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the toriatamachan season3
女の子にとって、「美醜のヒエラルキー(それによって生まれる優劣)」は強大だ! 「酉年生まれゆえに鳥頭」だから大事なことでも三歩で忘れる(!?)地下アイドル・姫乃たまが、肌身で感じとらずにはいられない残酷な現実――。女子のリアルを見つめるコラム、シーズン3は「わたしのすきなこと」にまつわるアレコレです。
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「おばあちゃんは誰と結婚したの?」
酒屋の店番をしている祖母が丁寧に、
「あなたのおじいちゃんよ」
と答えると、小さかった私は大げさでなくのけ反って、仰天したのだった。
「えーーーっ、あんな人と?!」

祖父はいじわるな人だった。『となりのトトロ』に出てくるカンタみたいに。しかめ面でメイとサツキに傘を差し出して、自分は雨の中を走り去っていくカンタ。「男の子ってきらい! でもおばあちゃんは好き」というサツキ。
祖父もいじわるばかりして、私から「おばあちゃんは好きだけど、おじちゃんはきらい!」とよく言われていた。

私は祖父の好意に気づけないような、ぼうっとした子供で、おばあちゃんが誰と結婚しているのかわからなかったし、父親と母親にも、パパやママじゃなくて、自分と同じように名前があることを知らなかった。ついでに右と左がわからなくて、幼稚園のスイカ割りでは、「みぎ!」「もうちょっとひだり!!」という園児達の歓声にずいぶんと困った。見かねた先生が、「お箸を持つほうが右で、お茶碗を持つほうが左よ」と教えてくれたのだけれど、一日三回ある食事で、自分がどっちにお箸を持っていたのか思い出せないのだった。

祖父は亡くなる少し前に、「俺のこと嫌いって言ってたな」と言い出した。自分の子供の頃の鈍感さに、うっと息を詰まらせながら、今でも気の利かない私が、「まあ、言ってたけどさあ」と返すと、「でも一緒に暮らしてたからな」と言った。「一緒に暮らしてれば情も湧くだろう」と、祖父は言った。

私と写っている写真の祖父は、いつでも見たことがない笑顔で笑っている。カメラのほうを向くように後ろから抱きかかえられている私に、祖父の笑顔は見えていない。

**

半ば眠りながらゲレンデで片脚を上げると、祖父が、コン、コン、とスキーストックで私の足の裏を叩く。薄目を開くと、ブーツの底から雪が、パッ、パッ、と落ちるのが見えた。もたもたとブーツをスキー板にはめていると、祖父は手慣れた様子で手を使わずにブーツの底についた雪を落とし、板を履いていた。

生きているほうのおじいちゃんに会いに来た。一生のうちに、あと何日を一緒に過ごせるのか、わからなくなったから。いつでも、どこでも書ける原稿を抱えて会いに来た。

でも、私は完全に弱り切っていた。実際に原稿はいつでもは書けず、夜が深まるにつれて筆が進み、日が昇る頃に眠りだす私を、祖父はそれから数時間後に起こした。話したいことがたくさんあるという顔で。
おかげで私は弟から、数時間置きに、「顔、疲れてるよ」と言われ、うたた寝から覚める時のぼうっとした不機嫌な時間が日に何度もあり、明るくいられない自分に嫌気がさしていた。

一足先に帰京する弟を見送って、無理やり祖父とふたりで来たスキー場は、吹き付ける雪で視界が白くぼやけていて、リフトを降りる頃には雪だるまになっていた。何を話すべきか、何を聞きたいのか、聞いてほしいのか、わからないまま、白い視界を滑り降りた。
そのままもう一度リフトに乗る。眠たいからだが重たくて、指先だけが冷たかった。
「じいちゃんはね、手袋の中で指を外して手を握ってる」
と教えてくれたので、頷いてその通りにした。祖父は私と話す時、一人称がじいちゃんになる。少しずつ手が温かくなる。

坂の途中には若い子達がスノーボードと一緒に点点と座り込んでいて、障害物みたいになっていた。3回目のリフトで祖父は、スキーの大会に出る時の話をしてくれた。ポールをよけながらタイムを競うのだそうだ。さっきの若い子達みたいに配置されたポールを。
「滑っている時は余計なこと考えなくて良いから、スキーはいいだろう」
と、祖父は言う。私はさっきからずっと、何を話すべきか考えていたのだけれど。

またリフトに並んで座る。楽しいか聞いてくる祖父に、「うん、楽しいよ」と答える。「おじいちゃんは?」と聞きながらリフトを降りて、ストックで思い切り地面を押したら、突然太陽が顔を出した。日に照らされた遠くの山や、緑に挟まれた町や、ゲレンデの坂の下まではっきりとすべてが見える。

「あそこがうちだぞ」
と、祖父はストックで遠くのほうを指した。

**

スキー場に向かう車の中から、海鮮丼が一番おいしいと祖父が言っていたのに、急にカレーが食べたくなって、私はカレーを注文した。早くも同じものを食べるべきだったと後悔しながら。

すっかり晴れてしまったゲレンデを見ながら、「うちの孫はいい孫だあ」と祖父は海鮮丼を食べている。
「そうなんだよ、いい孫なんだよねえ」と真顔でふざける私に、「一緒に暮らしてないから良く見えるのか?」と祖父は笑う。

どうなんだろうね。

一緒にいること、いないこと、どちらが素敵なんだろうね。

文=姫乃たま


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姫乃たま(ひめの たま)
地下アイドル/ライター
1993年2月12日、下北沢生まれ、エロ本育ち。アイドルファンよりも、生きるのが苦手な人へ向けて活動している、地下アイドル界の隙間産業。16才よりフリーランスで地下アイドル活動を始め、ライブイベントへの出演を軸足に置きながら、文筆業も営む。そのほか司会、DJとしても活動。フルアルバムに『僕とジョルジュ』があり、著書に『潜行~地下アイドルの人に言えない生活』(サイゾー社)がある。
ウェブサイト ■http://himeeeno.wix.com/tama
Twitter ●https://twitter.com/Himeeeno

白根ゆたんぽ 1968年埼玉県生まれ。イラストレーター雑誌や広告、webコンテンツなどにイラストを提供しているほか自身のZINEのシリーズ「BLUE-ZINE」や個展の図録「YUROOM GIRLS SHOW」などの制作、販売も行っている。最近の仕事に「ノベライズ・テレビジョン」(河出書房新社)装幀、「セックスペディア」(文藝春秋)カバーイラストなど。
http://yuroom.jp/
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17.05.13更新 | WEBスナイパー  >  とりあたまちゃん
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