Inbekawori photo series,"An annual event of Nippon".
写真シリーズ「ニッポンの年中行事」
お宅の子、健やかに育ってますか
インベカヲリ★が日本の習わしやしきたりを撮り下ろす写真作品シリーズ。年中行事に合わせてお届けします。
3歳5歳7歳とする理由は諸説あるが、中でも平安時代に宮廷や武家で行なわれていた「髪置」「袴着」「帯解」と呼ばれる年祝いの儀式に由来するという節が一般的だ。「髪置」とは3歳で髪を伸ばす許しが得られること。「袴着」とは5歳の男児が袴を着ける儀式を行なうこと。「帯解」とは7歳の女児が紐付きの帯ではなく、丸帯で大人の女性の装いが許されることである。
当時は、栄養失調や厄病により、乳幼児の生存率はきわめて低く、子供の生存を祝う節目として七五三が定着したと言われている。
女児よりも男児を早く祝うのは、後継者としての意味合いのほかに、男児の生存率の低さが挙げられる。
そのため「7歳までは神の子」と考えられており、まだ人としての生命が定まらない魂として、一定の成長が確認できるまでは人別帳にも記載されることはなかった。
さらに口減らしを行なう期間とも言われ、7歳以下の子供はいつでも神にお返しすることができるという考え方から、育てられない子供を殺める家庭も多々あったという。
当然ながら現在ではその風習は残っていないが、若者がなかなか大人にならなくなってきた昨今、もしも口減らしの風習が残っていたなら、年祝いも二十五・七・五・三ぐらいに延長し、問題児が親の手で殺められる事態も起きているかもしれない。
写真・文=インベカヲリ★
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インベカヲリ★ 東京生まれ。2006年よりフリーランスとして活動を始める。写真、文筆などで活動中。著書に「取り扱い注意な女たち」。2009年、ニコンサロンjuna21三木淳奨励賞を受賞。ホームページでは写真作品を随時アップしている。
インベカヲリ★ http://www.inbekawori.com/
11.11.15更新 |
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