彼女は驚き、いらついて、家じゅうの捜索を命じた。そのときにやっと、地面に落ちていた閂から、安珍がその門を出たのではないかと疑われた。家人たちのひとりひとりに話を訊いてみると、水仕女の若い女が、そういえば子猿を追いかけて廊を走る姿を目にしたと答えたので、きっと子猿とともに外に出たのだろうということになった。
探索の手は館の外にまで伸び、日がとっぷり暮れるまで村人たちに尋ねてまわると、畑仕事から帰ってきた老爺が、村外れの林に世にもうつくしい僧が入っていくのを見たと言った。
ここまで来ると単に子猿を追うだけが原因とは考えにくくなったものの、しかし、では何が理由なのかわからない。が、とにかく経路から考える限り、このままだと安珍は村向こうを流れる川を渡り、和泉や河内の方へ向かうのではないかと思われた。
追っ手を出すのは、その時点ではもう現実的ではなかった。すでにあたりはすっかり暗くなっていたから林に入りこむのは無謀だったし、安珍も足元が覚束ない状態で進むことはないだろうとのことで探索に出た家人たちの意見は一致した。
事の首尾を受けた清姫は、動顛して床に就いてしまった。去って行った理由が何かはわからないものの、理由なんて何であれ、行為そのものが彼女に対する裏切りだった。
ぼくはちょうどそのころ、清姫の館に戻ってきた。安珍は林を抜けてすぐのあたりでじっと身を潜めていて、朝になったら渡し守を頼って川を渡ることになっていた。
当然、ぼくはじっと隠れていた。清姫に見つかったら、どんなことになるかわからない。
その夜、清姫は発熱し、悪夢とうつつのあいだを何度もさまよった。
明け方近くになって、清姫はむくりと起き上がった。彼女は侍女も呼ばず義足を嵌めると、寝所を抜け出した。ぼくはそっと後をつけた。
着いた先は、裏庭だった。
開き始めた曼珠沙華の、白い色は清純な淡雪のように闇に浮かび上がり、赤い色はそんなたった一輪の白に軒並み征服されたかのように沈みこんでいた。
清姫は花園に降り立つと、ずる、ずると足を引きずって進んだ。その音が、朧な三日月しか光源のないほの暗い空に、不気味に舞い上がっていく。音は溶けるようにひとつにつながってゆき、いつしか何か長くて濡れた生物......たとえば蛇、が這っているような湿ったものに変わっていた。
いや、清姫の脚に目をやれば、それは蛇のような、ではなく、まさしく蛇に変化していた。
この時代にはまだ、こんなふうに強い思いこみだけで得体のしれない化物に変わってしまう人間がいたのだ。安珍を求めるあまり、清姫は肉体を変化させるまでに至った。
それにしても......と、ぼくは首をひねる。いくら安珍が絶世の美形だとはいっても、たった一度会っただけの相手にどうしてこうまで執着できるのだろう。もしかしたら、これもまた人間の業とやらなのかもしれないが、ぼくにはよくわからない。
清姫は咲き初めの曼珠沙華のあいだを縫って、しばらくゆっくりと這っていたが、とつぜん背中を大きく反らせて暗い空を仰いだ。
「安珍さま......」
目を見開き、喉から安珍の名を絞り出すと、清姫はものすごい速度で前進を始めた。
曼珠沙華の林立を抜け、裏門の閂をもどかしげにはずすと、彼女は屋敷を飛び出した。安珍を追う気なのだとは、すぐにわかった。この半人半蛇の姿で、夜も明けない闇の底を這って。
「清姫」
ぼくは慌ててその背に乗って名前を呼んだ。だが、気づく様子はない。
長くつややかな黒髪を土で汚し、尾と両手で這い進む清姫は、狂ってなおうつくしい規律を乱さない目鼻に、翡翠の軟玉のようなとろりとした質感の肌を保っていればこそ、痛ましかった。
清姫は真っ暗な村を抜け、においを辿っているように正確に、村を抜ける林に入っていった。
このままでは追いつかれてしまうかもしれない。ぼくは焦って何度も清姫に話しかけた。髪をひっぱったり、こめかみをこづいたりを何十回か繰り返すと、清姫はやっとこちらを向いた。
事の発端を作ったぼくに怒りを燃やすのではないかと身構えたが、そんなことはなかった。ただ淡々と「おぉ、子猿か」と前進速度に反してけだるげな視線を投げてきたばかりだった。ぼくが喋ったことにもさして驚きはしなかった。
「安珍のことはもうあきらめろ」
「なぜ」
「あいつの頭の中は修行やら神仏やらのことでいっぱいだ。女の......というか、お前の入る余地はない」
「だから、こうして追っている」
清姫はつまらないことを訊くなとばかりに返した。
東の方角がかすかに白んできた。夜が明けてしまう。
清姫はひたすら前進した。このままでは安珍が、新たな曼珠沙華になってしまう。ぼくは考えるのをやめて、振り落とされないように背中にへばりついた。
進む最中、ぼくは何度も彼女を"むりやり"引き止めようと考えた。だが、そのためには"原型"を晒すしかなく、ぼくはそれをひどく忌み嫌っていた。
なぜかって、その姿は、とても醜いからだ。かつて、父や母が棄てた子によく似て。
その日、日高川と呼ばれるその川のそばにいた人々は、一匹の大蛇が子猿を頭に乗せて川を渡っていくのを見た。
「この川は船がなければ渡れない。お前のその姿では渡り守も逃げるだろう。あきらめろ」
清姫が川のほとりに至ると、ぼくはそう言い聞かせたが、清姫ははなから船になど乗るつもりはなかったらしく、渡り守からは離れた岸に立った。
川の向こうをじっと凝視しているうちに、清姫は下半身だけでなく、上半身、そして頭部までもが蛇に変わっていった。鼻がつぶれ、口は耳まで裂けて、顔面も蛇そのものになった。
蛇は川に入ると、ことさら派手な水しぶきをあげるわけでもなく、静かに泳いだ。しかしこの蛇が憤りか怒りか悲しみか、とにかく何か強い感情に捕らわれ、煽られているらしいことは、川の波が低くはなかったにもかかわらず、あくまでもまっすぐに水を切り裂くように泳いでいることと、その驚異的な速度から察せられた。
ぼくは水面から持ち上がった頭にちょこんと乗っていたが、清姫はいやがるでも怒るでもなく、まるでぼくなんていないみたいにしていた。ぼくは清姫が、いつまで経ってもぼくが成長しないことを気にも留めずにいたことを思いだした。
「安珍、逃げろ」
向こう岸に着くとぼくは一散に駆けて駆けて安珍に追いつき、かれの肩に飛び乗るや否や叫んだ。
清姫はもはや何を話しかけても反応がなかったので、ぼくは清姫を阻止することをあきらめて、安珍を早く逃がすやり方に切り替えたのだった。
「子猿、どういうことじゃ」
「清姫はもう止まらない。お前を想うあまりに蛇の化物になって、今、すごい速さでこっちに向かっている。このままでは取り憑かれて、最悪、殺される」
「げっ」
安珍が足をすくませて立ち止まったので、ぼくは「止まるな」と一喝した。
しかし、いくら安珍が急いでも、清姫の速度を考えれば遅からず追いつかれることは目に見えていた。何かいい手はないか考えていると、目の前に大きな山門が見えてきた。
「あれは道成寺じゃ」
有名な寺なのか、安珍は目にするなり名を口にした。
「助かった、あそこに匿ってもらおう」
はたして清姫相手にどこまで通用するか不安ではあったが、このままあてもなく走り続けるよりはましだろう。ぼくは同意した。
安珍が飛びこむと、寺は騒然となった。蛇と化した女から追われているという安珍の訴えに、あからさまに眉をひそめた奴もいたが、しかし結局は、熊野詣での帰りの僧をないがしろにするわけにはいかないということになった。
とはいえ、背後からわけのわからない化物が追ってくるともなれば、本堂や僧坊に匿うわけにもいかない。安珍は鐘楼に入れられ、さらに鐘を下ろして、その中に隠された。何かあったときのために、ぼくは一緒には入らず外で様子を見ていることにした。
清姫は半時(約1時間)もしないうちに追いついた。ぼくと別れたときよりひと回り以上大きくなっていて、口を開いたら子供程度なら丸呑みできそうなほどだった。ずっと目にしていたぼくでさえ呆気にとられたぐらいだから、道成寺の僧や稚児たちの驚きといったらなかった。
僧たちは住持(住職)を庇いながら本堂へと逃げ込んだが、清姫はかれらには見向きもしなかった。清姫は始めから何もかも知っているように一直線に鐘楼に向かい、尾を激しく打ちつけて戸を叩き割った。
ぼくはもちろん、何もせずにぼんやりしていたわけではない。清姫が鐘楼に向かってきたときから、先ほどのように頭に乗って制止しようとした。だが蛇体は、乗った足が火傷するほどの熱を帯びていた。仕方なく少し離れたところから止まるように喚いたが、その程度では何の効果もなかった。
清姫は鐘に近づき、何度もひっくり返そうとしたが、さすがは大寺の鐘というべきか、鐘はびくともしなかった。彼女が動くたびに尾が外面に当たり、籠ったような音が立つ。中にいる安珍はどんな気分だろうか。
このころになると、自分たちの身には危険は及びそうにないと踏んだ僧や稚児たちが何人か、鐘楼の入口に集まってきた。かれらが見守る中で、鐘に巻きつき、龍頭の部分を咥えた清姫は、安珍に語りだした。
「のぅ安珍さま、後生じゃ。後生じゃから蛇と化すまでの女の想いを、いとしい、かわいいと思うて下さらぬか。人の情の深遠も知らずして、何の仏の功徳。のぅ、もうつれないお顔はやめにして、ここを出て私の腕を、肩を、腰を抱いては下さらぬか」
どこが腕で肩で腰なんだよ、と横槍を入れたくなったのはさておき、その声といったら艶とうるみを帯びた、男の魂をとろかすようなものだった。僧たちの何人かは清姫が蛇体であってなお、その声にみずからが寺の外に捨ててきたものをよみがえらせて、複雑そうな面持ちで聞き入っていた。
安珍の答えは明快だった。
「否」
それから続いて、かすかな、しかししっかりとした芯のある祈りが響いてきた。
「南無大悲権現......」
清姫が黙りこむ。
安珍の祈り以外のすべての音が消えて、あたりはぞっとするような、不自然でまがまがしい静寂に包まれた。入口でじっとこちらを窺う連中の、唾を飲む音さえ聞こえてきそうだった。
数秒の後、清姫が呟いた言葉に、ぼくは自分の耳を疑った。
「それでこそ安珍さまじゃ。やはりあなたは......」
また、それでこそ、だ。いったい何が"それでこそ"で、何が"やはり"だというのだろう。裏切られたと思う側が口にする単語ではない。それは諦めとも少しちがう、感情が削ぎ落された、棒読みのような、実質が抜きとられたような声色だった。
蛇の両目玉から赤い液体が流れ落ちた。血の涙だった。血は鐘に落ちて、尊い曲線をなぞって流れ落ちた。
それを見ているうちに、ぼくは少しずつわかってきた。
清姫が安珍にここまで執着した理由、それは拒まれたからこそではないか。
安珍が戻ってくるまでは、清姫はかれの足を切ろうと思っていた。しかし一度ならず二度までも徹底して拒否されたと感じたとき、清姫は夫を拒みに拒んだかつての自分を無意識に重ね合わせた。それは足など切らずに人を愛することができた自分、曼珠沙華の花など知らない、"人間"だったころの自分だった。
もしも安珍をつなぎ留め、足を切ることなく想いを向けさせることができれば、自分もまた、やり直せるように思えたのかもしれない。
清姫は神の座を捨てて、人間に戻ることを望んだのだ。しかし、人間であることを求めて安珍を追ううちに、今まで以上に人間とはかけ離れたすがたになった。何という皮肉だろうか。
そして安珍は、やはり清姫を拒んだ。
「......私にはもう、こうするしかないようじゃ」
蛇は力なく笑うと、鐘に巻きつけた体に力を込めた。
とたんに、その体から大きな炎が立ち上った。「ひぃっ」と情けない悲鳴を上げて、野次馬の何人かが逃げていった。
炎蛇となった清姫の生み出す炎は凄絶だった。中にいる安珍を蒸し殺そうとする気だ。残った野次馬たちが熱風に顔をしかめる。
こうなったらしかたがなかった。安珍を守ろうと、ぼくは決意した。
人間であれば、瞬きを一度したかしなかったかのあいだに、ぼくは清姫の倍はあるであろう巨大な蛭に変わった。......もっとも嫌う、"原型"に。
だいたい、ぼくの目的は曼珠沙華の花園から僧たちの魂を解放することなのだから、新たな曼珠沙華になりようもないとわかった安珍を救う必要などないのだ。だが、子猿、子猿と呼んでかわいがってくれた安珍が無残に殺されるのを黙って眺めていることは、ぼくにはどうしてもできなかった。
蛭の体で清姫に飛びつく。ほぼ水分でできているぼくの体から、ものすごい勢いで水蒸気が上がった。焦げたような生臭いような臭いに、残っていた僧たちが揃って嘔吐を始める。
ぼくの体はみるみる小さくなっていったが、それでも離れはしなかった。ぼくは清姫の体から血を吸い上げたが、清姫はなかなか力尽きない。
どのぐらい、そうしていただろう。やがて蛇は少しずつ小さくなって、みずからの重さを支えきれなくなったかのように、ゆっくりと鐘から滑り落ちた。
ぼくは何とか、粘り勝ったのだった。
「安珍!」
力を振り絞って、高熱を帯びていた鐘を何とか押し上げると、熱気に顔を撫でられた。思わず目を伏せる。信じられない熱さだった。
「大丈夫か......」
水をかぶったような汗をかいていたが、安珍は生きていた。かれは朦朧とした目で、まず蛭のぼくを見て、それから打ち捨てられた一本の短い縄のような清姫を見た。ぼくを見ても驚かなかったのは肝が据わっているというよりも、熱で混乱していたからだろう。
ぼくは早く暴力的なまでにかわいい子猿のすがたに戻ろうと試みたが、炎のせいであちこち傷ついた体はいつものようにはいうことをきいてくれなかった。
「安珍、ぼくだ! 大丈夫か!?」
蛭のままのぼくの声が声になっていないのか、安珍が聞こえていないのか、何度か呼んだが返事はない。
そのときだった。絶命したとばかり思っていた清姫がとつぜん跳ね上がり、牙をむいて安珍の右足首を噛んだ。茫然としていた安珍は「あっ!」と悲鳴をあげて、一歩退った。
「ほほほ」と、蛇は血を吐きながら笑った。
「毒をこめて噛みました。いずれ安珍さまの右足は腫れて痺れて、使いものにならなくなることでしょう。そうしたら、ほほ......切るしかありませぬ」
「お前、なんてことを!」
ぼくは清姫にもう一度飛びつこうとしたが、清姫は今度こそ動きを止めた。こと切れる直前、彼女は「あぁ、疲れましたこと」と呟き、それがこの世に残した最後の言葉になった。
「すぐに吸い出そう。早くすれば間に合うかもしれない」
ぼくはやっとの思いで体を子猿に戻すと、安珍の手を引っぱった。
「いや、このままでいい」
安珍が、ぽつりと言った。
ぼくはびっくりして安珍を仰いだ。
「安珍、どうしたん......」
「この足を......清姫への手向けの一本にしよう」
その声音は、"それでこそ"や"やはり"を口にしたときの清姫のそれとそっくりの、体温や情動の感じられないものだった。いやな予感が膨れあがりながら背筋を駆け上る。ぼくは急いで安珍の体によじのぼった。その短い時間の間、ぼくはまるで人間みたいに、何かに必死で祈っていた。
安珍の目を覗きこんで、絶句した。そこには今にも溢れ出さんばかりの涙とともに、妖しいまでの狂気が宿っていた。それは、もう元に戻ることは完全に不可能なのだと一目で見定められるほどに内部が変形しきったことを、雄弁に語っていた。安珍は今まで彼だったものとは違う何かになっていた。
今までぼくに向けてくれた屈託のない笑顔や、優しく撫でてくれた大きな手の記憶が、一瞬にして真っ黒に塗りつぶされたような気がした。
どうしてこんなことになったのか、ぼくには容易に想像できた。
なぜなら、ぼくはその目を、すでに一度見たことがあったからだ。
開きだした曼珠沙華を見つめる清姫の目と同じだった。
「安珍、安珍」
話しかけても、安珍はもはや答えてくれなかった。
ぼくには安珍がまだ、炎蛇が焼き尽くそうとした鐘の中にいるように思われた。極熱の向こう側までは、ぼくの声は届かないのだ。清姫がぼくの姿も声も気にかけられなかったように。
生きるか死ぬかの瀬戸際に追いやられ、極限状態を味わいつくした安珍は、傷つけられ、足を切られた清姫が奪われたのと同じものを失ったのだろう。
「安......」
何度目かの呼びかけの後、ぼくは人間のようにふるまうのをやめることにした。何も話さず何も知らない暴力的なまでにかわいい子猿に、もう戻ろうと思った。そんなことをしたところで、役目に関係なく安珍を追い、"原型"まで晒した事実は消えも忘れられもしないと、わかってはいても。
ぼくは言葉を、安珍に訴えかけるすべを、棄てた。
安珍は道明寺の僧たちに厚く礼を述べると、蛇の死骸を大事そうに抱え、足を引きずって出て行った。
曼珠沙華が枯れてしまわない数日間だけと決めて、ぼくは安珍についていった。安珍はどこへとて行くあてはないようにさまよった。歩けなくなるままに朽ちる気なのだろう。
ぼくは振り向かないかれの後を追いながら、つぎつぎ咲き始める曼珠沙華の花を思い描いた。覚醒した僧たちの魂は、身に刻みつけられた被虐を思いだして再び酔い、たった一輪の白い曼珠沙華を慕って花園の上を揺らめいているだろう。
数日が経ち、ぼくが曼珠沙華の花園に去ろうとしたとき、安珍はたった一言だけ、独り言のように言ってくれた。
「子猿、お前も早く良い雄猿に出会い、元気な子を生んで幸せに生きられるといいのぅ」
胸が痛くなった。そんなことを言ってほしくなかった。
ぼくは、雌の猿である自分もまた安珍に恋をしていたのだと、このときになってやっとわかった。ぼくはやはり、不完全に具現化されてしまったようだった。
「曼珠沙華が咲くまでに」了
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Abnormal Fantasy Novel 2013 [god of the end]
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