異端のAV監督・ゴールドマンが放つ衝撃の告白小説 番外編
Autobiographical novel by Goldman [SEX・MOVIE・BLUES]
数々の伝説に彩られた異端のAV監督・ゴールドマンが書き下ろした衝撃の自伝的小説。セックス、ハメ撮り、結婚、逃避、勃起不全......余りにも赤裸々に語られ尽くす、ゴールドマン史における事実、裏話、そして苦悩は、読む者を人生の迷宮に拉致監禁せずにはおかない文学的事件だ。しかし、それを、職業として生きていくと、やがて、鉛のリュックを背負ったまま、ぬかるみの海に沈んでいくような、苦悩を味わうことになる。
番外編 世界で一番むなしい射精
結論から言うと、およそ11年ぶりの自腹のフーゾク体験は、この上なく無残なものとなった。
やはり、人生は甘くない。一瞬の油断が、命とりとなる。
......それは、ちょっと大げさすぎるのかもしれないが、しかし、悲惨な結末を得るために、わざわざ金を払う必要は、これっぽっちもありはしないのだ......。
きっかけは、こうだ。
その4日前の月曜日、WEBスナイパーの撮影で、鶯谷のラブホテルにいた。ある性的弱者の女性に、はじめての淫語責めプレイを実践させるという企画。性的経験の極めて少ない彼女にとっては、ひどくハードルの高いもののように思えたが、それが逆に、おもしろみのあるものになるのでは?との狙いだった。しかし、結局、ボッキはしたものの、自分自身が最終的に射精には至らず、なにか尻切れトンボのような、モヤモヤ感の残る後味の悪い一日となった。
プロのエロ事師の仕事としては、「完全なる敗北」であった......。
それから数日は、そのモヤモヤ感が、オレの五体を支配した。食事中も、本屋で立ち読みしている時も、ベッドに横たわって眠りにつこうとする時でさえ、そのモヤモヤした気分は、決して離れようとしなかった。
そこでオレは、考えた。
このなんとも言いがたい射精未遂の敗北によるダメージを克服するためには、やはり、スッキリとした気持ちのよい射精の勝利感を得る以外にない!......と。丁度、その頃、恋人もセフレ的存在もなかったオレは、迷うことなく、その答えがフーゾク方面にしかないと悟った。
その考えが、そもそもの誤りだった。
ふり返ってみれば、自分の人生で、一度たりとも、「いいフーゾク嬢」に当たったためしがなかった。まるで、フーゾクの神様に見はなされてるかのように......。
11年前に、ひさしぶりに行った吉原の高級ソープでさえも、それなりにルックスは可愛い娘が相手だったのだけれど、結局、ヴィジュアル系のバンドマンの追っかけをしてるという話を延々聞かされて、心底うんざりして帰った思い出しかない。
しかし......もう26年以上もエロ業界で働いている自分としては、それなりにクオリティの高いフーゾク嬢を、今は選別できるというヘンな自信が、その時は確かにあったようだった。
そう......なんの根拠もない......へンな自信だけが......。
まずは、こうだ。
地元のデリヘル情報を、ネットで調べてみた。いろいろと調べているうちに、ひとつだけ気になる店を発見した。「しろうとミセス専門の......」という人妻デリヘル店だ。他の店の写真は、Tバックだの、ガーターベルトだの、いわゆる挑発的なエロ人妻のイメージを演出していたが、その店だけは違っていた。
もちろん、顔はわからないように加工されていたが、まちがいなく「ズブの素人」のニオイがした。なおかつ、料金も他店より2割程度安く、とてもリーズナブルで親切な印象だった。
オレは、決めた!
"絶対、この店しかない! いや、むしろオレは、この店にめぐり会うために、今まで様々な苦労を重ねてきたんだ! ここの「しろうとミセスさん」と、いちゃラブプレイをして、かつてない最高の射精を得るために、オレの人生は困難の連続だったんだ!"......と。
オレは心の中で、高々とVサインをかかげたのだった。
その夜は早めに休んで、翌日、朝6時に目が覚めた。
そして、ひさかたぶりのフーゾク体験に、胸をワクワクさせながら、"やはり朝食は、キチンととったほうが良いプレイができるだろうな!"とか、"ヨーグルトとか食べたほうが、濃厚な精子がでるかもな?"とか、"シャワーで細部まで念入りに洗ったほうが、好感度アップだな!"とか、まるで童貞少年だった18才の頃のように、妄想をふくらませた。
それから、お気に入りのアニソン『這いよれ!ニャル子さん』、『波打ち際のむろみさん』を聴きながら、自分を高めて店のオープンを待った。
午前10時15分、オレは少しドキドキしながら、店に電話をいれた。
昨晩チェックしておいた、一番しろうとっぽくて、小柄で純情そうな、フーゾク未経験という33才のトモミさんを指名した。
すると......、
「あ~、トモミさんはちょっと遅れちゃってるんですよね~......、おんなじようなコで、ルミコさんっていうコならすぐ出せますが?」
「え!? ルミコさんですか? あの~、小柄なコがいいんですけど~?」
「ルミコさんも小柄でいいコですよ~! 年も同じだし、とってもいいコです~!」
「え~と、トモミさんとルミコさんでは、中身はどっがHですかね~?」
「あ~、むしろ、ルミコさんのほうがいいですね~、オススメですよ~! ルミコさんなら、今すぐにでも出せますが~!」
「あ、じゃ、じゃあ......お願いします~!」
賢明な読者のみなさんなら、もうおわかりのことでしょうか?
そう、オレのさらなる「完全な敗北」は、この時点ですでに決定されていた。
フーゾクではよくあるダマシの手口だ。そんなことは、十二分にわかっていたはずなのに、その時のオレの脳ミソは、"しろうとミセスといちゃラブプレイで、素晴らしすぎる射精ができる!"という、甘ったるい妄想にあふれ、正気を失っていた。
まさか......あんなことに......なろうとは......夢にも思っていなかった......。
40分後、指定された安いラブホの部屋で、胸を高鳴らせ、チンコをいぢりながら待つオレの目の前に現われたのは、お菊人形のようなオカッパ頭を茶髪に染めて若作りした、今年51才になったオレよりも確実にひと回りは年上であろう、無数のシワが顔面に刻まれた単なるしょぼくれババアだった......!?
3年前より実家の近所に住んで、年老いた母親の面倒を時折みている自分としては、極力、「ババア」という言葉は使いたくはなかったのだが......、......、......、......が、しかし、その安いホテルの部屋にやってきた「しろうとミセス」という名のフーゾク嬢は、どこからどう見ても、正真正銘、生物学的に「ヒト科の老女」だったのだ......!!
......これまでも、AVの撮影で悲惨な女はそれなりに相手にしてきたつもりだったが......それらの比ではない!
"なにが憎くて、わざわざ金まで払って、こんなボッキしたくもないレベルの生物を相手に、射精を目指さなくてはいけないんだ!"
......それがオレの本心だったが、グチを言ってもはじまらない。
今は目の前の現実に、勝利する以外にない! ......オレは、自分を責めたい気持ちをおさえつけて、とにかく、この老女のことを少しでも好きになって、より良い関係を築きあげ、スムーズなボッキ~射精を獲得できるよう最大限の努力を開始した。
......しょぼくれシャワールーム。
オレは、コミュニケーションを深めようと、せいいっぱいの作り笑顔で、老女に質問してみた。
「この仕事は、どのくらいやってるんですか?」
......耳が遠いのか? ......ムダに長い沈黙の後、老女はボソッとこう答えた。
「ん~......実は、昔、15年くらい別の店で働いてたんだけど~、でも~、この店は、まだ3~4年かな~?」
"!?!?!?!?!?!?!?"
この瞬間、オレの"しろうと"への幻想さえも、こっぱみじんに打ち砕かれたのだ......!
"それって完全に、フーゾクズレしてる「超くろうと」じゃねえか!!"
オレの精神世界の99.99%は、絶望の淵に突き落とされた。
......それでも......深い悲しみを悟られないよう作り笑顔を続けた。
それにしても、この老女のカラダからは、「やる気」というものが一切感じられない。やはり、一番料金の安い60分コースなので、手取りの金額が少ないのが不服なのか? それとも、オレが若くもなく、イケメンでもないのが気にいらないのか? いずれにしせよ、サービス業に従事する人間とは、およそ思えないふてぶてしさである......。とにかく、ベテランとか言ってるわりに、シャワーの洗い方が雑。ふつうならぱ、この段階である程度、エッチな気分をもりあげるなにかしらがあるはずなのだが、この老女の場合は、ただボディソープを乳首と股間になすりつけて、洗い流すだけの作業......。
当然チンコは、ピクリとも反応せず......でも......それでもオレは、心の水面下で、彼女を好きになれる可能性を模索していた......。
......しょぼくれ全身リップ。
できれば、カラダじゅうを舐めたられたくはなかったのだが、いちおう金は払ってしまってるわけだし、フーゾクプレイとはそういうものなんだし......オレはなるべく、老女の顔とカラダを直視しないよう注意して、"この人にも、十代の可愛らしい女学生時代かあったはずだよな~?"と、いい部分だけを見つける努力をしながら、ただ遠い目で天井だけを見つめた......。
......しょぼくれフェラチオ。
通常フーゾクでは、当然もっともキモチのいい行為のはずだが、この老女のフェラの場合は、逆にキモチ悪くもなってきた。
しかも、フェラの吸引力は、普通の女の3分の1程度だ......。
これまで過酷なAVの現場で訓練してきたおかげで、かろうじてボッキすることはできたものの、このしょぼくれたフェラでは、100万時間しゃぶられ続けたとしても、絶対に射精することはありえないだろう......。むしろ、しばらくしたら、チンコもなえなえになって、この老女を前に一度萎えたチンコは、二度とたちあがることできないだろう......。
......オレは、そう確信した。
"あぁ~、このまま虚しく時が過ぎてゆき、最終的に時間切れで射精すらできなかったとしたら、また惨めな敗北だ! おまけに今日は、金まで払ってる! 長年エロ業界で、ゴールドマンとして活躍してきたものも、この「やる気」なしなし老女のせいで台無しだ! 一切が無意味になる~っ!!"
......しょぼくれフェラをされながら、頭の中をネガティブすぎる思考がぐるぐる回転していった......。
それでオレは、決断した。"最終手段だ!"
そう、この老女のしょぼくれフェラでは、永遠に射精できないことは、わかりきってしまった。......そこで、作戦変更だ!
幸い、この辺りのデリヘルは、かなりの確立で本番させているらしい......。もう、やる気も実力も見た目の魅力もないのだから、本番してマンコの圧力で射精するしかない!
たぶん、こんな老女だから、プライベートでは絶対マンコを使ってないだろうから、そのマンコのキツさを利用すれば、わずかだが射精できる可能性はある。少なくとも、やる気なしなしのしょぼしょぼフェラよりは......。
でも、直接交渉すると、万が一、断わられたり、追加の金を要求されるかもしれないから、この老女を本気でキモチよくしてやって、自分のほうからチンコを入れたくなるようにしむけよう......!
そういうわけで、オレは勇気をふりしぼって、老女のマンコをなめはじめた。
「あ~ら、舐めたくなっちゃったの~?」
老女は少しうれしそうに、上から目線でつぶやいたが、オレはスルーした。
とにかく、残り時間もわずかだし、老女だろうがなんだろうが、オレは一心不乱に、舐めるしかなかったのだ。
それも、ただ形だけのクン二ではない。
このやる気なしなしのしょぼくれ老女を、本気て感じさせるために、心をこめて、愛情たっぷりに、マンコを舐めつづけたのだ。
オレは、心の中で呪文のようにくり返した。
"心をこめて......舐めるべし! 心をこめて......舐めるべし! 舐めるべし! 舐めるべし! 舐めるべし! 舐めるべし!"
......どれくらい時間が経過したのだろう?
少し涙目になったオレが、マンコを舐めれども舐めれども、この老女という物体は、ウンともスンとも声も出さず、吐息のひとつも洩らすことなく、ただ、ただ、ペチョペチョと必死にマンコを舐めつづける音だけが、むなしくラブホの天井にこだました。
残り5分......
もうフェラだの本番だの言ってる場合じゃない!
とにかく、射精することだけを考えて、オレは老女に乳首を舐めさせながら、ただひたすらに自分の右手でチンコをしごいた。途中、ためしに老女にキスさせようとしたが、身のほどしらずにも、「キスだけはイヤッ!」みたいな素振りを老女は見せやがったので、しかたなく乳首だけを舐めさせつづけた。
......オレは、集中した。
ゆっくりと目を閉じて、昔よくヌイたエロ漫画、近所のスーパーのレジの奥さん、TBS女子アナのマスエリ......、もう完全に目の前の「やる気なしなし老女」のことは自分の中から消し去って、自分に都合のいい妄想だけの世界で、チンコをしごいて、しごいて、しごきぬいた!
そして......ビュルッ! ビュルルルル~ッッ!!
ついに、念願の射精に到達した!!
ふぅ~っ......
それを横目で見ていた老女が、最後にひと言つぶやいた。
「やっと出せたのね~、キモチよかったの~?」
......オレは、心の中で絶叫した!
"アンタさえいなけりゃ、もっと、もっと、もっと、もっと~、キ・モ・チよかったよ~っっっ!!!"
フフフッ、今回の勝負は、かろうじてオレの勝ちだったようだ。
しかし、アリ地獄のような壮絶な戦いだった。
現実はつねに、過酷な戦場だ。
でも、オレは負けない! 次回こそは、ステキな「しろうとミセス」といちゃラブプレイを決めてやる!
そうだ、そのために今日から100円玉貯金をしよう!
帰りに、ダイソーで貯金箱を買って帰ろう!
......11年後のステキないちゃラブプレイを目指して!!
(了)
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14.06.01更新 |
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