まず新しい仕事と家を見つけたちづるさんとちひろが出て行き、次に行政の援助を受け、専用の施設に入居できることになった三峰さんが出て行った。残ったのは俺と御食沢だったが、御食沢の猫も一匹、また一匹といなくなっていった。里親探しのサイトにリンクを増やし、友人たちにも協力してもらって、何とか里親を探し出したらしい。俺も二匹ほど、里親になってくれる人のもとに連れていくのに協力した。
猫屋敷にすっかり猫がいなくなったころには、御食沢はすでに引っ越し先を探し出していた。次の予定を何も決められていないのは俺だけだった。
もっともこれは、猫屋敷での生活を終わらせないといけない傷心によるものだけではなかった。
落選したのだ。
最終選考にまで残ったという俺の小説は結局、「どうしてこんな作品が最終選考にまで残ったのか理解に苦しむ」などと審査員に酷評され、無残に「打ち捨てられた」。じつは自分自身のこれまでの人生を問うたといっても過言ではないぐらいに自信のある作品だったし、だからこそ最終選考にまで残ったと聞いたときにはまだ早いと思いつつ狂喜したのだが、それだけ落選のショックは大きかった。バイトにも行けず、食べ物も三日ほど喉を通らず、その間ずっと布団に潜りこんでいたほどだ。
御食沢は「最終選考にまでいったんだから、大したものじゃん」と慰めてくれたが、そんな言葉もまともに耳には入らなかった。最終選考だろうが何だろうが、落選すれば何も手に入れられなかったのと同じなのだ。落選がわかったのはずいぶん前だったが、俺はそれからずいぶん長い間立ち直れずにいた。
やがて、御食沢も猫屋敷を出て行くことになった。
持っている荷物は小さなボストンバッグひとつだけだった。もともと異様に家具だとか荷物の少ない女だったから、不思議ではなかった。
「つらいのはわかるけどさ」
御食沢は靴の数がすっかり少なくなった、というか、もはや俺の一足分の靴しか残っていない玄関に立って言った。
「いつまでも落ちこんでいても前には進めないよ。現実は現実として受け止めて、次にどうするかが問題なんじゃないの」
一応玄関まで見送りに出た俺に、御食沢は諭すような口調をした。
わかってるよ、わかってるんだ、そんなことは。
俺は何も答えないでいた。黙っているうちに、寂しいだとか悔しいだとか悲しいだとかいろんな気持ちが溢れてきて、「もう少しだけいてくれ」という音の連なりになって口から溢れてきそうになったが、それを、なぜ我慢するのかもよくわからず我慢した。
「じゃあ、さようなら。また会えたらいいね」
じっとうつむいている俺を一瞥すると、御食沢は出て行った。あっけない別れだった。
結局、俺は実家に戻った。
新しい住処を見つける目処が立たなかった、いや、そのために動こうという気力が湧かなかった。
家に戻ると当然のように両親から虫けらのように扱われ、始終邪魔者呼ばわりされた。バイトも辞めてしまった、正しくいえば無断欠勤が続いてクビになったのでニートになり、朝夕親に罵られながら部屋にこもってネットゲームにばかり興じるという本格的なダメ人間になった。
それでも、ときどきは外出した。猫屋敷は実家から電車で1時間ほどのところにあったので、電車を乗り継いで様子を窺いに行った。
住人がいなくなった猫屋敷の周囲にはロープが張られ、立ち入り禁止になっていた。入るのは造作もなかっただろうが、もはや中に何があるわけでも誰がいるわけでもない。入ったところで空しくなるばかりだろうと、俺はいつも外で建物を何時間もぼんやり眺めていた。通行人からしてみれば、相当不審な人物だっただろう。
ある日猫屋敷に行ってみると、建物を囲いこむように防音シートが張られていた。そこにあった看板にふと視線を流すと、翌日から本格的な取り壊しが始まるようだった。
足が勝手に動いた。俺は庭を通り、防音シートをかかげて中に入った。夕方のことで作業はもう終わっていたようで、周囲には誰もおらず、誰にも咎められたり止められたりすることはなかった。
屋内はすでに内装の解体が済んでいた。あたり一面木くずや鉄くずや漆喰くずが散っており、靴を履いたままでなければとても上がれたものではなかった。
かつて廊下だったところを進むと、つきあたりにはかつて居間だったところがあった。柱や崩れた壁だけが痩せさらばえた骨のように残る無残な姿になっていたが、居間だったころの空気がまだ少しだけ沈殿しているような気がした。
地面の汚れも気にせず、真ん中あたりに座りこむ。かつてみんなで囲んだちゃぶ台があったところだ。防音シートが貼られていることもあり、カーテンのない部屋は刻一刻と暗くなってきた。こうやって膝を抱えていれば、そのうちに誰かが帰ってくるような気がした。たとえばちひろの手を引いたちづるさんが、「浪川さん、いるの? 電気もつけないでどうしたんですか」なんて、廊下を歩いてくるんじゃないかとか。
ふと、ばかげた考えが浮かんだ。
猫屋敷と一緒に心中してしまおうか。
全精力を傾けて書いた小説が落選し、居場所も失った自分に、もう未来なんてない。あったとしても、そんな未来に大した価値はないように思えた。だったらまだ価値のあった頃の自分を象徴していたこの家と一緒に、死んでしまうのもいいかもしれない。
俺はそのまま一晩をそこで過ごした。今さら家に帰らないことで叱られるような年ではなかったし、そもそも厄介者扱いされているのだから携帯電話も鳴らなかった。友達や知り合いからの連絡なんて、友達のいない俺にははなから心配無用だった。
翌朝、ずいぶん早いうちに外から作業員の声が聞こえてきた。最後の点検なのだろうか、何人かが屋内に入ってきたが、一旦庭に出たり、うまく物陰に隠れているうちにやり過ごせてしまった。
そのうちにショベルカーの音が響いてきた。俺は居間の隅の、もともとは箪笥があったところにじっと座っていた。怖くはなかった。結局うとうとしただけで眠っていなかったから、少し頭がぼんやりしていたせいもあったかもしれない。それよりもやっとこれで、ずっと胸を覆っていた茫漠とした虚脱感から解放されるという、妙なすがすがしさのようなものが強くあった。
家が大きく揺れた。正面の壁の漆喰が崩れてショベルカーのショベルの部分が現われ、大量の粉塵が舞った。生きていると面白いものを目にする機会があるものだ。俺は、自分はもう死んでしまうんだよなと何の関係もない傍観者のように苦笑した。ショベルは一度引き抜かれるごとにどんどん近づいてきた。そのうち粉塵で視界がぼやけ、眼や鼻、喉が痛くなってきた。
気がつくと巨大な鉄の塊がすぐ脇の壁を崩していた。漆喰や、内部でそれを支えていた鉄線がバラバラと落ち、頭や体を容赦なく打った。
体に痛みを感じたとき、俺は初めて恐怖を覚えた。
――死にたくない!
立ち上がって廊下に飛び出そうとした。が、すでに散らばっていた漆喰に足を取られ、派手に転んだ。
壁がガラガラと音を立てて落ちてくる。
――いやだ、前に進みたい!
御食沢が言っていたように。
だが、もう手遅れだったらしい。鈍い痛みとともに、視界が灰色に塗り潰されていく。
「孝之くん」と、ちづるさん。
「たか兄ちゃん」と、ちひろ。
「浪川くん」と、三峰さん。
「浪川」と、御食沢。
遠ざかっていく意識の中で、俺はみんなの声を聞いた。............たぶん。
俺は楠の前にあった、壊されたはずの社の前に立っていた。空は一面濃淡のない薄紫色で、明け方なのか夕方なのか判断できない。
社は間違いなくあの社なのに、俺が小さくなったのか社が大きくなったのか、入っていけるほどの大きさになっていた。戸の両側には赤い提灯が掲げられており、妙に生々しい光を青っぽい空気に滲ませている。
入ると、そこは猫屋敷とまったく同じ間取り、まったく同じ佇まいだった。もちろん、解体される前の、である。しかし屋内は薄暗く、まるで夢の中のようでもあった。きっと死ぬ直前に見る幻なのだろうと思いながら進んでいくと、居間でみんながちゃぶ台を囲んでいた。望月さんもいた。
御食沢と三峰さんが何も言わず間を開けてくれたので、俺はそこに座った。
望月さんは皮膚が透けるように白くなっていた。内側で蛭のような生物が何匹も蠢いていたが、以前ほど驚きはしなかったし、気持ちが悪いとも感じなかった。
柱時計がボーンと一度鳴る。針はなくなっていたがなぜか鳴って、やはり一度きりだった。それを合図にしたように、望月さんが口を開いた。
「みんな、それぞれどこまで気づいていた?」
「私は......みんな普通と違うとは思っていましたが、はっきりと何者かとは」
御食沢がみんなを代表したように答えたが、何のことなのかわからない。しかしちづるさんも三峰さんも御食沢に同意するようにうなずいたので、俺は問い質すタイミングを逸してしまった。
「そうか。じゃ、どうだい、おのおの自分たちの素性を明かして終わりにするというのは」
みんなそれぞれ望月さんに対してうなずいた。状況を理解していないのは俺だけのようだったが、誰も首をかしげる俺に配慮してくれる様子はない。とりあえず少数派は黙っていることにした。
望月さんが立ち上がると、他の四人も立ち上がったので同じようにした。望月さんを先頭に居間を出て、俺たちはまず1階のちづるさんとちひろの部屋に行った。
ちづるさんが襖を開ける。そこには自分の目を疑いたくなる光景が広がっていた。枯れすすきがどこまでも無限に続く、夕暮れどきの野原。赤々と沈んでいく夕陽に何もかもが強烈に照らされて、まるで燃えているようだった。
その風景の中に小さな二体の道祖神がぽつんと、ほとんど崩れかけ、すすきに埋もれるようにして立っていた。道祖神は二体がひとつの石に彫られていて、女と、その子どものようでもあった。
「私たちは朽ちた土地で誰にも祀られなくなった道祖神です」
ちづるさんの声がちづるさんではなく、女の道祖神から聞こえてきた。
「この土地も、もうすっかり変わってしまいました。私たちは今は、深い深い、コンクリートの底にいます。もう誰も私たちのことを覚えていません。もう少ししたら、私たちの意識はすっかり消えてなくなるでしょう」
ちづるさんと並んで部屋を覗いていたちひろが、きゅっと母の手を握った。
次は三峰さんの部屋だった。襖を開くと、むせ返るような夜の土の匂いがした。
暗く狭い洞穴のような場所だった。真ん中に、見るからに老いた獣が背中をこちらに向けて横たわっていた。その背はゆっくりと上下していたが、あまりにも緩慢で、いつ動きが止まってもおかしくなさそうだった。きっともうすぐ死ぬのだろう。
「にほんおおかみ、とよばれていました」
ちづるさんのときと同じように、三峰さん自身ではなく、うずくまった獣から声が聞こえた。
「でも、さいごの一匹になってしまったからには、もうそんな名まえにいみはありません。まもなく私は老いてしにます。私のなかまはこれでだれもいなくなります」
獣はそれきり何も言わなくなった。
続いては二階、御食沢の部屋だった。御食沢が自分で戸を開けると、普通の猫の5倍はあろうかという巨大な三毛猫が、窓からじっと外を眺めていた。三毛猫をよくよく見れば、まるで茸が生えているように、毛の中から何匹もの猫が頭を出して動いている。それは御食沢が飼っていた猫たちだった。
三毛猫はちらりとこちらを振り返り、また元の通り外を向いてしまった。
「ねこだま」と、三毛猫は御食沢の声で言った。
「私は捨てられて孤独に死んだ猫の魂の、まぁ、集合体とでもいいますか」
最後は俺の部屋だった。自分で開けるように、と望月さんに視線で促されて、俺はもう数えきれないほど何度も開けた襖を開いた。鬼や蛇でも出るのではと少し不安になったが、そこは何の変哲もない昔の俺自身の部屋で、机に向かってPCのキーボードを叩いている俺自身の背中があった。
「俺は......その......」
背中を向けた俺が口ごもっている。だが、それを言おうとしているのも発声している実感があるのも、今のこの俺なのだ。奇妙な感覚だった。
「人間はあんただけだったのね」
御食沢が闇夜を突っ走る猫のように大きく眼を開いた。
居間に戻ると、ちゃぶ台があった場所に例の楠が立っていた。本来なら屋根を突き破るはずだが、そうではなく天井に吸いこまれるようにして幹が消えている。根は畳にめりこんでいた。
「まだ、生きていたのですか?」
ちづるさんが泣きそうな、嬉しそうな、安堵したような表情で望月さんに尋ねた。俺は以前望月さんが、「この木の命をもう終わらせてやらないといけない」と話してくれたことを思い出した。
「いや、もう終わる」
望月さんは冷たい風が感情を奪っていったような顔で、きっぱり返答した。
「君たちと同じだ。この家や住人たちに最後に会いたかったらしい」
その途端俺は......俺だけじゃない、たぶんほかのみんなも、人の形を失って液体になった。畳だったはずのところは柔らく温かな土になって、俺たちはそこにじわじわと吸いこまれていった。
俺は身体だけではなく意識も液体化しており、地面に広く強く張られた楠の根から自分が吸い上げられ、楠と少しずつ一体になっていくのを感じた。体を失いながら、意識を他の何かと共有するのは不安ではあったものの、それ以上に快感で、俺はしばらく恍惚としてその感覚を味わった。
だが唐突に、その陶酔に終わりがやってきた。俺は楠の中ほどで止まってしまった。もっと上に、もっと末端に行きたい、枝となって自由に伸び、青々とした若い緑になって新鮮な空気を味わいたいともがいたが、にっちもさっちもいかない。
そのうちに乾いた匂い......どんな匂いだとか、何のような匂いだとか表現できない、とにかく「乾いている」としかいえない匂いが上のほうから降り積もるように漂ってきて、俺はやっとわかった。この楠にはもう俺たちを、養分を吸い上げる力がない。それはつまり、この楠が「死んだ」ということだった。
意識が戻ると、見覚えのない部屋で布団に横たわっていた。こじんまりとしたワンルームで、置いてあるものからすると女性の部屋のようだが、殺風景ではっきりとは区別できない。
「痛ぇっ!」
半身を起こそうとした拍子に頭にズキンと痛みが走り、俺は今まで自分が何をしていたのかを全部思い出した。
「お、気づいたか」
聞き覚えのある声がしたほうを向くと、キッチンのほうから望月さんが近づいてきた。その皮膚の下に、蛭のようなものの蠢きはもうなかった。
「ここは......?」
「私の家だよ。猫屋敷からは歩いて15分ほどの場所だ」
言われて改めて見回すと、じつに質素な部屋だった。なるほど、これでは老後の蓄えも作っておきたくなるだろうと、俺は失礼ながら深く納得した。
「でも、どうして俺はここに」
「呑気なことだ。みんなが助け出して、ここまで運んでくれたんだよ」
「みんな......?」
「猫屋敷の住人たちだよ」
さっきの夢なのか幻なのかわからない情景が、頭の中に鮮やかに描き出された。ありえないことばかり起きていたのに、妙にリアルで実感をともなっていたあの夢。
「みんな猫屋敷が解体されるのを最後の力を振り絞って見おさめにきたら、何とまぁ、君が猫屋敷ともども心中しようとしていたというわけだ。それでさらに最後の最後の力を振り絞って全員で君を助けて、最後の最後の最後の力を振り絞ってここに連れてきた」
「あの、最後の力を振り絞ってって......どういう」
「そこまで鈍いのか。まさか先ほどのことも覚えていないわけではないだろう」
「............夢じゃなかったのか」
心臓がばくばくと音を立てて鳴っていた。この会話もまたありえないものなのに、あまりにも滑らかに進んでいることが信じられなくも、どこか滑稽でもあった。
「みんなはどこに? お礼を......」
「もう消えただろうな」
「消えた?」
「少なくとも、実体としては。この世に姿を留めるよすがが失われたからな」
「楠が死んだことと......何か関係があるんですか」
尋ねると、望月さんは大きくうなずいた。
「猫屋敷の住人たちは君を除けば本来ならみんな、消え入るように最後を迎えなければいけない連中ばかりだった。あの楠は三百年以上を生きた霊樹で、もともとはあの家に住んでいた家族を守っていた。その家族がいなくなってからは、家そのものを守った。君以外の連中が実体を持てたのは、あの楠に感応したからだ。
住人たちはお互いが何者なのかも、たぶん私のこともよくわかっていないまま、あの楠が祀られている猫屋敷に入りこんだ。最後の長くはない時間を孤独には過ごしたくなかったんだろう。
だが、楠は老衰でどんどん弱っていった。連中も少し前から気づいて、覚悟は決めていたようだったがね」
「あの楠は......」
「もう切られただろう。死んでいるから、痛みはなかったはずだ」
葉もろくに茂らせなくなった楠の下に並んで座る三峰さんとちひろや、枝にのぼった猫を下ろそうと腕を伸ばす御食沢の姿がよみがえる。すると急に、住人たちがいなくなったのと同じぐらいの喪失感が湧き上がってきた。
そのとき、窓ガラスを軽く引っ掻くような音がした。望月さんがカーテンを開けると、部屋の明かりを受けて1匹の三毛猫がちょこんと座っていた。
三毛猫は大きさこそ普通の猫程度だったが、模様や顔つきは夢で見た巨大な猫とそっくりだった。毛並みをじっと見つめていれば、きのこのように生える小さな小さな猫を何匹も発見できそうな気がした。
「御食沢、お前も行くか」
望月さんが言った。
三毛猫の口が「にゃあ」と鳴く形で動いた。実際に鳴いたのかもしれないが、しかしその声は俺には届かなかった。たぶん、窓ガラスのせいではなかったと思う。三毛猫はくるりと背を向けるとさっと塀に飛び乗って、あっという間に夜の中に駆けていった。御食沢が猫屋敷から出て行ったときのように、あっけなかった。
――現実は現実として受け止めて、次にどうするかが問題なんじゃないの。
お前は自分が消滅することを受け入れたのか......?
――また会えたらいいね。
わかっていたんだったら、何でそんなこと言ったんだよ。
しばらくして、俺は口を開いた。
「これで本当に終わりなんでしょうか」
「君次第だろう」
望月さんはカーテンを閉めた。
「君の中で続ければいい。浪川孝之の中で彼らを生かせば。君ならできるだろう」
特に熱っぽくもない口調だった。望月さんらしいといえば望月さんらしかった。
俺は次に書く小説にあの4人を登場させようと、半ば誓うように思った。
「猫屋敷の住人たち」了
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