Inbekawori photo series,"An annual event of Nippon".
写真シリーズ「ニッポンの年中行事」
マスクを被ればなんでもできる
インベカヲリ★が日本の習わしやしきたりを撮り下ろす写真作品シリーズ。年中行事に合わせてお届けします。 追儺（ついな） 西暦700年頃より、大晦日に宮中で行なわれていた疫鬼を追い払う行事。「鬼やらい」「儺やらい」とも呼ばれる。
中国から伝来し、節分の元になった行事と言われている。
大晦日の戌刻に「方相氏」と呼ばれる呪師と、「しんし」と呼ばれる童子20人が、「鬼やらい、鬼やらい」と叫び、宮中を駆け回る。「方相氏」は、熊の皮を被り袍（ほう）を着て、右手に矛を左手に盾を持ち、4つの金色の目を持った面をつけ、内裏の四門に鬼を追い払う。殿上人たちは、桃の弓と葦の矢を持ってそれを援護した。
鬼は厄病をもたらすものとされ、新年を清々しく迎えるために宮中では盛大に行なわれていたが、室町時代に入ると宮中行事としての追儺は衰退し、民間行事である節分へと転じた。
現在では、滋賀県にある比叡山延暦寺で大晦日の追儺式が行なわれている。
そもそも厄病を追い出すなら、2月の節分より大晦日のほうが時期として相応しい。宮中行事として衰退した今、各家庭で追儺を行なうのもモダンと言えるだろう。お面に盾と矛とくれば武者震いもするだろうが、エキサイトし過ぎて疫鬼どころか近隣住民まで逃げていかないよう注意しよう。
写真・文＝インベカヲリ★
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11.12.31更新 |
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