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第43回伊奈信男賞受賞・写真集『理想の猫じゃない』『ふあふあの隙間』出版記念
被写体の一人ひとりに話を聞き、独自の視点から「女性」を撮り続ける写真家・インベカヲリ★。最新写真集『理想の猫じゃない』『ふあふあの隙間』(共に赤々舎)の連続出版、そして第43回伊奈信男賞の受賞を記念して、三木学さんとの特別対談をお届けします!インベカヲリ★(以下「イ」) 写真の見せ方ですか、撮り方ですか。
三 表現をする上で。
イ 明日から大阪で始まる個展『ふあふあの隙間』(会期は終了しています)に関しては、野望が一個あって。見に来た人が個展会場で作品を見て笑い、また作品を見て泣くようなものにしたいと思いました。
三 なるほど。やっぱり笑いはあるんだ。
イ 感情をドッタンバッタンに掻き乱されるような状態にしたいと考えたんです。ただ結果としては、同じ人がそうなるのではなく泣く人と笑う人に分かれた印象でした。それ以外には気持ち悪いっていう人もいたし、女が怖いっていう人もいたし。傾向として男性の感想は様々に分かれてたんです。女の人の感想はわりと共通してましたけど。
三 どんな感じだったんですか。
イ 女の人は、みんな素直だなとか、頑張ってるなとか、励まされるとか、嬉しくなるとか、苦しいのは一緒なんだねみたいな。それは文章を読めない外国人でも同じでした。
三 逆に男性は。
イ 年代によっても違うんですけど、70歳、80歳以上の戦後を体験してるタイプは怒ってる人もいましたね。芳名帳にわざわざ批判的な言葉を残していったり。
三 (笑)。
イ 名前から察するに、これはお爺さんだなと思って(笑)。
三 でも共通点としてどちらもその人の強い感情を揺り動かしたというのはあるわけですね。
イ そうですね。ただ20~40代くらいの若い世代だと、「女の人も考えてること同じなんだ」とか言うんです。男女関係なく共感してるというか、誰が自分に一番近いかって視点で見てたり。なので、昔は男女差が激しかったんだろうなと思って。女はあんまり感情を剥き出しにするなと言われた世代と、男女問わず苦しい時間を生きてきた世代と。
三 それこそ第二次ベビーブームの、インベさんもその世代だと思いますが、似た感情を持つのかも知れませんね。
イ 男の人でも涙が出たという人がいて。若い世代に。
三 どこで泣くんでしょう。
イ そこまでは分からなかったですけどね。
三 『理想の猫じゃない』や『やっぱ月帰るわ、私。』でも共通してることだと思いますが、社会やコミュニティの規範、暗黙のルールに合わない、不適合、適応できない苦しさみたいなものがテーマの一つだと思うんですけど。
イ そこにテーマを置こうと思ってるんじゃなく、単に私がそこに反応してるだけかなと。一番個性が出るわけじゃないですか、ハミ出すことで。ここはムリだとなった時に、なんで自分はムリなんだろうって考えて、そこからその人にしかない発言が出てくるので。私が一番重要にしてるのは、その人じゃないと言わない言葉をピックアップしたいなと。テキストをつけたのは今回が初めてですけど、まず話を聞くという段階を経てやっていて、こんなセリフは初めて聞いたみたいなものに出会うと一番心を動かされるんですね。
三 初めの写真集には入れてないですよね。この『理想の猫じゃない』とか『ふあふあの隙間』からテキストを入れるようになったと。
イ そうですね。
三 それで見る人の反応は変わりましたか。
イ 変わりましたね。『やっぱ月帰るわ、私。』の時は、女の人にはスッと理解されても男の人には意味が分からないって言われることが多かったんですね。そういう人がいなくなりました。やっぱり文章つけると分かるんだなと思って。
三 文章をつけてよかった。
イ よかったと思います。喋るのが大事なんだなと思いました。説明しまくって言語化すればするほど良いっていう。
三 なるほど(笑)。もともとは写真を撮ろうと思って撮り始めたわけじゃないんですよね。言葉から入ってるんですよね。
イ そうですね、そういう意味では。
三 20歳くらいからなんですよね、写真撮り始めたのは。その前はどう表現してたんですか。
イ 何かこれをしようって始めることはほとんどないんです。だから学生時代はなんとなく映像撮ったりとか、物凄い量の文章を書いたり。誰に見せるわけでもなく。
三 誰にも見せない(笑)。
イ 日記とか、その時に考えたことを書いて精神安定を図るみたいな。その延長で編集プロダクションに入ったのが最初のきっかけです。編プロなので原稿をいきなり書くことになって。そこを辞めてからの写真なので、どっちかと言うと文章のほうに馴染みがあったというか、自分の特技はそっちだと思ってましたね、当時は。
三 そうして誰に習うわけでもなく写真を撮り始めて、文章はどうしたんですか。文章はとりあえず置いて写真で見せることに?
イ 文章も書いてました。最初にフリーになった時は文章の仕事からスタートしましたね。だからどっちも並行してやってたと言えばやってましたけど、文章のほうが仕事的には早かったかも知れないです。
三 それが『理想の猫じゃない』で統合されて両方表現するようになったと。
イ 言われてみればそうですね。
三 文章も面白いなと思って読んでたんですが、主語がよくわからなくなるところが結構出てきて。インベさんの言葉なのか被写体の人が話した言葉なのかが、意図的なのか無意識なのかわかりませんが、はっきりしないところがある。読めば分かるんですよ。でも一瞬混乱する。その書き方が面白いと思って。
イ 書き方は相手によって結構バラバラですね。
三 それは被写体との距離も関係してるのか、わかりませんが、写真を撮る時には結構な時間をかけて話を聞くんですよね。
イ はい。
三 どういう気持ちで聞いてるんですか。共感してるとかそういうことは?
イ 写真を撮ることに向けて聞いているので、あくまで情報をもらうという立場で聞いてます。なのでできるだけその人のことを知ろうという視点です。
三 話を聞いて「私もそういうところあるわ」とかってことではなく?
イ ではなくですね。
三 延々とその人の情報を。
イ そうです。だから否定をしないし、悩み相談にもならないし、アドバイスもしないし、ただ聞く。
三 そこがいいというか、見られるところなんだろうなと思う。いちいち自分も同じ気持ちになったり、問題を解決してあげようとか、そんなことになったら続けられないでしょうしね。相手も求めてませんよね、何か解決して欲しいとか。
イ そうですね。ただやっぱり、喋り続けてると喋りながら自分で気づくことがあるみたいです。
三 相手が。
イ はい、それが逆にカウンセリング的だって思う人もいます。
三 出すことで、ああそうだったんだと。
イ 自分がやり続けていたことにはこういう意味があったのかとか、フッと気づいたりするみたいで。
三 それこそインベさんが鏡みたいな存在なのかも知れないですね。
イ なるほど。
三 前にレビューを書いた時にも書いたことですが、今も神社に鏡がご神体として置かれているように、昔の神事も鏡を使っていたと思うんですね。同時に、鏡はその人の未来を見通したり、本性を引き出す力があると信じられていたと思うんです。写真もある種の鏡ですが、本性を引き出す力になっているし、インベさん自身も鏡みたいに人々の気持ちを反射しているので、昔で言えばシャーマンみたいな役割をしているように思います。話を聞くことで相手は勝手にわかっていくんでしょうけど、ひとつの役割を果たしているのかなと。そして、被写体の隠れていた思いが写真になって露になっています。
イ そうですね。
三 映画のワンシーンみたいにとか、そういうことではない。
イ はい。
三 相手から聞き出して、相手の隠されていた状況を表に出して何かのシチュエーションを撮ると。それはどういうところからイメージするんですか。
イ 完全に相手の話からイメージします。話しながらフッと思いつくこともあれば家に帰ってから考えることもありますけど、やっぱり相手の言葉次第ですね。
三 その日に撮ることはない?
イ ないです。
三 まずメールをもらって、会いに行って、話を聞いて。
イ そしてテーマを決めて、衣装とか場所とかを考える
三 それはひとりで?
イ はい。
三 服とかコーディネーションも、こんなの着せてみたいな?
イ 服もセットでイメージが出ることが多いので、それを自分で探すか、相手の手持ちの衣装の中から写真を送ってもらって、じゃあこれって決めることもあります。
三 だいたい一人につきどれくらいかかるんですか。まちまちですか。
イ まちまちですね。
三 そうやって一人ずつ撮るという形でやり続けてる。
イ はい。
三 方法は昔から変えてないですよね。
イ そうですね。
三 『やっぱ月帰るわ、私。』は相当古いほうですか。
イ はい、初期から10年くらい撮った中でのセレクトなので。
三 相当いっぱいある中から選んでるんですね。
イ 今だと話を聞きながらメモしていきますけど、そこをもっと感覚的にやってた頃のものが入ってます。
三 どっちがいいですかね。
イ 種類が違いますよね。こっちは初期衝動の勢いが(笑)。
三 その感じは確かにする(笑)。
「スピリチュアル・メッセージ」 / 2005年 『やっぱ月帰るわ、私。』所収
(C)2019.Kawori Inbe★ ALL Rights Reserved.
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イ 大人になって知識がついちゃうと撮れないものもあるけど、『理想の猫じゃない』は説明せよって言われたら出来ちゃうところに落としてるので。
三 『やっぱ月帰るわ、私。』でも、あとがきを見ると「怒り」みたいな言葉があって、全体的にトーンが強い。凄くエモーショナルな感じがするし、政治性とまでは言いませんが社会の理不尽さややるせなさみたいなものに対する反発も、僕が感じてるだけかも知れませんが見える。この辺りの写真と次の『理想の猫じゃない』は、だいぶトーンが変わってきてるなと。
イ そうですね。
三 自分の中で『やっぱ月帰るわ、私。』から『理想の猫じゃない』は......。
イ 『やっぱ月帰るわ、私。』から『理想の猫じゃない』は4年くらい。『理想の猫じゃない』は『やっぱ月帰るわ、私。』を出版して以降4年で撮り溜めたもので、その後の1年は『ふあふあの隙間』を撮っていたので。
三 1作目と2作目、3作目と言っていいのかわかりませんが、こう変わっていってるなというのはあるんですか。
イ どんどん被写体の個人にフォーカスしていってますね。『やっぱ月帰るわ、私。』はたぶん、半分は私なんです。相手に自分を見ている部分もある。
三 距離が相手のほうへ近づいていってる。
イ そうですね。この人の人生を見ようという。
三 もともと自分も、社会に適応していないという気持ちがあって、まあみんなしてないと思いますが、その中でもっと適応してない感じの様々な不適応の仕方を見て、これは私に近いというような気持ちはあったんですか。初めの頃の作品では。
イ そこまで意識して撮ったわけじゃなく、結果的にそうなっていたという。初期の頃は今よりも感覚で撮っていたので、どうなんでしょうね......一人の人間に振り幅があるじゃないですか、そこで自分に一番響いてくる部分をピックアップして撮るので、そこはどうしても共通性が出てくるところですかね。
三 ある種、自画像的なところもあると。
イ 振り返ってみればそう感じるってことですね。
三 私に似てるわと思うことはありますか。
イ そう言われると逆にいないんですよ。自分じゃわからないというか、いやいや私みたいなタイプはいませんね。
三 私みたいなタイプ(笑)というのはどういうタイプだと思ってますか。
イ 本当の意味で、やっぱり一番異常なのは自分なんだと思うことがあります(笑)。
三 どういうところが異常なんですか。
イ 誰といても自分はズレるというか。たとえば写真をやってる人だと大抵の人は写真が好きだったり映画が好きだったり本を読んでたりするじゃないですか。でも、私はそういう情報に触れること自体がストレスなので、極力映画とか観たくないし、旅行も行きたくないし、他人の作品に触れることがいやなんですね。観て面白いと思うこともあるけど率先して何の新作が出たとか、観にいこうって気持ちは湧かないので。テレビとか音楽も。
三 それはわかるわ。
イ ホントですか。
三 写真好きの人やアート好きの人や映画好きの人や、いろいろいると思いますが、インベさんの写真を見ていて、自分のイメージから擦り抜けちゃうと思うんですね。インベさん自身が何かの影響を受けて撮ってるわけではないから。だから得体の知れない感じをみんな受けるんだと思うんです。ある種、虚構なんだけど、演出的だけど、逆にその人からすれば真実だから。それこそ写真になってるし。それでみんなギョッとするんじゃないかなとは思う。インベさんなりの何かしらの美意識みたいなものが反映されてるんだろうけど、誰かに強く影響されてるわけじゃない気がするんですね。自分でパターンみたいなものはあるなと思いますか、撮っていて。
イ 自分のアイディアの出し方とかですか?
三 構図とか色とか。
イ それはたぶんいっぱいあります。水に入るのがやたら多いとか(笑)。あとは人物を中心に置く構図が自分の中でしっくりきちゃうので、セレクトの段階でそういうのばかり選んでますね。目線が来てるのは、最近ちょっと減ってきました。『ふあふあの隙間』でちょっと減った感じがしますね。
三 そうか、目がこっち向いてるからちょっと強いんだ。
イ 『やっぱ月帰るわ、私。』では、ほぼ全部そうですからね。
「社会の窓」 / 2008年 『やっぱ月帰るわ、私。』所収
(C)2019.Kawori Inbe★ ALL Rights Reserved.
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三 確かに。面白いなと思ったのは水に入ってるのもそうだし、なんで写真撮られてるのに隠れてんだと(笑)。ある種パラドックスというか。表に出て、隠れる?みたいな。どういうことなんだろうって。これは何か計算をしてるんですか? 隠れてる人が結構いるじゃないですか。半分狭いとこに入ってるとか。後ろを向いている人もいれば目を隠している人、顔隠している人もいる。
「実体の薄い7つの子」 / 2015年 『理想の猫じゃない』所収
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イ イメージの中でそうなっちゃうんです。
三 撮ってもらってどういう気分になるのか不思議に思えるのが結構ありますね。
イ そうですね(笑)。
三 こういう自分の状態を見せたいってことなんでしょうか。
イ どうでしょう、私のほうでも考えてしまうので。文章では、あくまで彼女たちが喋ったことを私なりのどういう視点でそこに反応したかというところを書いてますけど、写真がどうしてこのイメージになったかについては書いてないんですね。写真の説明はまた別の話になるんです。
三 そういう人たちのモチベーション、そこに自分のモチベーションも重なっているのか、抑圧しているような自分の今の状態を出していながら隠れている。それが面白いなと思いました。もう一つ、一見普通な人がいるじゃないですか。そっちが怖いなと。
イ 一見普通というのは見た目がですか。
三 見た目とか。
イ 最初の1人目とかですかね。ヴィトンの鞄を持っている。
三 この人なんて完璧に普通じゃないですか。ぜんぜんわからない。こういう人のほうが却ってもの凄く不気味に感じますね。わざわざ自分の内面というか普段抑圧しているものを撮って欲しいという、そこまで単純じゃないかも知れませんが、にも拘わらずぜんぜん分らんみたいな(笑)。結構怖いなと思う僕なんかは。
「処世術」 / 2018年 『ふあふあの隙間(3)』所収
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イ なるほど。
三 いわゆる傷がついてたりとか、そういうのは分からんでもないですが。その辺りが面白いなと思いますね。病的な感じとかいうんだったら納得......納得というか(笑)。普通だよねこれ、でも普通じゃないんでしょという感じ。普通が何かっていうのもあるけど。
イ うんうん。
三 特に印象に残ってるのってありますか。これはちょっと変わってきたなとか。
イ 時代的な変化なのか自分の変化なのか、日常生活では本当に普通に見える人が増えてきましたね。昔だとリストカットをしてる人とか、2000年代の『やっぱ月帰るわ、私。』の時とか特別な人が特別に病んでいたみたいな時代があったけど、今はみんな一律。ちょっとした鬱とか普通じゃないですか。鬱で休職したとか言われても「へえ」みたいな。
三 驚かないよね。
イ そういう感じで、普通に生活してるし普通に苦しんでるしみたいな。
三 その境界がなくなっているというのも面白いし、メディア環境の変化もありますね。スマホが出てきて撮られ慣れてきて、インスタみたいなのも普通にやってるというような。
イ 表現も気楽になりましたよね。自分の感情を表に出すのも抵抗がないというか、特別意識がなくなってきたのかも知れないですね。
三 だから逆に見えにくくなっているとも言えるし。
イ なるほど。
三 今もフイルムとデジタルを兼用してるんでよすね。
イ 最近そうなりました。『ふあふあの隙間』がデジタルで撮ってるんです。『理想の猫じゃない』は全部フイルムで撮っていて。だからだいぶ苦戦したわけです。ニコンの企画展でD850で撮ることになった。明日からの個展(会期は終了しています)がそうなんですけど、半年くらいぜんぜん上手く撮れなくて。作品提出して下さいって言われた後にやっと撮れるようになって。
三 撮りにくいのはアナログのフイルムかデジタルかで、被写体との距離感が変わるからってことですよね。
イ はい。距離感も変わるし緊張感も変わるし、間の取り方も変わるし。
三 それはフイルムのほうが相手も自分も緊張するっていうか。撮る撮られるという意識が強くなるから。
イ そうですね。
三 デジタルになるとそれがゆるくなってしまう。
イ いつ撮られてるかわからないし、撮影が始まったっていう空気にもそこまでならないですよね。
三 一番難しいと感じるのはどこですか。
イ やっぱりそこですかね。今撮るよ、この1枚って感じではないので。フイルムだと1枚撮るためにずっと止まってそのチャンスを狙ってガシャンッていくので、相手もやっぱり。
三 緊張しますよね、伝わるし。
イ そうそう。デジタルだと、とりあえず量を撮っておけばどれかはいいだろうって感覚も出てきちゃうし。相手も、今この1枚で撮られたっていう感覚がないんで。
三 それは自分にとっていいことですか。両面あるだろうけど。
イ デジタルだと暗い場所で撮れたりとか、サッと撮って逃げなきゃいけない場所で撮れたりとか。
「サイクルの速い冬眠」 / 2017年 『ふあふあの隙間(3)』所収
(C)2019.Kawori Inbe★ ALL Rights Reserved.
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三 どんなところで撮ってるの(笑)。
イ いや、人の邪魔になっちゃうようなことがあると怒られたり通報されたりするので。
三 素早く転換するにはいいと。
イ そうですね。あとは動きのあるのが撮れますね。フイルムのカメラだとピントが手動なので。
「ぬいぐるみに珈琲を飲ませる」 / 2018年 『ふあふあの隙間(1)』所収
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三 デジタルだとピントはオートで撮ってるんだ。
イ はい、オートフォーカスです。だからデジタルは本当に静止画というか止まってる感じです。
三 確かにね。
イ だから出来上がりは自分の中では違いますね。
三 『理想の猫じゃない』のほうが演劇的な。
イ より本人と距離が出来る感じ。『ふあふあの隙間』は割と生々しいけど、『理想の猫じゃない』のほうが実物との乖離があるかも知れません。感情をディフォルメしたというか、フィクション性が高く見えてるかも。
「赤い水」 / 2015年 『理想の猫じゃない』所収
(C)2019.Kawori Inbe★ ALL Rights Reserved.
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三 そういうふうに感じますね。作品ぽいと言えば作品ぽいですね。
イ 色もドロッとしてますしね。
三 僕は色の分析もしてるんで写真家の作品の色彩分析も結構したんですが、作家の個性って色で出るところもあるんですよ。たとえば海を撮る写真家はたくさんいますが、何が違うってやっぱり色が違うんです。無意識に働きかけるのは色なので。ただ、インベさんの場合は色が最も特徴的な作家さんではもちろんないのですが、印象的なのは光かなと思うんです。最も注目してるのは人物で、造形とか色彩とかじゃないから。特に色彩について意識していることはありますか。
イ 意識しているとしたら、たとえばアスファルトの上に寝るならアスファルトと同化しない服がいいとか、それくらいですね。
三 でも同化するようなタイプの写真もありますよね。敢えて。
イ それはあります。あと服装はシンプルなのを着てますね。単色で柄なし。
三 確かにそうですね。
イ 服に目を行かせないようにするというか。
三 人物に行くように。
イ そうです。変に流行りの服とか着ちゃうと、その時代性に目が行っちゃったり。
三 そういうことを意識してるんですね。一方ではたくさん質問をするわけですよね。被写体の人たちに対して。で、その様子を見てたら「どんな色が好きか」って結構聞いてるんですよ。あれはどうしてなんですか。
イ あれはですね、心理テストで。
三 心理テスト?(笑)。どういうことですか。
イ じゃあたとえば、三木さんはどういう色が好きですか。
三 な、なんかイヤだなあ。何を言えば正解なんだ。
イ (笑)。
三 黄色かな。
イ どんな黄色ですか。
三 割と明るい黄色。
イ 明るい黄色に対するイメージは?
三 あんまり悩みがないみたいな。
イ おおっ。暗い黄色だと悩みがある感じ?
三 暗い黄色と明るい黄色はだいぶイメージ違うなぁ。
イ へえ、明るい黄色は悩みがない。
三 そういうふうに見える。そもそもそんなに暗い色は好きではない。
イ 心理テストとしては、悩みがないっていうのが自分で持ってる自己イメージ。
三 悩みだらけですけどね(笑)。何色が好きですか?
イ いやいや......でもまあ、赤は好きですね。赤とかピンク。
三 よく日本とヨーロッパの景観の違いについて分析したり話したりするんですが、日本人って色彩の感覚よりも質感の感覚のほうが凄いと思うんです。配色が上手い日本人ってそんなに多くないでしょう。ビビッドな色を組み合わせてバランスをとれる人が。たとえば今、インベさんは赤い鮮やかなセーターを着てますが、僕は地味なセーターを着ています。街中を歩いている日本人はだいたい地味ですよね。ある一定の明るさから出ない。でも割とフランス人なんかは全体的にモノトーンの色調でもどこかにビビッドな色を入れる。そういうことが出来ないんですね。世間の無意識のコード、これ以上出ると叩かれるみたいな色彩のコードがあるんですよ。
イ そういうことなんですか。単純に日本人の肌の色にビビットな色が似合わないからだと思ってました。
三 肌の色もあると思いますけど、どちらかというと社会的コードだと僕は思います。あとは天候の問題があって。日本の気候ではビビッドな色は映えないんですね。
イ 日本は曇るからとか?
三 結構霞みますよね。霞むとビビッドな色が汚く見えちゃうんで。それこそ地中海性気候みたいな、強いライトが当たってるようなところで色が映えるみたいな国ではないですし。曇ってると、人間は色彩より質感を捉える感覚のほうが鋭く出来てるというか、色彩感覚って質感の中の一部なんですよ。物の硬さとか軟らかさとか、肌の柔らかさとか、肌の色とか。健康そうだったら赤みがかってるとかあるじゃないですか。そういうもののために色はあるんで、日本みたいに靄がかかってたりすると、重要な情報が得にくいわけです。色よりも質感を重視するっていう問題もありますよね。だから日本人のアーティストで色彩を上手く使える人はいないって僕は言ってるんです。(※色彩と質感の感性に関する地域差における気候・照明環境が及ぼす影響は、現在、学術的には研究途上のテーマでまだ仮説段階です)
イ へえー。
三 ファッションなんかにしてもたとえば、日本人で海外に出てって、ヨーロッパのほうで色を使って勝てる人いないと思いますよ。だから黒とか使うわけじゃないですか。コム・デ・ギャルソンとかヨージ・ヤマモトにしても。
イ なるほど。
三 建築にしても色でやる人いないでしょ。木かガラスか、コンクリートかみたいな。マテリアルのほうに行くんですよ。色彩を上手く使える日本人は稀ですね。
イ 着物とかはどうなんですか。
三 着物もそんなにビビッドな色はないです。(※少なくとも明治以前は、金箔や銀箔を除いて、かなり鮮やかさは限られていた)
イ そうか、確かに。
三 ちょっと講義みたいになってるけど(笑)。
イ 面白いです(笑)。
三 「天然の禁色」ってことを柳田國男が言っていて、要は昔は天然染料しか日本では作られないわけです。鮮やかな彩度には限界があるわけですよね。これ以上は出せない限界があるので、その中におさまっていればある程度なんとかなるという。だから凄く今、ビビッドな色が使えるようになって、それをコントロールするのが難しいんですね。どう押さえつけるのか。こっちがビビッドだったらこっちを補色で暗くするとかっていうバランスをとることができない。もともとそういう感覚がないから。将来的にもなかなか難しいと思いますね。
イ 色彩は育たないわけですか。
三 恐らく。まあ西洋的な色彩感覚は育たないだろうねってことです。一遍やってみて、やっぱ無理だわ私みたいな。
イ ははあ(笑)。
三 ただ、どういう光で撮るかっていうのが写真家はあるじゃないですか。曇ってる時が好きな人もいれば、畠山直哉さんなんかはかっちりとした建築写真のように見えて、撮ってる時期が陽が沈むような、黄昏時に撮るじゃないですか。そうすると、ちょっとロマンティックになるんですよね。
イ ほう。
三 だからやっぱりどういう時間に撮るかは結構重要なんですよ。光とか色の。そういうところの興味があるんじゃないかなと思います。インベさんは夜かも知れないけど。
イ そうですね。曇りとか雨とか夜とかは好きですね。
三 そういうトーンなんですよね。だからあんまり強い光と影が表われないで生っぽくなるのは、もわっとした光で撮ってるからだと思うんですよね。
イ うんうん。
三 それが一つの色彩的思考なのかも知れませんね。
イ なるほど。
三 でもデジタルになって、感度が自由に上がるようになって、感覚が変わってきている気はしてますけど、どうなんですかね。
イ だから撮りやすくなって、夜の写真が増えましたね。『ふあふあの隙間』は夜がやたら多いです。
「バービー疾走」 / 2018年 『ふあふあの隙間(2)』所収
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三 割と夜でも撮れちゃうということですね。
イ 照明を使わななくてもカメラ一個で行けちゃうので。
三 デジタルになって、写真表現自体の何が一番違うかというとやっぱり感度でしょう。第三の露出と言ったりしますけど、自動で無段階に勝手に感度が上がってくれるから、そこが違うかな。昔のフイルムの写真は、感度はどれくらいで撮ってましたか。
イ フィルムだとせいぜいISO400くらいです。
三 そんなに高感度で撮らないですもんね。
イ そうですね。フイルムだとガサガサになるんで。
三 荒れちゃいますよね。感度の他だとやっぱり、すぐ見れちゃうとか。そういう点で緊張感とかが変わっていくと。
イ うんうん。
三 でもこれからはもうデジタルでいくんですか。
イ いやいや、半分ですね。フイルムはやめないですね。
三 フイルムはなくなりませんか。
イ 今あるなら今撮っておこうみたいな。ラストチャンスみたいな。
三 将来的になくなるかも知れないですからね。これなんてある種ムービーの中から一枚切り取ったみたいな、そんなふうにも見えますね。実際にそうみたいな。
「最終ステージ」 / 2018年 『ふあふあの隙間(1)』所収
(C)2019.Kawori Inbe★ ALL Rights Reserved.
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イ そうですね。
三 写真って、映画好きの人と美術好きの人といるんです。簡単な類型で。で、似てるようでいてぜんぜん欲望が違うんですね。映画は動いてる状態じゃないですか。美術は止まってる状態。写真って、動いてるものを止めたいっていう欲望なんで、映像と言う意味では同じでも、映画などの動画とは真反対の欲望だと思ってるんですよ。インベさんはどうですか。止めたいっていうふうに思うんですか。
イ どっちかって言ったらそうかも知れません。
三 美術と映画と、そんな意識してないと思いますけど、どっちですか?
イ たぶん美術のほうが好きなんだと思いますけど......。
三 一応ね(笑)。映画はあまり好きではありませんか。
イ そうですね。
三 僕も苦手なんですよね。ただそれは、閉じ込められるのがイヤなので。
イ あ、それもあります。2時間とか座ってるのが。私、温泉も嫌いなんですけど、それも同じ理由です。お湯の中でただジッとしてるみたいな。
三 ねえ。そうなんですよ。ちょっとなんか似てるのかな。本当に。今でこそ病名たくさんつけられるようになったじゃない。僕なんかも絶対そうだから、もうイヤなの。ずっと居てろとかいうやつ、映画とか。閉じ込められるのがイヤなんだよね。
イ そうなんです。
三 だから僕、今の現代アートとか、映像作品が出てきたら腹立つんです。
イ ホントそうですね。幕とか張ってあってみんなシーンとした中で(笑)。
三 そうそうそう。映画館でやれよこんなもんはって。ずっと観てられないでしょって。もう腹立つじゃない。自由に見ていいから美術なんであって、そこを束縛するなよなみたいな。僕も大概不適応者だから(笑)。
イ (笑)。安心しましたよ。
三 誰とも合わんわみたいなことを、どんな社会も合わんわみたいなことは声高に言わないですけどね(笑)。でもみんな、今の社会にぴったり合う人はいないんじゃないかと思いますね。
イ まあそうですね。
三 男性を被写体にすることはあり得るんですか。
イ 今のところは考えてないです。分からないですけどね。男の人は自分を晒してすっきりするみたいなところがないじゃないですか。だからたぶんこういう表現と相性が悪いって、単純にそういう理由なんですけど。ただ最近SNSで大量に知らない人と繋がるようになって、その中に高齢男性も多いんですね。そうすると彼らの闇が凄いってことに気が付いて。
三 フェイスブックに長い文章書くからね、オヤジは。
イ そうなんですよ。ほとんど知らない相手から長いメールが、返事しなくても次から次に来たり。あと日記にもネガティブな話とか人の悪口とか、そういうのがダーッと流れてて(笑)。
三 こっちのほうが闇深い(笑)。
イ そうなんですよ若い女の比じゃないと思って。
三 それでも撮りたいと思わないでしょ、そこを。
イ はい。でもちょっと面白いかもと思いましたね。高齢男性の隙間みたいなものを見てしまった。一番見えないものじゃないですか。男社会でヒエラルキーの上で生きてると思ってたものの闇を見てしまったみたいな。
三 そうそう、高齢男性のほうが全然闇が深いでしょ。どっちが深いかと言ったら。
イ 種類は違いますけどね。
三 特に日本の男性は、大人になって人と交わるというとおかしな表現ですが、ベタベタすることはまずないと思うんです。たとえば外国人というと範囲が広いけど、ハグとかするじゃないですか。肌に触れたり。それは肌のセンサーがそこまで敏感じゃないからのような気はしてるんです。日本だったら近くでも感じちゃうというか、触れなくても感じちゃうとか、センサーが鋭すぎて。
イ なるほど。
三 だから距離感が違う。向こうは肌が服みたいな、だと思うんです。勝手なこと言ってるけど(笑)。でも日本人の男性は、大人になって人とそうして触れる機会なんて滅多にないです。
イ 男同士で?
三 そう、せいぜい握手くらいでしょ。でも女の人はちょっとベタベタしますよね。被写体の人としてるかどうかはわかりませんが。そうなるとですね、誰とも触れない感じで、孤独感たるや凄いと思いますよ。
イ 単純にくっつきたくないのかと思ってました。
三 たぶんそうじゃないと思いますね。
イ ガラガラの電車で男性の2人組が入ってくると、女性同士だと隣に座るんですけど、男の人って向かい合って座るじゃないですか。だから出来るだけ男同士離れたいのかと思ってました。
三 いや、そういうことではないというか、それはお互いに意識が強いからだと思うんです。
イ 相手がそこにいるっていう。
三 そういうことだと思います。
イ それくらい意識があるわけですね。
三 触れることでオキシトシンっていうホルモンが出るんですね。
イ 幸せホルモン。
三 そういうものが、男は出る機会がないというか。だって触れることがないし、パートナーがいなかったら。
イ (笑)。それでストレスが......。犬とかはどうなんですか。
三 犬と触れるとか? それは出るらしいです。だからペットとかね。でもたぶん、日本人の男で結婚してなかったら、相当孤独だと思うんですよね。その闇に突っ込むかどうかは別ですよ。僕は突っ込みたくないけど。
イ 満員電車とかは......。
三 満員電車なんて、あれはもう物質でしょ。人として意識しない。
イ なるほど。
三 割とこういうほうが、もっと孤独な男性からしたら幸せかも知れないですね。
イ 確かに。
「宇宙何十億年の中の、宇宙人から見たら見えないほどのわたし」 / 2014年 『理想の猫じゃない』所収
(C)2019.Kawori Inbe★ ALL Rights Reserved.
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三 だってインベさんみたいな人が話聞いてくれてね。ホントは私、こうこうこうなんですわって。そういう機会が男にはないですから。インベさんに長々と語って、じゃあ撮りましょうかってことにならないでしょ。
イ ならないですね(笑)。
三 そういう意味では男性社会的な優位的なものも大いに崩れてる気がしますよ。かと言って撮らないと思うけど。
イ この間ニュースを見てたら、ツイッターかなにかで、自殺したいと思ってる人はここにメールをくださいみたいな試みをしたら9割くらいが女性だったみたいなことが載ってたんですけど、人に聞いて欲しいのが女の人なんだなと思いました。
三 そうですね。
イ たぶん男の人のほうが自殺率高いじゃないですか。
三 言えないってのがあるからね。
イ 言わずに死んでいくか、言ってスッキリして前向きに生きるかみたいな。だからやっぱりこういう活動は女の人のほうが親和性が高いと思う。
三 そうなんでしょうね。リストカットする人とかうつ病の人とか、アスペルガーとか統合失調症とかいろいろおられますが、そうは言っても逞しいなという感じがしますよね。
イ それは結構言われますね。私も感じますし、彼女たちを見てて。
三 生命力がある。
イ 生き抜いてる感じがします。
三 なんだかんだ言いながらサバイブしてるし、こういう表現が出てくる力があるっていう。
イ 写真で表現しようと思うこと自体、パワーがあるからですしね。
三 まあそうですよね。本当に落ち込んでたら出てこないですよね。
イ 前後はあったりしますけど。1年前はこうだったとか、その後はこうだったとか。一番盛り上がって元気な時に撮られに来てるって可能性はあるけど。
三 何人か同じ人いますね。それは連絡がまだ来るってことですか。
イ そうですね、向こうからのアプローチで、何度も撮って欲しいってことはあります。
三 何度も撮って欲しい。凄い自己主張ですね。
イ 人生の中で、今はこれが起きたからとか、あの時とこう変わったからとか、そういう変わり目が理由になることが多いですね。
三 それはOKなんですか。
イ はい。改めて話を聞きに行くので、イメージが出ればまた撮ります。
三 ひとサイクルするとは言わないけど、結婚して離婚してまた結婚してみたいな人もいるかも知れないし。
イ います、います。
三 長時間、そうやって人の人生を見ることで、印象的な感想ってありますか。GPSつけて動物の生態みたいに観察してるわけじゃないと思いますが。
イ (笑)。でもみんな意外と落ち着くとこに落ち着くなって。
三 落ち着くところというのは。
イ 普通に結婚して子供がいて、写真を撮られた頃のことなんて、あの時撮っておいてもらってよかったみたいな感じになっていて。一番辛かった時期に撮ってもらったけど、今はもう違うからみたいな。あの顔はあの時しか出せなかったわ、ハハッみたいな人は意外と多いですね。
三 非連続なんですかね、女性の生き方というか感情というか。次に会ったらぜんぜん違うってことがあるわけでしょ。
イ そうですね。
三 僕も女性と話してて、僕が昔のことを体系的に話してるのに、まったく違うこと言ったりする。凄く驚きますよね。いやいやぜんぜん前と違うこと言ってますやんみたいな。
イ あぁ......。
三 不連続なんじゃないか時間が(笑)。流れてる時間が違うんじゃないかと。僕は結構昔のことを検証して言ってますが女性はアップルみたいなもんでバンバンバンと切ってる。僕はマイクロソフトなんですよ(笑)。
イ 面白いですね(笑)。
三 だからどんどん重くなってきちゃう。何の重みかわからないけど。女性はまあ、感情の起伏も激しくなるし、生理的な変化も大きいから、不連続な時間を生きてるのかも知れないと感じます。僕は男兄弟3人で、基本的に女性のことはさっぱり分かりませんが、女性的な感情の起伏って大変だと昔は思ってたんです。今はそっちのほうが楽なのかも知れないという気がしてますね。
イ なるほど。
三 なんか自分を維持しなきゃいけないみたいなのがあるんです。いいんだ維持しなくて。壊していいんだっていう気がしてきますね。
イ それは新しいですね。起伏が激しいのってネガティブなイメージに捉えられるじゃないですか。でもそうじゃないのかなって。
三 常に再生するんですよ、女性は。
イ わざと揺れるように作って耐震強度を上げてる建物みたいですね(笑)。
三 それこそ子供が生まれたら、脳が組み替えられると言いますからね。
イ 女の人がですか。
三 そう、脳自体が。シナプスが再構成されるんですよ。
イ 子供生むと性格が変わる人は多い感じがする。
三 それが大きい変化なのか小さい変化なのか分かりませんが、女の人は日々変化し生まれ変わってるんじゃないですか。男性のほうかそういう意味では過去を引きずっちゃって、大変なのかも知れません。今は女性のほうがいいんじゃないかという気がします。
イ 今の時代は。
三 僕の個人的な考え方、勝手な感想ですけどね。ヤベー、また僕いっぱい喋っちゃった(笑)。
三 『理想の猫じゃない』では最後にセルフポートレートを載せていますね。文章がない。自分で自分を撮るというのは今まであったんですか。
「私、最古の記憶」 / 2014年 『理想の猫じゃない』所収
(C)2019.Kawori Inbe★ ALL Rights Reserved.
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イ 写真始めてすぐの頃はセルフポートレートが多くて、これは久しぶりに撮ったんです。
三 これはどういうイメージですか。
イ 自分を撮る時はやっぱりちょっと意味が違って。珍しい感情の時とか。精神状態が珍しい時。
三 これはどう珍しかったんですか(笑)。
イ 気分の問題なんで(笑)。
三 タイトルがまた意味深ですよね。
イ それもだいぶ後になって無理やりつけたんです。内容の説明はできないですね、セルフポートレートの場合は。これはただのあとがきのイメ―ジで、自分のことはあとがきで書くという感じですね。
三 もともとはどんな子供で、どんな未来予想図で? ドリカムかっちゅうの。
イ (笑)。それこそ本当に何もできない子供でしたね。全部ズレてるというか、みんなが宇宙人に見えましたし。いやいや、自分が宇宙人に見えたのかな。自分が間違った場所に生まれてきた感じが。
三 なんかあかんわって。
イ これは違う。私は間違いでここにいる感っていうのが。
三 場違いな感じで。
イ そうです。誰としゃべっててもしっくりこない。会話が本当の意味では噛み合わないというか。
三 よくインタビューするようになったな(笑)。
イ 確かに(笑)。だから私意外の全員が申し合わせたように同じことを言うのに私だけが違う。あれは未だに不思議ですけどね。たとえば家でパンにはバターとマーガリンどっち使うっていう話題になると、その場の全員がバターって言うのにうちだけがマーガリンとか。どこで打ち合わせしてるんだろうみんなって思うくらい、ことごとく全部一人だけ違うんです。どうでもいいことが(笑)。
三 それはやっぱり疎外感があったんですか。
イ 疎外感っていうか、なんで他の人は普通なんだろうって。普通っていうか、何か読書の感想とかでも、全員がスッと同じこと言うんです。
三 お能とかみたいに、指揮者いないのにみんな合うみたいな。
イ そうそう(笑)。
三 間を読みまくってね。それこそ日本の美学なんですよ。空気を読みまくるってね。
イ 走ってもみんな同じくらいのタイムを出すじゃないですか。なんで私だけ遅いんだろうとか。足し算引き算とかも、先生はみんなもう分かってるだろうと思って、大して解説しないんですよ。なのにみんなスッといきなり解けるわけです。私だけ引き算の意味が分からないとか。一人だけ置いていかれる感じ。なんでみんなは分かって私だけ分からないんだろうって。
三 それはちっちゃい頃から?
イ 高校になっても同じだったので。今、この収録場所の向かいにリトミックって書いてありましたけど、私は未だにリトミックの意味がわからなくて。高校が幼稚園のくっついてる高校で、幼稚園の先生を目指す科があったんですね。私は普通科でしたけどリトミックも授業であって。授業絶対聞いてないコギャルとかが出来るんですよ。リズムに合わせて手を叩くみたいな授業。私一人だけ最後まで分からなかった。何度聞いても。だからきっと脳の作りが違うんだろうなと思って。
三 なるほど。
イ ついていけないんですよ。何の話してるのかさっぱりわからなくて。
三 特に何か病院行ったりしてたわけじゃない。
イ 病院は行ってないですけど(笑)。
三 親が心配して、この子おかしいわーって連れて行かれたとかそういうことはない?
イ そこまでじゃないですね。私は一応、健常者のレベルで頭が悪かったので、そこまでは。
三 大学は美大に行ったとかそういうわけではない。
イ ではないですね。
三 美大行くのって結構そういう子だから。
イ でも美大に行く人はみんな頭いいわけじゃないですか。
三 そんなことないですよ。
イ 一応偏差値はある程度ないと入れないじゃないですか。
三 大丈夫、お金払えば入れるよ。
イ そうなんですか? そんな話聞いたことない。
三 だから僕なんかもう、大阪の芸大行った時は、みんな今だったら病名ついてるなっていう奴ばっかりで、極楽だわーってなったの。
イ へえー。
三 それでみんな出られなくなるの。
イ なるほど、居心地がいいわけですね。
三 僕も近い感覚だったから、どうやってこの路線から外れてやろうかということばかり思ってましたね。みんなが受験勉強していた時に、いかにここから脱線するかって。偏差値の序列があるじゃないですか。この流れに乗ったら絶対に序列をつけられる。この序列から外れるためには違うことすればいいって芸大とか美大を受けようと思って。ちょっと絵が上手かったもんだから。そしたら芸大のほうが厳しかった。僕らの頃は何十倍っていう。それでやべえと思って論文だけで入れるところを見つけて行ったんです。とにかくどうやって外れるかだけ。外れても問題ないようなことばっかり考えてました。
イ 私はそこには至りませんでした。どうやったら入れるんだろうって無理してばかりいましたね。
「始まりに向けての青」 / 2014年 『理想の猫じゃない』所収
(C)2019.Kawori Inbe★ ALL Rights Reserved.
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三 これは聞いていいのか分かりませんが、ご両親は普通の人でしたか。
イ 両親とも、ものを作る人ではあります。
三 やっぱり両親を見て育ってるんですね。
イ うーん。
三 そこは納得がいかない?
イ 見てはいましたけど、小学生の時に他の人から外れててもいいとは言われないです。
三 (笑)。
イ 普通になれっていう教育でした。
三 じゃあ両親は普通というか。
イ 客観的には分かりませんけど、とにかくそんな外れたことをするなって。みんなが出来ることを同じように出来るようになることを望まれてましたね。
三 もっと寛容でもいいのに。なんだかんだ言っても、小さい頃の両親との関係や兄弟との関係は引きずるじゃないですか。
イ それはありますね。
三 こういう人を見ていても、両親との関係が出てくるし、DVに遭ってるとかというのも出てくるし。本当に人間の幼少期の家族との関係は凄く影響しちゃうから、なかなか怖いなというふうには思ってるんですけどね。
イ 子ども時代にここにいていいみたいな感覚は一切なかったですね。
三 でも、今は木村伊兵衛賞をとろうかみたいなところへきて、お父さんはどういうふうに?
イ 特に何も言わないですね。
三 お前の写真よかったぞとか。
イ 言わないですね。
三 写真の話しないんですか。
イ ほとんどしないですね。
三 習いもしなかった?
イ カメラはもらいましたけど。
三 でも手取り足取り教えてくれたわけではない。
イ そこは親子だから逆に距離があると思います。
三 そういうものですか。
イ みんなに聞いてもそうだったし。
三 (笑)。
イ 要はお父さんがピアニストで子供がピアノをやっていても、先生は違う人をつけるとか。そういうのってあるらしいんです。
三 うちは母親がピアノの先生だったんですね。
イ そうなんですか。
三 で、僕と兄貴が外の英才教育っぽいところに連れていかれたんですよ。ぜんぜんついていけなくて。みんなは弾けるんですよ。それでどうしようもないってことで、母親が課題曲を無理やり暗記させて、なんとかこなすと。延々やらされて。でも母親がこの子たちはついていけてないんで、また同じクラスでやりたいんですけどって言ったら、いやいや弾けてるから次のクラス行って下さいって言われて、それでもう母親も心が折れて、保育園の1年だけでピアノ辞めちゃった。僕と兄貴が余りにもしんどくて。家でもピアノの教室やってたんですよ。でもやっぱりそこでは教えない。
イ へえー。
三 弟もいるんですよ。弟は割と器用だったんですけど、僕と兄貴のせいでピアノは習わせてもらえなかったんです。
イ でも面白いですね、遺伝の仕方が。近いのに全く違うわけじゃないですか。親がピアノの先生だったらスッとピアノが弾けそうな感じですけど。
三 これがまったくダメなんですよ。ピアノってムチャクチャ難しい。だって手2つに足も同時に弾けってわけでしょ。リズム、メロディ、ハーモニーを一気にやって。近代楽器の中の一番複雑な完成形ですよ。そんなのを子供にやらせること自体が間違ってるんです。最初は笛とかでいいじゃないかっていう。単旋律の。今は音楽教室の教育とかも、成長に従って初めはリズム楽器やらせますし、次は単旋律やらせます。で、ピアノ。あとピアノのピッチは狂っていて、ドからドの間を等分して平均律にするんで、本当のチューニングじゃないんです。微妙にズレてる。だからオケとかピアノで合わせないんですね。
イ ほおっ。
三 まあカメラもピアノも近代装置ということでは似てるけど、ピアノには軽く嫌悪感あります僕。
イ へえーっ。
三 幼少期の家族の記憶を引き摺りますんで、どうしても。
イ そうですね。だから子供時代の教育としてはそんな感じだったのに、大人になって急に同じようなことやりだすから、遺伝って不思議だと思いますね、自分が。
三 結局だから、辿っちゃってる。
イ (笑)。
三 遺伝もあるし、人間のモデルがそこにしかない。たとえばうちは父親が技術者なので、いきなり商売やろうかとはならない。やっぱり技術と芸術の間で考えちゃう。参照例を見てないから、どうしても。だからインベさんが写真をやってるということは、モデルがそうなってたんじゃないですか。小さい頃の擦り込みもあるし、それ以外のモデル分からないし。僕は愛情保存の法則って呼んでて、受けた愛情の分だけしか人に愛情を渡せないという。
イ 私はそれと逆バージョンの法則があって。自分が傷ついた分だけ人を傷つけることもできる。同じですよね。
三 一緒。だからやっぱり、DVとか受けたらそうなっちゃうんですよ、子供に対して。まあでも、この対談は根本的な解決を目指す会じゃないからね。
イ (笑)。
三 そういう中で逃れられずに苦しんでいる状態を客観的に見られるというところで、しかもユーモアがあって笑いがあるから見られるというか、救いがあるという。みんな解決されようとか思っていないと思いますが、それが素晴らしいと思う。それが出来てる人はなかなかいないと思うし。
イ 小説を読むような感じだなといつも思うんですけど、だからそれなりに凄い体験をした人の話のほうが面白いというか。それだけじゃなくてそこから何を考えたかが重要で。その経験からそんなことを考えたのかというところに感動するので。その感動したのをどう表現するかで、そこには笑いというか、人間って深刻にいくとこんな笑えるのかみたいな。
三 悲喜劇っていうかね。悲劇が最高に面白いわけじゃないですか。笑いがあるわけじゃないですか、ギャップで。それがあるのが......なんかいいなと僕は思うんですね。
イ (笑)。
三 深刻なものを深刻に伝えられたら、見ている側も深刻になっちゃう。被写体の中に役者さんが何人かいますよね。それがちょっとヒントというか、ポイントかなと思うところがあって。虚構の自分なんだけど、それを演じることで自分が出せたり救いがあるというか。演劇の、嘘なんだけどそこに真実があるみたいな救いがあるんじゃないかな。その辺りが最もインベさんの魅力なんじゃないかと僕は思います。
「山陰の女」 / 2017年 『理想の猫じゃない』所収
(C)2019.Kawori Inbe★ ALL Rights Reserved.
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編 最後におひとりずつ本日の感想を頂けますでしょうか。
イ 三木さんの雑談が面白かったですね。その雑談をもっと掘り下げたくなりました。
三 インベさんは、男の人で面白いなと思う人います?
イ そんなに喋る機会が......相手の考え方とかを聞く機会ってないじゃないですか。ここだといくらでも聞けるけど。
三 飲み会とかないんですか。
イ あぁ......うーん、そういう場はありますけど......。
三 あんまりそんな話にはならないですか。
イ なかなかそこで面白い話......根掘り葉掘り聞かないので......。
三 まあ僕わりと面白い人って言われるんですよ。
イ (笑)。
三 普段は家で引きこもってるんですけどね。日中は誰とも喋らないですよ。それこそフェイスブックで独り言のように喋るだけです。
イ ふふふん。
三 それから写真には写らないわけですが、前もってインベさんの声が入ったテープを聞かせてもらった時に声が凄くいいなと思ったんですね。声って、本来全く見えない。これは文字ですが、意外に人と話す時の声は重要なんじゃないかと僕は思ってまして。だからインベさんとずっと話してても相手も苦にならないとか、そういう佇まいとか、今日お話しさせてもらって、より強く実感したっていう感じですかね。
イ なるほどー。
三 結構高い声が出ますよね。
イ 声高いのがずっとコンプレックスだったんですよ。声高いだけで頭悪そうに聞こえるじゃないですか。
三 そうかな(笑)。
イ 女の人の高い声って不快なんですよ、絶対。キャンキャン喋ってるような。それが凄くイヤで。低く喋るだけで頭よさそうに見えるんですよね。
三 そうなのかっていうか......なるほどって感じですね。いや、声いいですよ。心地好いしね。
イ 人の話を聞き出すのにこういう感じが得してるっていう?
三 と僕は思いますよ。声は凄い効いてるなと。僕なんか構わず喋っちゃうから。人の話聞かない。
イ (笑)。
(了)
2018年12月19日、大阪にて収録
構成=編集部
インベカヲリ★個展「理想の猫じゃない」開催!!
開催日時=2019年2月13日(水)~2月25日(月)*会期中無休
12:00-19:00 (初日は14:00から、最終日は17:00まで)
会場=恵比寿アメリカバシギャラリー
150-0022 東京都渋谷区恵比寿南 1-22-3
TEL.03-6303-1414
ニコンサロン写真展年度賞受賞作品展
第43回伊奈信男賞 インベカヲリ★「理想の猫じゃない」開催!!
開催日時=2019年1月31日(木)~ 2019年2月6日(水) 日曜休館
会場=ニコンプラザ大阪 THE GALLERY
530-0001大阪市北区梅田2-2-2 ヒルトンプラザウエスト・オフィスタワー13階
TEL.06-6348-9698
インベカヲリ★ 『理想の猫じゃない』
著者:インベカヲリ★
発売日:2018年11月17日
サイズ:210 mm × 260 mm
ページ数:154 pages
定価:3,200円+税
出版社:赤々舎
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インベカヲリ★『ふあふあの隙間』(1)(2)(3)
著者:インベカヲリ★
発売日:2018年11月18日
サイズ:297 mm × 210 mm
ページ数:8 pages
定価:各1,200円+税
出版社:赤々舎
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牧瀬茜
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きらら☆
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颯輝
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卯月朱美
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片瀬永遠
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船橋ストリップシアター若松劇場
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七雪ニコ
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金城ちさと
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詩田笑子
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川中理紗子
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春風るな
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天羽夏月
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徳永心
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ストリップ総合専門誌 『SDJ』
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元ストリップ興行師・ジョウジ川上
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浅葱アゲハ
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ひなぎく
インベカヲリ★
1980年、東京都生まれ。写真家。ノンフィクションライター。第43回伊奈信男賞受賞。写真集に『やっぱ月帰るわ、私。』『理想の猫じゃない』『ふあふあの隙間』(1)(2)(3)(以上、赤々舎)。共著に『ノーモア立川明日香』、忌部カヲリ名義の著書に『のらねこ風俗嬢―なぜ彼女は旅して全国の風俗店で働くのか?―』(新潮社電子書籍)など。
1980年、東京都生まれ。写真家。ノンフィクションライター。第43回伊奈信男賞受賞。写真集に『やっぱ月帰るわ、私。』『理想の猫じゃない』『ふあふあの隙間』(1)(2)(3)(以上、赤々舎)。共著に『ノーモア立川明日香』、忌部カヲリ名義の著書に『のらねこ風俗嬢―なぜ彼女は旅して全国の風俗店で働くのか?―』(新潮社電子書籍)など。
三木学(みき・まなぶ)
文筆家、編集者、色彩研究者、ソフトウェアプランナー他。独自のイメージ研究を基に、現代アート・建築・写真・色彩・音楽などのジャンル、書籍・空間・ソフトウェアなどメディアを横断した著述・編集を行っている。
編著に『フランスの色景』、『大大阪モダン建築』、ヤノベケンジ『ULTRA』(すべて青幻舎)、など。寄稿に『小豆島にみる日本の未来のつくり方』(誠文堂新光社)、『ジャパノラマ』(ポンピドゥーセンター・メッス)、空間編集に「NAMURA ART MEETING '04-'34アーカイブルーム」(設計:ドットアーキテクツ)、「あいちトリエンナーレ2016」コラムプロジェクト『アーティストの虹-色景』、「ニュー・ファンタスマゴリア」(京都芸術センター)など。ソフトウェアに、画像色解析システム『Feelimage Analyzer』(ビバコンピュータ、ソフトウェア・プロダクト・オブ・ザ・イヤー2009受賞)、音楽自動生成スライドショーシステム『PhotoMusic』など。
文筆家、編集者、色彩研究者、ソフトウェアプランナー他。独自のイメージ研究を基に、現代アート・建築・写真・色彩・音楽などのジャンル、書籍・空間・ソフトウェアなどメディアを横断した著述・編集を行っている。
編著に『フランスの色景』、『大大阪モダン建築』、ヤノベケンジ『ULTRA』(すべて青幻舎)、など。寄稿に『小豆島にみる日本の未来のつくり方』(誠文堂新光社)、『ジャパノラマ』(ポンピドゥーセンター・メッス)、空間編集に「NAMURA ART MEETING '04-'34アーカイブルーム」(設計:ドットアーキテクツ)、「あいちトリエンナーレ2016」コラムプロジェクト『アーティストの虹-色景』、「ニュー・ファンタスマゴリア」(京都芸術センター)など。ソフトウェアに、画像色解析システム『Feelimage Analyzer』(ビバコンピュータ、ソフトウェア・プロダクト・オブ・ザ・イヤー2009受賞)、音楽自動生成スライドショーシステム『PhotoMusic』など。
19.01.27更新 |
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