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「町内会で飼われる少女」【3】

「ふふふ、やっぱり愛美ちゃんはセーラー服がよく似合うねぇ。今どきの女の子で、こんなにセーラー服が似合う子は珍しいんじゃないかな」

バスの中、町内会の男たちの視線を浴びながらセーラー服に着替えさせられた愛美に、北村がニヤニヤ笑いながら話しかける。

「......」

愛美は黙ってうつむくばかりだ。隣に座っている橋崎も愛美の全身をジロジロ眺めて、目を細める。

「全くじゃな。近頃多くなったブレザーという奴は、どうにも軽薄でいかんよ。やはり日本の清純な女子校生は、セーラー服が一番似合うべきなんだよ」

確かに黒髪におさげの愛美は、一昔前の女学生といった趣で、北村が持参したクラシカルなセーラー服によく似合っていた。それは実際の愛美の高校の制服よりも、さらに古めかしいデザインだった。

「最近の子にしては、ずいぶんおっぱいは小さいようだが、それもまた可愛いもんじゃ。大きければいいってわけではないしな。ははは」

橋崎は好色な視線を愛美の胸元に向けて、大声で笑った。愛美は顔を真っ赤にして、あわてて腕で胸を隠した。

二十人以上の男たちに、下着姿を見られてしまった、その恥ずかしさを思い出し、愛美は羞恥に身悶えた。

人一倍、恥ずかしがり屋の愛美は、男手ひとつで育ててくれた父にも、小学校高学年の頃から下着姿を見せることはなかった。下着も自分で洗っていたのだ。

「そうですよ、橋崎先生。女のおっぱいは大きさよりも、形と色、なにより感度が大事ですからねぇ。愛美ちゃんのおっぱいは、どうなのか、あとでじっくりと調べてあげましょうねぇ。ふふふ......」

北村はそう言うと、スカートの裾から伸びた、愛美のほっそりとした太腿を手で撫で回した。すべすべの肌の感触を味わう。

「あっ、いや」

愛美は咄嗟にその手を払いのけようとした。

「おや、愛美ちゃんはこの旅行中は、おじさんたちの言うことを、なんでも聞くはずじゃなかったかな」

北村が睨みつけると、愛美は唇を噛み締めてうなだれる。

「ほう、そんな約束があったのかい。それじゃあ、わしも触らせてもらおうかな」

橋崎も手を伸ばし、愛美の太腿を撫で回してきた。

「あっ......」

愛美はしっかりと両腿を閉じ、スカートの上から股間を押えた。せめてもの抵抗だった。しかし、もし、手をどかせて、脚を広げろと北村たちに命令されたら、従わなければならないのだ。

幸いなことに、北村も橋崎もそれ以上のことはしてこなかった。

ただ、二人は愛美は目配せをして、小さく笑い合っていた。

女を責めることには長けた二人の絶妙のタッチに、愛美が密かに体をビクンと反応させていたことを、しっかりと見抜いていたのだ。

「ふふふ、これは楽しみですね」
「全くじゃ。いひひひ」

そんな二人の言葉の真の意味を愛美は知るよしもなかった。


バスは二時間後に、旅館へと到着した。東上橋温泉郷の外れにある東桜館は、大きな露天風呂が自慢の老舗旅館だ。そして、混浴であることでも知られている。

古くから混浴好きの間では有名であったが、近年はバスタオルを巻いたままでの入浴、いわゆるタオル巻き可になったため、女性客もずいぶん増えたようだ。

「せっかくの露天風呂だ。景色が眺められる明るいうちにひとっ風呂浴びましょうや」

到着するなり、北村が言い出した。

「そうですね、そうしましょう」
「いやぁ、僕、混浴って初めてなんですよ。楽しみだなぁ」

男たちは、一斉にセーラー服姿の愛美を見た。誰もがだらしなく口元を緩めている。全裸で入浴する愛美の姿を思い浮かべているのだ。

いよいよ、みんなの前で裸を晒す時が来てしまったのか......。愛美は泣きそうな表情になっている。

そんな愛美の肩を北村がポンと叩いた。

「大丈夫だよ、愛美ちゃん。ここの温泉は混浴と言ったって、バスタオルで体を隠したまま入っていいんだから。みんなに裸を見られる心配はないのさ」
「えっ、そうなんですか? 裸にならなくていいんですか?」

愛美の表情が、パッと明るくなった。

「まぁ、バスタオル一枚でというのも、恥ずかしいだろうけど、それくらいは我慢してくれるよね」
「はい。ありがとうございます」

愛美は北村が深々と頭を下げた。覚悟はしていたものの、裸を見られないで済むというのは、愛美に取って何よりもの救いだった。

もしかしたら、北村もそう悪い人ではないのかもしれない、そんな気さえしてきた。町内会の人たちは、本当に善意で自分を助けてくれようとしているのかもしれないと。

荷物を部屋に置いた後、町内会一行はぞろぞろと露天風呂へと向かった。本館から小さな吊り橋で川を渡る。この川沿いに四つの大きな露天風呂があるのだ。そのうちの一つは女性専用だが、それ以外の三つは混浴となっている。

浴衣を着た二十人以上の中年男の集団の中に、一人だけセーラー服姿の少女がいるというのは異様な光景だった。他の宿泊客は不思議そうにそれを観て、中には後を追って露天風呂へ向かう者もいた。愛美と一緒に入浴しようという魂胆だ。

「女性更衣室は、そっちだからね」
「......はい」

男たちと別れて、愛美は女性更衣室に入った。他に女性客はいないようだ。愛美はセーラー服を脱ぎ、脱衣カゴに入れていく。そしてブラジャーを取り、ショーツを脱いだ。まだ青さを残した瑞々しい裸身が露になる。

「え......」

ショーツを脱いだ時、愛美は自分の体に起こった異変に気づいた。

股間に当たる布地が濡れているのだ。

「どうして......?」

愛美は自分の股間にそっと指を当ててみる。うっすらと生えた陰毛も湿っている。そして、その部分に蜜が溢れていることを知った。

「まさか......」

バスの中で、北村と橋崎に延々と脚を触られていたのだ。触るか触らないかの絶妙なタッチで内腿を撫でられたり膝をくすぐられたり。それは愛美にとって、たまらなく不快だったはずなのに。

本当のことを言えば、自分の体の奥が熱くなっていたことも気づいてはいた。最初は、ただ気持ち悪く、くすぐったいだけだったのに、だんだん体の奥がムズムズしてきたのだ。思わず声が出そうになったけれど、必死に耐えていた。

バスが旅館に到着した時には、心の底からホッとした。もう少し、続けられていたら、自分でもどうなっていたかわからない。しかし、こんなに濡れていたとは......。

性的には潔癖な考えを持っている愛美だが、体に芽生えた欲望を自分で慰めた経験がないわけではない。背徳感に苛まれながらも、その部分に指を這わせ、未知の感覚を味わってしまったこともある。だから、この濡れた状態が、どんな意味を持っているのかは、十分にわかっている。

こんなことが、あの男たちに知れたら、どうなるか......。愛美は脱衣場の隅の洗面台に置かれていたティッシュペーパーで、そっとその部分を拭った。恥ずかしくて顔が真っ赤になってしまう。

もう湿り気が残っていないことを確認すると、愛美は北村に渡されたバスタオルを広げて体に巻こうとした。

「えっ、これじゃ......」

それはバスタオルと言うには、あまりに小さく、薄かった。横に体に巻きつけようとすれば、少し足りない。幅も胸と股間を同時に隠すのは難しい。股間を隠そうとすれば、乳首がギリギリ見えてしまいそうだ。

縦にすれば、前は全部隠せるが、お尻が丸出しになってしまう。

どう考えても、このタオルでは全てを隠すことは不可能だ。

「ど、どうしよう......」

愛美はタオルを手に悩んだ。しばらくして更衣室の外から声がした。

「おーい、愛美ちゃん。早くおいで。どうしたんだい? 調子が悪いなら、助けに行くけれど」
「あ、はい。今、行きます」

更衣室に入ってこられてはたまらない。愛美は決意した。

更衣室の引き戸を開けると、その前にはもう一つ目の露天風呂が広がっている。二十人以上の男たちがそこに浸かり、一斉に愛美を見た。

「おー、すごいね、愛美ちゃん!」

男たちは歓声をあげた。

考えた末に愛美が選んだのは、横にタオルを巻きつけ、股間ギリギリまで隠し、少しだけはみ出てしまう乳首は、左の腕で隠すというものだった。タオルの長さも足りないので、横から少し見えてしまうが、それは右腕でできるだけ隠す。これが一番、露出度が少ないはずだった。

しかし、ちょっとでも手がずれたら、見えてしまうという際どい隠し方でもある。そしてそのギリギリの露出は、男にとって最高にエロティックだった。しかも、17歳の美少女が羞恥に顔を真赤に染めながらそんな格好をしているのだ。その姿に興奮しない男はいないだろう。

「さぁ、どうぞ、愛美ちゃん。いい湯加減ですよ」

いくら隠しているとはいえ、そんな際どい格好で、男たちの視線を浴びているのだ。恥ずかしさに頭がおかしくなりそうだ。しかし、ちょっとでも気を緩めたら、タオルからはみ出してしまう。

愛美は猫背気味に体を縮めながら、風呂に近づく。お湯の中に入ってしまえば、少しは視線を避けられるだろう。

「おっと、入る前には、ちゃんとかかり湯で体を綺麗にしないといけないよ。それが温泉のマナーだからね」

お湯の中から上原が声をかける。

「は、はい。すいません」

愛美はしゃがみこんで、右手をタオルから離して湯桶をつかむ。左手でタオルが落ちないように気をつけてはいるが、チラチラと肌が見えてしまう。

そして、お湯を体にかけると、また新たな問題が発生した。白い薄手のタオルが濡れてぴったりと体にくっついてしまうのだ。うっすらと透けてしまっているし、体のラインもはっきり出てしまう。

愛美は慌てて、お湯の中に入った。男たちが言う通りに、ちょうどいい湯加減だったが、愛美にはそれを楽しむ余裕などない。できるだけ男たちの視線を避けようと、端で小さくなっていた。

しかし、男たちはそれを許さない。その周りを取り囲むようにして近づいてくる。

「どうだい、愛美ちゃん。素晴らしい露天風呂だろう? 向こうに山は見えるし、すぐ横に川が流れてるし。こんな絶景の中で、みんなで一緒にお風呂に入れるなんて最高だね」
「は、はい......」

そう言われても、愛美は景色などを楽しむ余裕はない。恥ずかしさにブルブル震えているだけだ。

男たちはさらに近づいてくる。もう肌が触れそうなくらいの距離にまで迫ってきている。

この温泉では、男性もタオルで前を隠すようにと貼り紙があるのだが、お湯に浸かっている時は別だ。つまり、全裸の中年男性の大群に、愛美は囲まれてしまっているのだ。男たちの体を出来るだけ見ないように、愛美はうつむいている。

「ああ、もうのぼせちゃいそうだな」

タカハシ文具店の若主人である武史が、急に立ち上がった。愛美はついそちらを向いてしまった。

目の前に勃起した男性器があった。

「きゃぁっ!」

愛美は悲鳴を上げた。

(続く)

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著者=小林電人  長年夢見ていた自分の「理想のSMビデオ」を自主制作したことがきっかけで、AV&SM業界のはじっこに首をつっこむことになった都内在住の40代自営業。小説「赤い首輪」をモチーフにした作品など、自分の嗜好に正直な自主制作DVDを鋭意製作中。詳細をお知りになりたい方、購入ご希望の方は「羞恥専門小林電人公式サイト」をご覧下さい。
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