぶべべという。
ゴ 結局、熟女だろうがロリだろうが、口内発射で精子が迸ってるところが使えるんです。
編 なるほど。
ゴ 普通の人は、やっぱりマンチョに挿入して中出しが興奮するんだろうけど。
編 ちゃんと二種類用意されてますね。
ゴ EB110SS先生はロリなのにフェラチオシーンがかなり長めでしっかりあります。趣味が近いんだと思いますね。フェラを全然しないロリ漫画もいっぱいあるので......許せない......いや、別に読まなきゃいいんだけど(笑)。口内発射された時のいやな表情も魅力ですね。
編 これが収録作のうちの一作「夏のおじさん」ですね。もう一作ご紹介していただくのが「ウォーターサイド」。
ゴ 近所のお兄ちゃんと付き合ってる小学生。お兄ちゃんは中学生なのかな、学ランを着てます。で、ほのかな愛がある。大人の世界だと、こういうのはつまらない。
編 そうですね。
ゴ 別に展開もないし(笑)。田舎に住んでて、二人とも実家というかもちろん親と住んでて、エッチをする場所がないから、湖にボートを浮かべてそこでエッチなことをしましたと。
編 それだけの話といえばそうですね。でもしっかりフェラチオもしつつ......。
ゴ 口内発射もドクドクッていう、またこの表情が素敵ですね。
編 さっきの「夏のおじさん」は相手がおじさんなので、女の子が必ずしも喜んでないんですが、こっちは一応お付き合いしてるお兄ちゃんということで、喜んでる節があります。
ゴ うん。ちょっと嬉しそう。エッチが好きというよりも、好きなお兄ちゃんが喜んでくれるならというね。ちょっといい感じの二人。
編 なんですけど、いわゆる極端なアへ顔にならないんですね。
ゴ まだ経験値がないから、そんなに気持ちよくないっていうことじゃないかな。蕾が開花する初期の段階。
編 エロ漫画ですね。
ゴ そうですね。今の人は即物的にね、すぐ感じてイキまくったり、潮噴いたりするのが好きだけど、それ以前の蕾の段階がね、昭和の人のハートをくすぐるんじゃないかな。
編 なるほど。エロ漫画って断面図も含めて現代的な進化をしているメディアだなって、ゴールドマンさんから紹介していただいている中で感じているんですが、ロリ漫画の中にはそういう昭和のテイストが残っているんですね。
ゴ そうですね。そういうのは少ないのかもしれないけどね。僕なんかもう50だけど、40代の人も多いだろうし、年寄りがお金を出して買うのがAVも含めたエロメディアなんでしょうから。
編 そこではノスタルジーみたいなものが、重要な要素になっていると。
ゴ そうですね。あとは大人の女性に絶望した、失望してる人たちが、失われたものを求めてこういうところに辿りつくんだろうから。そういう意味では、未熟な、未開発な女性は最大の魅力なんじゃないかな。
編 そして、無駄に中で......。
ゴ そう、妊娠する心配もないし。
編 このお話は少し変わったオチになってるんですよね。
ゴ 最後、娘をつれたパパとママと会話をしているところで終わるんだけど、このオチはいらないような気もする(笑)。
編 一応、愛はしっかり成就した、みたいなことが示されているという。
ゴ 描いてるほうも背徳感があるので、いい話で終わりたいなっていうのがあるんじゃないかな。クジラックス先生も、便所でごはん食べてた人がね。やっぱりいい話描きたくなると思いますよ、ああいうのをやってると。地味だけど心に残る感じの一話なのかなと。
■みんなもっとエロ漫画を読もう!
編 いままでのエロ漫画人生で、飛野俊之先生のような極端なエクストリーム作品から、王道の風船クラブさん、「アクションピザッツ」のレイジさんのようなライトなものも嗜みつつ、そういうラインナップの中で今年になってロリ漫画が入ってきたんですが、ゴールドマンさんのさらに豊かなエロ漫画人生が、展開されてるんでしょうか。
ゴ 漫画自体はギャグの軽いやつが好きなので、割と本心に近づいてきたと思うけどね。ハードな凌辱路線やハードなセックスを望んでるわけでもないし、重たい関係とか、捩れた関係を求めてるわけでもないので......体力がなくなってきたのもあるのかもしれない(笑)。ひとつ言えるのはね、いままで偏ってたなって(笑)。
編 (笑)。
ゴ みんなそういうのは持ってると思うけど、自分で自分のことはよくわかんないじゃない。僕、中2の頃からエロ漫画でオナニーしてて、最初は三条ともみさん、非常にエゲつない、暗い、ドロドロした作品からオナニー人生が始まっちゃってるんですよ。
編 (笑)。
ゴ でも普通の人はそんな作品を読んでないし、以前カンパニー松尾さんにインタビューした時にも、河合奈保子の巨乳でムラムラしてオナニーしたとか言ってて。それが青春だと思うんですよね。
編 (笑)。
ゴ だから自分のは非常に歪んだ、捩れた、暗い"性春"。青春のせいは、セックスの性ね。暗い性春を歩んできんたんだなと思ってるんだけど、50歳になって軌道修正だね(笑)。
編 その軌道修正がエロ漫画でなされるのが面白いですよね、やっぱり。
ゴ 中和作用があればいいけど、逆に変になってる感じもするから、その辺はまたオナホで修正していけばいいのかなと(笑)。
編 そうですね(笑)。
ゴ こんなに漫画がたくさん氾濫してる国は世界的にもないだろうし、単にエロ漫画っていってもこれだけ落差があるのは、非常に興味深いジャンルだよね。僕はエロ漫画を読み続けてますが、普通の漫画って読んで面白い、メンタルな部分でほぼ完結するけど、エロ漫画は読んで面白いし、勃起して射精もする、肉体に直撃してくるエネルギーというのは異質のカルチャーだなって思うんです。あんまりそういうものってないじゃない。風俗で生身を相手にしてるわけじゃなく、音楽聴いて勃起することもないだろうし。射精まで導く力がね、単に漫画で、どこかの誰かが描いたもので、肉体的な疼きがあって、風船クラブじゃないけど、疼きが止められないみたいになることは凄い力だなあって思うので、もっとみんなに読んで欲しいですね。
編 本当ですね。いままで手を出さなかったロリ漫画ですら自分のものにしていけるような新しさを、エロ漫画は持ってると。
ゴ はい。
編 というわけで、今年になってゴールドマンさんが新たなジャンルを開拓し始めたロリ漫画、今回はEB110SSさんの『はじめよっか』でした。
ゴ ロリ漫画ではじめよっかという、ちょうどいいね。
編 素晴らしいオチまでつきました。ありがとうございました。
(続く)
『はじめよっか』(茜新社)
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