「ニッポンの年中行事」 - 罪と輪

Inbekawori photo series,"An annual event of Nippon".

写真シリーズ「ニッポンの年中行事」

罪と輪

インベカヲリ★が日本の習わしやしきたりを撮り下ろす写真作品シリーズ。年中行事に合わせてお届けします。

夏越の祓え　年2回、6月と12月に行なわれる除災行事で、6月30日が「夏越の祓」、12月31日が「年越しの祓」と呼ばれる。
日々の暮らしの中で、知らず知らずに犯した罪や、それにより身に着けた穢れは、病気や災いの元になると言われ、「夏越の祓」では、半年分の罪や穢れを除き去り、夏以降の厄病除けを祈願する。
多くの神社で行なわれる代表的な行事に、「茅の輪潜り（ちのわくぐり）」がある。神社の鳥居の下や本殿前に設置された、茅草で作られた輪の中を、「水無月の夏越の祓いをする人は、千歳の命のぶというなり」と唱えながら、左まわり、右まわり、左まわりと八の字に3回潜ると、身が清められると言われている。
また、神社によっては、身代わりの紙人形に姓名と年齢を書き、穢れを移してお祓いする行事や、京都では厄除けとして、和菓子の「水無月」を食べる風習もある。

年々、厳しさを増す日本の猛暑。本格的な夏を迎える前に、「夏越の祓」で身を清め、気持ちを新たにしておくことが大切と言えるだろう。
また、犯した罪や穢れを取り除くと言っても、あくまで生きていて自然に犯してしまうレベルの罪であり、傷害や殺人などの大罪を犯してしまった場合には、「茅の輪潜り」より先に警察へ出頭したほうがいいだろう。

写真・文＝インベカヲリ★

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