「ニッポンの年中行事」 - さぁ逃げろ！

Inbekawori photo series,"An annual event of Nippon".

写真シリーズ「ニッポンの年中行事」

さぁ逃げろ！

インベカヲリ★が日本の習わしやしきたりを撮り下ろす写真作品シリーズ。年中行事に合わせてお届けします。

放生会　　捕獲した魚や、鳥、動物などの生き物を自然界に放ち、殺生を戒める仏教行事。収穫祭や感謝祭の意味合いも込められ、春または秋に全国の寺院や八幡宮で催される。
命の尊さ、慈悲、感謝の気持ちを表し、また生き物を救済することで功徳が積まれ、これを繰り返すことで、より平穏な日々への道しるべになると言われている。

仏教儀式としての放生会は、中国の天台山で修行をしていた天台大師智\xFB\xF4禅師が、漁民の必要以上に魚を捕り、雑魚を捨てている姿に心を痛め、放生池を用意して魚を池に放させたところ、人々が平和に暮らせるようになったという話が始まりとされる。
また、『金光明経』巻四流水長者子品には、釈迦の前世とされる流水長者が、大きな池で水が涸れ、死にかけた無数の魚を助けて説法の末に放生したところ、魚たちは三十三天に転生し、流水長者に感謝報恩したという本生譚が説かれている。

日本では、養老4年に大分県の宇佐八幡宮で行なわれた放生会が最初であると言われており、京都の石清水八幡宮や、福岡の筥崎宮で行なわれる放生会も、三勅祭、博多三大祭として有名である。

外食産業が進み、知らず知らずに食べ物を無駄にしてしまうことが多くなった現代。放生会は、まさに私たちに必要で相応しい行事といっていいだろう。
また、いくら生き物だからといって、飼い慣らされたペットを放生することは「動物の愛護及び管理に関する法律」に引っかかり、30万円以下の罰金に処されるので注意しよう。

写真・文＝インベカヲリ★

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