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「あずまんが」が還ってくる!?
“あずまんが”ってご存知ですか?

文=ばるぼら

どうも最近「あずまんが」という文字列をよく見かける。しかもなにやら復活したらしい。もしかしてあの「あずまんが」だろうか。それはめでたい。遅ればせながらワタシも「あずまんが」について何か書こうと思う。
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ひとまず手元にある「あずまんが」の画像をアップしておきたい。

『あず』3号/(1976年7月1日発行)
うーむ懐かしい。表紙の絵は「ドリ−ム仮面」と「月光仮面」の二重パロディか。

『あず』3号 裏表紙/同上
もちろん裏には発行元の「アズ漫画研究会」の名前が書いてある。

アズ漫画研究会は1966年10月に発足した、元コミケ代表の故・米澤嘉博が在籍したことで知られる北九州の漫研である。2006年に40周年記念の展示が行われたのは記憶に新しい。もとは肉筆同人誌(印刷されていない、直接描いたものを皆で回覧する)だったが、1975年に製本・印刷された正式な雑誌形式になって創刊された。この3号には米澤が「風につかまえられて」という短編を「よねざわよしひろ」名義で寄稿している。独特のファンタジー感覚はますむらひろしとの近似性があるが、活動が同時期であるので、誰か別のイメージの源流があるのだろうか。

『米澤嘉博に花束を(Flowers for Yoneyan)』
(2007年8月初版、同年12月2版)
「風につかまえられて」は、米澤の死後に刊行されたメモリアル本『米澤嘉博に花束を(Flowers for Yoneyan)』(2007年8月初版、同年12月2版)に再録されている。現在もコミックマーケットなどの同人誌即売会などで入手可能なので、興味のある方は購入していただきたい。

この『米澤嘉博に花束を』の書名はもちろんダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』からきているのだが、むしろ米澤が阿島俊名義で編纂した『吾妻ひでおに花束を(Flowers for Azumasan)』(1979年12月)の再パロディといえる。

『吾妻ひでおに花束を(Flowers for Azumasan)』
(1979年12月)
『米澤嘉博に花束を』も『吾妻ひでおに花束を』も、発行は虎馬書房という自主制作サークルによるもの。この虎馬書房は1980年当時『はあど・しゅ〜る新聞』というペーパーを発行していたが、これの2号に米澤が登場している。

左:『はあど・しゅ〜る新聞』創刊号(1980年3月15日発行)
右:『はあど・しゅ〜る新聞』2号より(1980年5月1日発行)


米澤はこの時、『劇画アリス』二代目編集長の相田洋、吾妻ひでお評論家の阿島俊、『戦後少女マンガ史』の米澤嘉博と、3つの名前を使い分けて登場しており、まとめてインタビューを受けている。なかなかしらじらしく面白い。米澤は吾妻を評論するためだけに「阿島俊(あじましゅん)」というペンネームを用意するほど入れ込んでいた。

吾妻ひでおは数年前に『失踪日記』(2005年)で劇的な復活を遂げたことで比較的最近の若い層にも知られるが、米澤が『吾妻ひでおに花束を』を編集した1970年代末はまだ一部の漫画読みが注目しているカルト作家であり、『吾妻ひでおに花束を』が出たことで初めて正当な評価がなされたという。吾妻ひでおの漫画を略して「あずまんが」と言った例は聞かないが、現在の「萌え」の元祖とも言われる吾妻の漫画を、まだ読んだことのない人は後学のためにも、一度は手にとってみるべきだろう。

『ゲッサン(月刊少年サンデー)』創刊号
(2009年5月発行/小学館)
ところで2000年代の萌え漫画の金字塔とも言うべき「あずまんが大王」が、小学館が新創刊した漫画誌『ゲッサン(月刊少年サンデー)』にて、「補修編」と題し期間限定で復活しているという。これはめでたい。


文=ばるぼら

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man.gif ばるぼら ネッ トワーカー。周辺文化研究家&古雑誌収集家。著書に『教科書には載らないニッポンのイ ンターネットの歴史教科書』『ウェブアニメーション大百科』など。なんともいえないミ ニコミを制作中。

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09.05.17更新 | WEBスナイパー  >  コラム
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