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I want to live up to 100 years
「長生きなんてしたくない」という人の気持ちがわからない――。「将来の夢は長生き」と公言する四十路のオナニーマエストロ・遠藤遊佐さんが綴る、"100まで生きたい"気持ちとリアルな"今"。マンガ家・市田さんのイラストも味わい深い、ゆるやかなスタンスで贈るライフコラムです。
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■アラ問題

年が明けてすぐに、45歳になった。名実ともにオバサンである。
子供の頃なんとなく思い描いていた45歳の自分は、子供が2人くらいいる専業主婦だった。そうじゃなかったら、たぶん残業のない会社の事務員あたり。
でも実際はこうやって一人で部屋にこもってワイドショーを観ながら、ダメダメな人生の言い訳みたいな文章を書いている。全然ちゃんとしてなくても、息さえしてれば45歳になれるんだなあと思うとなんだか不思議だ。

誕生日当日、いつもと同じ調子でゴロゴロしていたら、SNSでつながっている心優しい皆さま方がおめでとうのメッセージを送ってくれた。すごく嬉しくてなんて幸せな45歳だろうと思ったのだけれど、その中に40代後半先輩ライターの「おめでとう、アラフィフ仲間だね!」という言葉があって、ちょっとショックを受けてしまった。

「えー、45歳ってもうアラフィフなの? アラ=四捨五入!?」
「世間的にはそうらしいよ......」

うわー、まじですか。
その方式でいくと45歳はほぼ50歳だし、50歳はほぼ100歳ってことになってしまうってことは、私はきんさんぎんさんと同じ年......ええっ!?
深く考えだすとどんどん頭が混乱してくる「アラ問題」。めでたく(?)アラフィフに突入したことだし、今回はこれについて考えてみたいと思う。

さっきから普通に「アラフィフ、アラフィフ」と言っているが、そもそも最初に世間に出てきたのは「アラサー」って言葉だった。
アラウンド・サーティー。若い女じゃないけど熟女でもない、30歳近辺の微妙なお年頃の女性を指す言い回し。女がそう呼ばれるときは、単なる年齢以上の意味がつきまとう。
「アラサーなんだから、そろそろ結婚のことも考えないとね」とか「アラサーにもなって、若い子みたいなファッションして......」とか言われて、グッと言葉に詰まった経験のある女子は少なくないだろう。
はっきり「もう30歳でしょ!」とは言いにくても、「そろそろアラサーだよね」なんていうふわっとした言い方ならできてしまう。そんなところも"アラ"の曲者たる所以だろう。
その言葉が世間に定着し始めたとき、私はもうアラサーと呼ばれる年齢を過ぎていたけれど、うまいこと言うなあと感心したのを覚えている。

でも、しばらくして現われた「アラフォー」って言葉には、正直ちょっと違和感を感じた
「アラサー」が定着したから次は「アラフォー」? 完全なる二番煎じ、二匹目のドジョウ狙いじゃないかと思ったからだ。
「アムラー」の後の「シノラー」や「ネクラ」の後の「ネアカ」と同じである。そんなかっこわるい言葉使うもんかと思ったけれど、美魔女の存在が台頭したり、『Around40』なんてドラマができたりしたこともあって、気づいたら「アラフォー」は世間にしっかり根付いていた。
今考えると、その違和感は年齢的に自分が当事者だったせいもあるかもしれない。
結婚や出産リミット、ホルモン関係のことなんかを考えると「アラフォー」は「アラサー」以上にシビアな言葉だ。気にしない気にしないとは思っていても、雑誌やネットでアラフォーという言葉を見ると、やっぱり少し胸がざわついた。

「アラサー」や「アラフォー」ほど一般的ではないけれど、最近では「アラフィフ」や「アラハタ」(アラウンド・ハタチ)なんていう言い回しもあるらしい。
青春真っ盛りのティーンエイジャーや孫がいてもおかしくない熟年世代にまで「アラ問題」が進出していると思うとびっくりである。「アラ」は年齢に対する女の焦りを、グリグリと容赦なくえぐってくる。

少し前、取材ですごく年下の女の子と話す機会があった。彼女は今ピッチピチの23歳で、来月には24歳になるという。
「おめでとう」と言ったら「ありがとうございます~」と明るく返してくれたのだが、その後出てきた言葉に打ちのめされた。
「でも、誕生日が来るのちょっとイヤなんですよね。だって24歳っていったら"プレ・アラサー"じゃないですか」
ああ、もう一つ、新しい言葉が出てきてしまった。プレ・アラサー......。
いや、アラサーの一歩手前ってことなのはわかるけど......24歳がプレ・アラサーで25歳からがアラサーだとしたら、純粋な20代は一体どこに存在するんだろう?
25歳の子は30歳を恐れ、15歳の子は20歳を恐れる。「アラ」の若年化、ここに極まれり。
じゃあ、彼女たちはいったいいつ「若さ」を楽しめばいいんだろうか。
ファンデーションを厚塗りしなくてもツルツルなほっぺた。白髪なんて一本もないツヤツヤな髪。ほうっておいても女が美しい時期は長くない。恐れている暇なんてないのに。そう思うともどかしい。

まあ、それはさておき。私が世に言うアラフィフ世代だということは間違いない。
アラフィフともなると、もう女としての賞味期限なんかについてはそれほど気にならない。思うのは「もう人生の半分きちゃったか......」ということだけだ。
このコラムでは「100まで生きたい」と威勢良く謳っているけれど、実際は平均寿命の90歳くらいまでいければ御の字だろうとふんでいる。つまり、これから先は折り返し。寂しくないといったら嘘になる。

誕生日の夜、実家の母親から「おめでとう」の電話があった。
「私も、もうアラフィフだよ。びっくりしちゃうよねえ」
と溜息まじりでボヤいたら
「あら、そんなのまだ若いわよ。おかーさんなんて、もうアラカンよ~!」
と励まされた。母親ってのはありがたいと思ったが、あれ、なんかちょっとひっかかる。

「え、アラカンてアラウンド還暦のことでしょ?」
「あはは、バレた!? でもまあ似たようなもんじゃない」

なるほど、70代になると10歳サバよむのなんてどうってことないらしい。アラフィフなんて、まだまだですな。

文=遠藤遊佐




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I want to live up to 100 years
遠藤遊佐(C)花津ハナヨ
(C)花津ハナヨ
遠藤遊佐 AVとオナニーをこよなく愛するアラフォー女子。一昨年までは職業欄に「ニート」と記入しておりましたが、政府が定めた規定値(16歳から34歳までの無職者)から外れてしまったため、しぶしぶフリーターとなる。AV好きが昂じて最近はAV誌でレビューなどもさせていただいております。好きなものはビールと甘いものと脂身。性感帯はデカ乳首。将来の夢は長生き。
遠藤遊佐ブログ=「エヴィサン。」

市田 ブログのコミック化や新書等で活躍するマンガ家。
著書に『家に帰ると必ず妻が死んだふりをしています』(PHP研究所)、『日本霊異記』(KADOKAWAメディアファクトリー新書)など。
ウェブサイト=「http://urban.sakura.ne.jp」
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16.02.27更新 | WEBスナイパー  >  100まで生きたい。
文=遠藤遊佐 | 市田 |