イラストレーション・シリーズ「レイヤー百景2.0」第7話/極意！コスプレ炒飯の巻

Monthly Illustration series by inumoto

月一更新イラストレーション・シリーズ「レイヤー百景2.0」

二次元と三次元とコスプレとレイヤーの境界を行きつ戻りつしながら筆を動かす多元的イラストレーション・シリーズ。絵師・inumotoさんが描き、綴る、物語の中でコスプレを考察していくユニークな連作です。

第7話極意！コスプレ炒飯の巻
　
鉄鍋からはもうもうと煙が立ちこめる。
気の置けないコスプレ仲間たちと中華街に行った時にノリで買った物だが使い込まれコンディションは良好だ。
そこへ大量の油を投入する。ここで日和って油の量を少なくしてしまうとパラパラの良い炒飯にはならない。そして熱された油に溶き卵を入れる。軽く混ぜ卵に油を吸わせたら間髪を入れず硬めに炊いた白米を投入。米にも油を馴染ませ分離を良くしてある。そしてすぐさま混ぜる！

家庭用のコンロの火力は中華料理店のそれには遠く及ばないため、なるべく温度を下げないようにしなければならない。鍋を振るい米がダイナミックに宙を舞うのが炒飯の醍醐味ではあるがここは我慢し、極力鍋は振らない。塩コショウで味付けしながらじっくりかつ手早く混ぜる。

やがて米の一粒一粒が油と卵にコーティングされ黄金に光り輝く。

ここで予め用意しておいた中華調味料・おろしニンニク・少量の醤油を少量のお湯で混ぜ合わせた物を回し入れる。食欲をそそる香りが立ち込める。
調味料を馴染ませたら具材を投入。今回はみじん切りの玉ねぎと小さく角切りにしたウインナーを入れる。これはチャーシューでもベーコンでもエビでも好みで好きなものを入れるといい。軽く具材に火が通ると完成したも同然だ。最後に心ゆくまで鍋をぶん回し炒飯のダイナミズムを堪能する
おたまに取り皿をかぶせひっくり返す。すると美しいドーム型の炒飯の完成である！
熱々のうちに食べる、食べる、食べる！
至福のひと時。これが山田高菜の充実したオフの過ごし方である。

なおテンションを上げるために着たコスプレ衣装はクリーニングに出さなければならない。