Inbekawori photo series,"An annual event of Nippon".
写真シリーズ「ニッポンの年中行事」
プレゼントに棘はない
インベカヲリ★が日本の習わしやしきたりを撮り下ろす写真作品シリーズ。年中行事に合わせてお届けします。
1909年、アメリカ・ワシントン州に住む女性ソノラ・スマート・ドッドが、男手ひとつで育ててくれた亡き父に感謝し、「母の日があるなら、父の日も作るべき」と、牧師協会へ提唱したことから始まった。
彼女が父親の墓前に白いバラを供えたことから、父を亡くした人は白いバラを、健在の人は赤いバラを贈ることが慣わしとされる。
しかし、母の日のカーネーションに比べると、父の日のバラは定着していない。そもそもバラの花束といえば、愛を囁く男の専売特許であり、逆に娘が大の男へバラを贈る姿は、滑稽とも言えるだろう。
少なくとも、父の日に向けたバラを販売している花屋はほとんど存在しない。
むしろお酒や食べ物など、父親が欲しがりそうなプレゼントを贈るのが一般的だ。
とはいえ、日頃から父親が飲んだくれて困っている場合、酒と一緒にバラをプレゼントしたほうが、泥酔姿もこの日ばかりは見栄えがよくなり、爽やかな気持ちで見守ることができるだろう。
プレゼントは何でもそうだが、相手にふさわしいものを選ぶセンスが必要である。
写真・文=インベカヲリ★
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インベカヲリ★ 東京生まれ。2006年よりフリーランスとして活動を始める。写真、文筆などで活動中。著書に「取り扱い注意な女たち」。2009年、ニコンサロンjuna21三木淳奨励賞を受賞。ホームページでは写真作品を随時アップしている。
インベカヲリ★ http://www.inbekawori.com/
11.06.19更新 |
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