Goldman presents The Rock'n Roll Ero-Manga
鬼才AV監督・ゴールドマンがお勧めのエロ漫画を熱く語る!
淫語インストラクターにして官能小説家、そしてベテランAV監督であるゴールドマン氏が「ズリネタ」として唯一活用しているモノ、それは「エロ漫画」だった! プロのエロ事師は何故、「エロ漫画」でなければヌケないのか、「エロ漫画」にしかない魅力とは、一体何なのか。ゴールドマン氏が実際にズリネタとして使用している大好物な作品たちについて、編集部がインタビューを敢行。好評につき続投中です!!ゴールドマン(以下「ゴ」) 今回は『えあエッチ!』、サブスカ先生ですね。
編 版元はティーアイネット、これはコミックMUJINの系列ですか。
ゴ そう。カラミのハードさで定評のあるコミックMUJINさん。
編 サブスカさんはこれが3冊目の単行本とのことです。
ゴ そんなに多く描いてはいないけど、独特なタッチというか......何っぽいっていうんだろうね。劇画タッチでもないんだけど。
編 劇画のテイストが残ってるような画風。
ゴ イマドキに寄せようとしてるようにも思えるね。
編 確かに。タッチからすると......。
ゴ ちょっと80年代っぽいよね。
編 中の線画はそんなふうに見えますが、表紙とか、塗りが入るとそんな印象も結構薄れますね。
ゴ そうだね。
編 そんなサブスカ先生の『えあエッチ!』、これは連載の時から読んでいらしたんですか?
ゴ 立ち読みができる本屋でたまたま見かけた。立ち読みでしっかり読んじゃうと買わないので(笑)、パラパラと捲ってる時にね、まず着衣率が高かったのとマン毛がちゃんと描かれてた。
編 なるほど。描写のディティールから目をつけたと。
ゴ うん。作家さんとしてのサブスカさんはノーチェックだったんだけどね。発見しました。
編 実際に読まれていかがでしたか。
ゴ 内容は透明人間もの。漫画では昔からそういう超能力を授かったり、薬を飲んだりってよくある題材なんだけど現代的な感じがしたね。やっぱりこの主人公、存在感がない俺。名前は......書いてないのか......。
編 名前も書いてない(笑)。
ゴ 存在感がクラスで全然ない、ゲゲゲの鬼太郎的な髪型のこの主人公がね、あまりにも存在感が薄すぎて、周りの人から見えなくなってしまうという、現代の孤独......病根を題材にしてる。
編 実は彼が透明になっているわけではなく、彼の存在を周りの人が認識できないという仕組みなんですよね。これは『ドラえもん』の秘密道具でいうところの「石ころ帽子」で、昔からあるようなギミック。透明人間の題材は本当に昔からたくさんありますよね。
ゴ 透明人間になっていたずらする願望は、特にエッチなことしてみたいよね。AVでも「ROCKET」とかが作ってる。
編 透明になった僕がうんちゃらみたいな。
ゴ うん。
編 そしてこの作品の主人公も、ひょんなことから自分が周りから無視されているような、見えていないのではないかという擬似透明感を実感するところから話が始まります。というところで、物語を追っていきましょう。
■誰もが夢見る透明人間プレイは露出要素もアリ
ゴ 何かきっかけがあるわけじゃないんだけど、気が付いたらクラスの女子が着替えている中で、自分一人だけ男子が取り残されていて、見えなくなってる。
編 そのことに気が付いて、徐々に彼のいたずらが......。
ゴ 授業中、教科書を読まされてる女の子の胸を揉んだり、お尻の匂いを嗅いだり。これはやってみたいよね。
編 挙句の果てには学校中を全裸で。
ゴ ここは前回の『フタロマ』に通じるものがあるね。
編 見えてないから露出みたいな、ちょっと子供っぽい感じ。
ゴ 大好きだね。あとお弁当の時にね、女子がなぜかやっぱりフランクフルトを食べてるところに、同じ角度でチンポコをしごいて発射する。非常に漫画的。
編 このカットはかなりインパクトがありますよね。
ゴ 立ち読みしたとき、このカットを見て千円出そうと決意したんだよね。
編 (笑)。またこのチンコがデカい!
ゴ ソーセージっぽいけどデカい。
編 そして彼のチンポのデカさが活かされるエピソードもこの後に用意されてはいるんですが、やはり地味なんだけどデカいチンコっていう主人公が......。
ゴ そうなんだよ。存在自体は誰からも認識されないけど、チンコの存在感だけは凄いっていうね。そこは作者の願望なのかもしれない(笑)。
編 「欲望インビジブル」という作品がこの透明シリーズで全4話、前半は主人公が好き放題にやります。なかでもクラスで一番可愛い宮村さんが......。
ゴ クラスで一番可愛い子に、クラスで一番存在感のない子がアプローチしていく。急に生理になっちゃって、友達からナプキンを借りたと思ったら、実はタンポンだった。タンポンを使ったことがない宮村さんが、うまく入らないと悩んでるところに、タンポンの代わりに自分の指をマンコに入れてしまう。
編 そして「タンポンて あったかいんだあ...」。
ゴ (笑)。こういうの好きなんだよね。
編 素晴らしく漫画らしいセリフですよ。
ゴ 漫画じゃないとありえない。
編 というファンタジーなんですが、そのまま指をズボズボ動かしていると、彼女の性感が、だんだん高まってしまいます。
ゴ ヌルヌルになってきて。
編 「アソコが... ヘンだよおっ...」というようなセリフもあり。そして「タンポ...ンって...動くの...!?」。動きません(笑)。などと言ってる間にペニスを挿入してしまいます。
ゴ 「ズブブッ」「ヌルルルゥッ」とね、大きいタンポン、肉棒のタンポンが、ほとんど愛撫もなくブチ込まれて、いきなり中出し。
編 はい。もう入れた瞬間すぐイッちゃうんですね。なぜかというと主人公も童貞で、「みんなの憧れ 宮村さんで 童貞捨てられるなんて」。
ゴ 宮村さん本人もセックスされてるとは思わないので、中出しされて精液がポタポタ垂れてるのを「わたし...漏らした...の...!?」。
編 (笑)。「何かたれてきた...」。
ゴ そして中出ししたにも拘わらず、まだズブズブとセックスし続けるのが卑屈な感じでいいよね。
編 「ナカに射精したおかげで滑りが良くなったぞ」。
ゴ 非常に身勝手。
編 はい。で、第二ラウンドが始まるんですが、そうすると宮村さんのほうもさらに性感が高まってきちゃいます。
ゴ ここはエロ漫画的だね。ゾクゾクゾク~っていう。
編 「恋人みたいな生ハメセックスしてるなんて」「こんな密室で2人きり...」とあるんですが、ここでお友達がやってくる。
ゴ これはもう露出プレイだね。
編 なかなかトイレから帰ってこない宮村さんを心配して友達がやってきます。すると宮村さんは主人公とハメてる最中で、しかもトイレの個室から出てしまってる。
ゴ 女子に囲まれながら、バックで挿入したまま「ズチュッ ズチュッ ズチュッ ズチュッ」。もちろん主人公は見えてない。
編 宮村さんがなぜか一人でトイレで四つん這いで悶えている状況が、衆人環視で見られてしまいます。
ゴ 羞恥だね。
編 透明プレイが宮村さんの衆人環視露出プレイにかわり、中出しでイッてしまいます。
ゴ ドピューッ。
編 ここは見所の一つですね。
ゴ そうだね、凄くヘンテコリンな......漫画でなければ描けない、やはりエロ漫画ならではのダイナミズムがある。
編 丁寧な構成でページ数も割かれてますね。第一話は宮村さんの絡みだけをじっくり描いた印象です。
ゴ この辺がサービス精神だね。そして「すっ...ごく...きもちよかったんでひゅ...♡♡」。クラスで一番存在感の薄い僕でも、一番可愛い子を気持ちよくできたっていう満足感がある。
編 宮村さんの身体が、凄く豊満に描かれてます。
ゴ そこがまあ、ちょっとイマドキ感がないのかなって思うんだけど、逆にぬくもりというか、好きになっちゃう感じだよ。
編 ゴールドマンさん好みの。
ゴ そう。優しくされたいタイプだから。
■引き込まれるストーリーとエロ漫画的表現
編 第二話では主人公が調子にのります。
ゴ はい(笑)。
編 何をやるかというと頭にチンコのっけてちょんまげとか、非常にエロ漫画的な。
ゴ 小学生レベルのね、エッチな悪戯をして。やたら裸になって女子に絡んだり。
編 そんななかでちょっと伏線的に、主人公が作った短歌が評価されて、先生からお前表彰されるからみたいなアナウンスが。するとその時に彼の姿が周りから見えるようになるんですね。
ゴ 存在感を感じさせられれば見えると。
編 前回の『フタロマ』の時に、物語の世界観として自然にフタナリを認知しているみたいな話がありましたけど、これも同様に透明になっている仕組を説明的なセリフではなく、こういう形で分からせてくれるのは上手いなぁと思いました。
ゴ そうだね。
編 一からクドクド説明しなくて、イベント一つで「お、見えちゃった」みたいなのが分かるという。
ゴ やっぱり見える可能性というのがなくなったら、面白くなくなるからね。そしてまた見えなくなったらイタズラしちゃう。
編 そのイタズラが、校舎裏でイケメン人気男子とその彼女が絡んでる最中、NTR的に割って入るという展開です。
ゴ 透明人間のくせに頑張って3P。イケメンのこのモテ男子が祖チンでね、存在感のなさすぎるこの男のチンポが凄くて、セックス中にチンコを咥えさせたり、ハメたり、クンニしたりで女をメロメロにしちゃう。
編 この場面で寝取りっぽい印象を受けるのは、イケメン男子のほうは自分勝手なセックスをしてるんですよね。あくまで自分のさせたいことを女の子にさせて、舐めさせて、勃起したら突っ込む。それと比較して、クンニをする主人公。
ゴ ヒエラルキーというかね、モテないがゆえにクンニのスキルがある、まあ理想の男子というか(笑)。これはなかなかいいよね、卑屈さがこういうことをさせてしまう。
編 そして彼氏の目の前で、見えないチンコの虜になっていく描写があります。
ゴ 彼のチンコと透明なチンコとを交互に味わって、圧倒的にね、イケメンの彼氏に勝ってしまう。
編 この彼女、透明チンコにイカされて寝取られて、彼氏の前で非常にいいイキ顔を見せてしまいます。
ゴ 下克上だね。
編 二人は結局別れてしまったという描写がこの後あります。そんなところで第三話、主人公のイタズラがさらに続くんですが、このピラミッドがちょっと笑えました。
ゴ 組体操で、体育館でピラミッドをやって、ハメたり、ブルマをズラしてマンコをいじったり舐めたり、もうやりたい放題。たぶんクンニ好きなんですよ、サブスカさん。
編 なるほど。
ゴ クンニとか、指を突っ込む描写だけが延々続くってあんまりないじゃない。
編 確かに。
ゴ 作者の嗜好がわかって非常にいいよね。
編 これは読んでて気づいたんですが、ピラミッドをしてる女子を裏側から見るとお尻がならんでるんですね。
ゴ これは猥褻だね。
編 そこで「チンポ挿入れてクンニして両手で手マンして... うお~~っ 手が足りん!!」「オレ フル稼働!!」っていうこのカットが本当にバカバカしくて、素晴らしくエロ漫画で最高です。
ゴ うん。やっぱり漫画は漫画らしいほうがいいよね。ホントにブルママニアの筋の人から見たら夢の世界だよ。僕はブルマ好きじゃないから別にいいけど......(笑)。それとこのチンコがこんなにでかくて、ピラミッド全体に精子がかかってるみたいな、そんなわけねぇじゃんっていうさ。
編 夢のあるカットですね。
ゴ 素晴らしいよね。カレンダーにして貼っておきたい。
編 (笑)。それくらい素晴らしいカットですよ。そしてピラミッドが崩れてしまい、みんなが怪我をしてないか気にするなか、誰も心配してくれない自分に孤独を感じて涙する主人公。ですが、そこに彼のことが見えてる女の子が現われます。
ゴ 絆創膏を差し出すメガネっ子と初めて出会う。
編 エロ漫画ながら、ちゃんと先が読みたくなるストーリー展開ですね。
ゴ うん。今まではハチャメチャでくだらない漫画だったんだけど、ここからムードが変わるね。
■認識されない二人のセックスの先にあるもの
編 そしていよいよ最終話なんですが、今まで誰にも見られず好き勝手やってると思ってたら「全部...見てたよ」という、先ほどの彼女は一部始終を見ていたことが明らかに。
ゴ この「見えてた」っていうのも不思議だけどね。まあ漫画ですから。
編 はい。そしてこの印象的なセリフがカバーにも吹き出しで描かれています。
ゴ こういうことだったのか!と。
編 この全部見てたというところが、この物語の肝かなっていうふうに思うんですが、彼は誰にも見えないのをいいことに、自分の性癖やあらゆる部分をさらけ出してたわけじゃないですか。彼女はそれを全部見てた。ということは、それを許容した上で彼に近づいていっている。
ゴ こんな自分でも受け入れてくれるという安心感ね。
編 母性の塊のような。
ゴ そういう存在を求めてたってことなんだろうね。
編 そのファンタジーが非常に美しいですよね。しかし実は彼女も......。
ゴ 結局同類だったと。
編 彼女も周りの人から何をしても認識されない人だった。男子の前で自らスカートをめくるというシーンがあるんですが。
ゴ うん(笑)。パンツを丸見えにした瞬間に、男子がバーッと体育館に入ってくるという。バカバカしいカットでいいよね。
編 私も見えてないのよと彼に説明します。
ゴ 顔はそこそこ可愛いんだけど、なんかちょっとドン臭そうな感じ。
編 その辺のドン臭い感じはよく絵に表われてますね。
ゴ これは目立たない。
編 彼女を評して、帯では「地味で巨乳なクラスメイト!!」と書かれています。そんな見えない同士の二人がつるんで、見えない同士の孤独を分け合いつつ、ちょっと本音を伝え合ったりする。
ゴ 「正直...見ててちょっとキモチ良かったよ」と。ひどいことはしてたんだけど、やっぱりやりたいことをやってる彼が、私もうらやましいと思っていた。
編 という、思春期っぽい青春描写があったり。
ゴ 恋の始まりを予感させるね。
編 「『俺はここにいる』って主張してるみたいに見えて...」「ちょっとうらやましかったよ」。でも彼は誰にも見えないと思ってたからこそいろいろやったわけで、もう君に見えてるんだったらやれないよみたいなことを言うんですが......ここで彼女のほうから提案が。
ゴ 「もう一回だけ...いたずら...しない?」と。やっぱり女子のほうがこういうときはしっかりしてる。
編 (笑)。
ゴ それで主人公がリードされて。
編 見えない二人が、教室の中で、今度は二人一緒にイタズラに挑むわけなんですが、このシーンが美しいと思いました。
ゴ それもね、彼のほうだけ全裸にさせられてね(笑)。なんだかんだ言って女の尻に敷かれてしまう男って感じがする。
編 今まで見られてなかったから全裸だったくせに、一人に見えてるとわかっただけでこの恥ずかしがりよう。萌えますね(笑)。
ゴ (笑)。
編 そして誰にも見えない世界で性的なイタズラをしていた彼に、彼女と二人でやることで変化が現われます。
ゴ 「ヤバイ...!?」って。
編 「こっ...こんなこと...っ 今まで...オレがしてきたこととは 全然...ちがうッ...!!」と。彼女が自分のことを見ているということに気が付くわけなんですね。
ゴ 彼女もね、見つめながらチンコをしゃぶったりと、なんだかんだ大胆だね。
編 はい。そして、これまで散々やってきた彼に新たなトキメキを与えて、フェラチオだけでは終わらずに......。
ゴ もっとみんなに「『オレたちはここにいる』って」「見せつけてやろうぜ」と。この「見せつけてやろうぜ」っていうのがどういう心理なのかよくわからないけど(笑)。今までの、たまりにたまったものを......。
編 思春期特有の想いでしょうか。
ゴ そして教室で、二人で全裸で向かい合って。
編 これが見開きで描かれています。
ゴ そうなんだよ(笑)。
編 素晴らしいカットです。
ゴ すでに激しく勃起しているのがカッコいい。
編 この印象的な見開きがあって、二人のセックスに進んでいきます。
ゴ 見せつけてやるぞって(笑)。彼女もそんなにセックスの経験があるわけじゃないだろうけど。
編 初々しいセックスをみんなの前で。
ゴ もう授業が始まって、教壇の上でオマンコを「くぱぁ」。完全な露出マニアのカップル。
編 彼女は初々しいと言いつつも、非常に濡れ濡れ。
ゴ ヌルヌルグチョグチョ。
編 地味巨乳さんだからかどうか、陰毛がしっかり描かれてます。
ゴ ここがやっぱり猥褻感。教壇にマン毛。
編 間違っても手入れはしてない感じ。
ゴ うん。手入れしてたらちょっと......。
編 地味巨乳失格だろうと。そして教壇の上でセックス。相変わらず彼は「見せつけてやろう」。
ゴ (笑)。自己顕示欲が激しいね。そして合体してると先生が「みんなよく見えるように黒板前に集まってくれ」。
編 漫画っぽい。
ゴ 見えないといってもホントにクラスメイトに囲まれて。その中で合体してる。
編 彼女が彼に聞く「みんなっ...見てるけど...見えてないっ...私たちっ...見えてないんだねっ...」っていうセリフもまた。
ゴ キュンとするよね。
編 そしてここで、ちょっと感動的な、でもキミが私を見てる、私もキミを見てるよというセリフがきます。
ゴ 繰り返しね。「見てるっ...オレたちっ...」
編 「お互いっ...を...」
ゴ そして中出し(笑)。
編 愛なのか何なのかわかりませんが、お互いがお互いを認識しているということを確認し合うセックス。
ゴ そうだね。クラスの中でも自分たちが確かな存在感を放った瞬間なんじゃないかな。
編 そして時間がちょっと経って放課後になり、いい笑顔で一緒に帰る二人が、他の生徒たちに目撃されて、きちんと認識されているという。
ゴ 「あの2人つき合ってんの?」「いい雰囲気だな」と。
編 「思わず見ちゃうくらいいい笑顔してんなあ」です。
ゴ 凄いハッピーエンドだね。
編 非常に美しい物語ですよね。
ゴ うん。
■我々の孤独を癒すエロ漫画
編 というわけでこの「欲望インビジブル」のストーリーを追って紹介してきたんですが、このお話でゴールドマンさんが引っかかった最大のポイントはどこにあるんですか。
ゴ 最大のポイントは、フランクフルトを食べてるとこ(笑)。
編 (笑)。
ゴ まあでも、最後は凄く気持ちのいい、爽やかな結末だったんだけど、それに引き換えピラミッドといい、余りにもバカバカしいものが混在してるところが非常に新しいなと。
編 漫画らしいですよね。
ゴ うん。それなりにエンターテインメントしてくれて、それなりにヌキどころも作ってくれてるんだけど、やっぱり最終的にはね。
編 読後感が素晴らしいですもんね。
ゴ そこは......逆の人が結構多いじゃない。
編 いっぱいいますよね(笑)。
ゴ イヤぁな感じで終わるの。
編 昭和の凌辱劇はそればっかりですから。
ゴ 救いのないやつね。まあそれがいいんだけど、でもサブスカさんのこの良心というか、やっぱりクンニ好き、オマンコ舐めたいんだろうなっていう、そこら辺ね。あとは、今はこじらせ女子みたいなのが流行ってるけど、自分を認めて欲しい、自分だけ見て欲しいみたいな人たちが男女を問わず多いじゃない。そこら辺を満たしてくれる要素があってプラスエッチというのが、みんなの憧れなんじゃないかな。
編 前回取り上げた『フタロマ』はフタナリでしたけど露出ものでもあって、露出と透明人間ものって共通するところがある気がします。
ゴ そうだね。そういう意味ではひとりよがり(笑)。だから孤独だっていうことじゃないかな。
編 現代人にはびこる孤独。
ゴ たとえば家族が愛情たっぷりで、いつもコミュニケーションが取れてたり、友達がいっぱいいて近所に声かけてくれる人がいたら、こんなことは起こり得ないわけで。
編 なるほど。日常生活でちゃんと満たされているならば。
ゴ 僕もね、特にエロ仕事やってると、女の子はそういう人間的なつながりが強固な人って、あんまり出てこないと思うんだよ、エッチな世界にはさ。
編 AV業界に。
ゴ うん。だってバレるし。そうするとそういうものから断絶せざるを得ないじゃん。
編 確かに。
ゴ すると薄い関係で嘘ばっかりついてるような女とか(笑)、あと人間関係が破綻してもなんとも思わないような人ね。これは極端な話だけど、そういう人が主流なわけ。
編 ある意味仕方なく。
ゴ うん。だから本当にある意味では、心の闇を抱えてるというか、それすら認識してない人。自分もそうだと思うけど(笑)、やっぱり孤独癖というかさ。
編 なるほど。そういった孤独の感情みたいなものに理解のあるゴールドマンさんには、非常に届くところがあった作品であると。
ゴ そうだね。こんなふうにエロ漫画を一生懸命研究してること自体が孤独さの象徴だから(笑)。
編 (笑)。
ゴ 普通に幸せな人には『サザエさん』とかね、もうちょっと普通の『まんがタイム』とか読んでもらえばいいんじゃないですか。そういう意味でこのサブスカ先生の漫画はね、救いの手を差し伸べてくれてる。
編 孤独な我々に、ファンタジーでありながら夢を見せてくれている。
ゴ そう。表紙にある「全部...見てたよ」って、僕に、我々一人一人に当てたメッセージ、愛なんじゃないかと。
編 素晴らしい。
ゴ 痛い要素があんまりない漫画だね。このエロ漫画レビューも長いことやってるけど、初期の頃は痛いのとか救いのないものが多かった。でも最近は年もとったんで、優しい、愛のあるエロ漫画を使っていこうかなと思ってます。
編 という、2015年のゴールドマンのさんの心にひと筋の希望が......。
ゴ ひと筋かよ(笑)。ありがたいね。
編 「全部...見てたよ」という希望のセリフを言ってくれるナイスヒロインも出てくる、サブスカ先生の『えあえっち』でした。
ゴ おすすめです。
(続く)
『えあエッチ!』(ティーアイネット)
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