「ニッポンの年中行事」 - ランチ、どの山にする？

ランチ、どの山にする？

インベカヲリ★が日本の習わしやしきたりを撮り下ろす写真作品シリーズ。年中行事に合わせてお届けします。 岳のぼり　　 奈良県の二上山ふもとの村々で行なわれる農耕儀礼の行事。この日は村人が旗や提灯を持って二上山へ登り、弁当を食べて楽しむ。旧暦3月23日、現在は4月23日に行なわれている。

二上山とは奈良県葛城市と大阪府南河内郡太子町を跨る山のことで、二上山から流れる水で稲作を行なう地域を「岳の郷」と呼ぶ。「岳のぼり」はこの「岳の郷四十八ヶ村」で古くから行なわれており、別名「寿司祭り」とも呼ばれる。

山頂付近には葛木二上神社があり、かつては雨乞いが行なわれ「嶽の神様幟がお好き、幟持てこい、雨降らせ」と唱和する風習があった。しかし現在の「岳のぼり」は、二上山の美化清掃とレクリエーションを兼ねた登山に変化している。

「岳の郷」ですらこうなのだから、コンビニやスーパーで世界中の食物が手に入る都会人は、ますます稲作から遠のいている。大地あっての食物。自然のめぐみを忘れないためにも、都会人にこそ「岳のぼり」が必要ではなかろうか。

オーガニックカフェでランチを取るぐらいなら、美味しく食べれるマイフェイバリット山を持つほうがずっと地球に近づけるはずだ。
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