「ニッポンの年中行事」 - 四月馬鹿息子

Inbekawori photo series,"An annual event of Nippon".

写真シリーズ「ニッポンの年中行事」

四月馬鹿息子

インベカヲリ★が日本の習わしやしきたりを撮り下ろす写真作品シリーズ。年中行事に合わせてお届けします。

エイプリルフール　毎年4月1日の午前0時から午後12時までの午前中は、嘘をついてもよいといわれている風習。日本語では「四月馬鹿」と呼ぶ。
“楽しい嘘”“害のない嘘”をつくことが暗黙のルールであり、人の心を踏みにじるような悪意ある嘘はマナー違反である。
世界中で盛んに行なわれているものの、その起源は諸説あり、真実は不明。
代表的な説のひとつとして、「嘘の新年」がある。1564年、フランス国王シャルル9世によってグレゴリオ暦が採用され1月1日が新年となったが、これに反発した国民が4月1日を「嘘の新年」として馬鹿騒ぎを始めたのである。怒ったシャルル9世は、嘘の新年を祝った人々を処刑してしまい、これにショックを受けた国民が、事件を忘れないために始めたものとされる。しかし信憑性は薄いとの見方が強い。

なお、エイプリルフールが伝来される前の日本では、4月1日は「不義理の日」と呼ばれ、ご無沙汰している人に手紙を書いたり、挨拶するなどして、日ごろの不義理を詫びる日であった。
引きこもりやニートなど、親不孝が増殖するこの時代には、エイプリルフールより、不義理を詫びるほうに重点を置いたほうがいいとも言えるだろう。
また、正しく4月1日を過ごすためには、嘘をつくことと、不義理を詫びることを同時にやってのけなければならず、難易度はかなり高い。いっそ“不義理を詫びる嘘”が一石二鳥といえるだろう。

写真・文＝インベカヲリ★

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